環境を意識して仕事を工夫している社員にスポットを当てたインタビューリレー。
第3回目は、生活雑貨事業部の豊川紗代さんに「海とかもめ部」のお話を伺いました。
以下事務局:環境コミュニケーション事務局)
事務局)「海とかもめ部」を立ち上げたきっかけを教えてください。
豊川さん)私の実家は徳島市なんですけど、夏休みのキャンプはいつもちょっと南の阿南市の海に行ったりしていました。実家も海沿いにあるんですが、小さいころ泳いでいた海が、埋め立てされたり、水が汚いから遊泳禁止になったり、高校生になるころには泳げなくなってきて、それが切なくて、自分の中で悲しい思いがずっとありました。
そこから時を経たんですけど……フェリシモで仕事をするなかで「深海魚シリーズ」の商品を企画していて、海のことに詳しいプランナー・楢崎さんと一緒に、ecolor[エコラ]の時代に立ち上げられた基金「沖縄サンゴ基金」を引き継ぐことになったんです。「これは(海との)ご縁かな」と感じました。それに、楢崎さんが海に関してとても知識があるので、いろいろ教えてくれて、海のことを知るのがだんだん楽しくなってきて「もしかしたら海に関する何かの活動ができるんじゃないかな?」と思ったのがきっかけです。もうひとつ、当時ファッション事業部で「サンゴの森基金」を担当していた、ボディーボード好きのプランナー・河原さんが「これからこの基金をどうしていこうかな?」と考えている時期だったらしく、「だったら一緒にやりませんか?」とお声がけして。そんな出会いや経緯があって「海とかもめ部」を立ち上げようと思ったんです。
事務局)「海とかもめ部」の活動内容は?
豊川さん)部員は今、15人います。結構多いんですよ。秋冬はオフシーズンなんですけど、コロナ前は春から夏にかけて海にまつわるイベントがいろいろとあって、月に1回は参加していました。中でも、水中写真家・鍵井靖章さんが開催されているイベントには毎回呼んでくださるので必ず参加していました。ほかにも「ブルーオーシャンフェス」というサーファー向けのイベントや「海の自由研究フェス」という海をもっと知ってもらうための小学生向けイベントに行ったり……。そういうイベントに、15人の部員の中から数人ずつ参加していました。
事務局)話題や人気の商品は?
豊川さん)ダントツの人気商品は、「海とかもめ部 お部屋が海になる 海中の光に包まれるカーテンの会」です。
これ、本当にいい商品でですね、「お部屋が海になる」というテーマで、先ほどご紹介した水中写真家・鍵井靖章さんの海の写真をプリントしたカーテンなんです。最初は、鍵井さんのファンの方が買ってくださるかな~と思っていたのですが、販売スタートしてみると、結構フェリシモのお客さまに響いて、2019年に最初のカタログが出たときは人気ランキング2位だったんです。多分、本当に海が好きな方は、自分で海に行っちゃうと思うんですよね。でも、わざわざ出かけるほどではないけど興味はある、くらいの方からすると、水中ってあこがれだったりすると思うんですよ。このカーテンを掛けるだけで、水中空間が作れるっていうのが、とても素敵に感じられたんじゃないかな。1枚だけじゃなく、継続して何枚も買われる方が多いというのも特徴です。
ほかにも、海のイベントなどで展示した際に、みなさんが近寄ってこられるのは、
「“海の宝石”色とりどりなウミウシのほこり取りクリーナー」ですね。
これがほんと形状がよくできてて、ダイバーさんが「ほんとよくできてるよね」とツンツンしてくれるんですよ(笑) 実物を知っている方がわかってくださるっていうのがうれしいです。ほこり取りクリーナーは完売してしまったのですが、しゅるっと伸びてお出かけに便利な、ウミウシのキーポーチが販売中です。
今後は、商品企画に関して、フェリシモ社内でのブランドコラボに力を入れていきたいです。生活雑貨企画の私たちだけでは、あれもこれもというわけにはいかなので、お洋服とかインナーとか、いろいろなアイテムができたらなと思っています。
事務局)楽しみですね!ところで、メリーファンディング(※)の「無人島まるごとビーチクリーン」はどうなりましたか?
(※「メリー」は「メリーポイント=フェリシモでのお買い物やキャンペーンで貯まるフェリシモオリジナルのポイント」のこと。メリーファンディングとは、さまざまな理由から、支援・サポートを必要としている誰かの「想い」や「夢」をみんなのメリーポイントで応援し、一緒にカタチにしていく取り組みです。 )
2018年にメリーファンディング第3弾として実施した「無人島まるごとビーチクリーン」ですが、実は達成するかどうかドキドキしていたんです。最後なんとか達成できてよかったです。2019年3月末で目標を達成したあと、4月にさっそく沖縄の無人島で実施しようとしたんですが、予定していた日は波が高くて、船を出すことができなかったんです。その後、夏から秋にかけても台風や自然災害が多くて実施できず、台風シーズンも過ぎた11月に、ようやく神山島に「NPO法人美ら海振興会」さんがビーチクリーンに行って清掃活動を行ってくださいました。そのときの様子は、ぜひブログをご覧くださいね。
※目標達成の報告はこちらからご覧いただけます。
事務局)ほかにも部活の予定はありますか?
豊川さん)毎年1月ごろに沖縄水産高校さんとビーチクリーン活動を行っています。2021年は2月に実施しました。沖縄水産高校さんとは、ビーチクリーンだけじゃなく、水中も含めて海をきれいにする清掃活動も行っています。高校の先生からお聞きしたお話なんですが、「実は漁師さんたちも、海を汚す原因を作っている」という現実。海が身近すぎるためか、使えなくなった釣り道具や廃棄物などを捨てるという行為が、残念ながらあるそうです。もちろん一部の漁師さんだとは思いますが……。そういう現実もしっかりと知り、今海がどれだけ汚れてるか、放棄されたゴミがどうなっているのかといったことも、清掃活動でしっかり見てくださいと、いつも言われるんです。ただゴミを拾うだけじゃなくて、ゴミの内容物や、どこから流れ着いて、どんなふうに粉々になっていくのかなど、そういうことを見て感じてほしいと。先生のその言葉が、これから海に関連する仕事に携わるであろう生徒さんたちの心に残って、海を大切にする気持ちをはぐくんでもらえたらなと願っています。
商品企画に関しては、私たちは夏にしか企画しません!(笑)鍵井さんの商品がかなり人気なので、また次も作りたいと思ってます。WEBのコンテンツについても、楽しんで見てくれている人のために毎週ブログを更新しているので、ぜひ見てください。
事務局)今後のチャンレンジは?
豊川さん)ビーチクリーン活動をしている団体さんともっと多くつながっていけたらと思っています。今やマイクロプラスチック問題は世界的にも注目されており、特に海に関わる人たちにとっては重大な問題です。ただいろいろな意見もあるので、「海とかもめ部」としては、プラスチックを単に減らすことを目指すのではなく、海のためになることを探していくようなスタイルでいたいと思います。一気に変えることはできなくても、ちょっとずつ実験をしていく、そして、いずれこのチャレンジや経験が、フェリシモ全体に生かされるといいなと願っています。
「海とかもめ部」のなまえの由来は、かもめが「海辺のそうじ屋」と呼ばれていて、打ち上げられて腐ったお魚なんかもきれいに食べちゃうんですね。それが結果として海辺をきれいにしている、というところから名付けました。楽しいことがイチバン!なので、かもめのように「おいしく食事をしながら結果海がきれいになっている」というスタイルを、私たちもマネできたらなぁと思っています。
事務局)豊川さん、ありがとうございました!
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