新型コロナウイルスの影響を受けて、医療従事者やエッセンシャルワーカー、マスクを買うことができない難民や最貧困層住民と子どもたちに対して、マスクを無償で配布しました。
また、マスクの配布に合わせて、手洗いやうがい、正しいマスクの着用方法などが書かれたポスターを配布して、感染予防の啓発活動にも取り組みました。
このマスクを生産したのは、テラ・ルネッサンスの職業訓練を受けて洋裁の技術を身につけた紛争被害者の女性たちです。彼女たちは紛争の被害を受けながら技術訓練に取り組み、洋裁店を開いて自立に向けて歩み始めたところへ、新型コロナウイルスの影響で収入を得ることができなくなりました。
そこで、「フェリシモたすけあい基金」からの支援を活用して、彼女たちにマスク作りの発注をすることにしました。生産されたマスクはテラ・ルネッサンスが買い取り、必要とされる方々に無償で配布しました。
コンゴでは、国民にマスクの着用が義務化されたため、マスクを買えない貧困層がマスクを着用せずに出歩き、警察などから暴行を受けて命を落とす方も出てしまいました。また、休校になっていた学校が再開されても、マスクを手に入れることができない貧困層の子どもたちは、学校に通うこともできませんでした。
その様な中、彼女たちが生産したマスクは、彼女たち自身の暮らしを支えるためだけでなく、地域の人々の命と暮らしを守る、とても大切なものになりました。
<現地の様子や現地の声>
新型コロナウイルスの感染者数・死者数は、昨年末から年始にかけて増加したものの、その後はゆるやかになり、少しずつ落ち着いてきています。
もちろんコロナの影響は心配ですが、彼女たちが暮らす地域では、今も武装勢力による散発的な戦闘が続いていて、2月には駐コンゴイタリア大使が襲撃されて死亡、4月には武装勢力による政府軍への攻撃など、まだまだ安心した生活にはほど遠い状況にあります。
スタッフが先行きの見えない不安をもらしたところ彼女たちは、
「今、できることをやるしかない。今、仕事があること自体、最高のことでしょ。とにかく、やれることを、やれる時にやる! そうしていれば、あとは神様が助けてくれる。」
と話したそうです。
紛争という巨大な困難と共存しながら生きてきた彼女たちのたくましさに、私たちは励まされるばかりです。
<支援者へのメッセージ>
あたたかいご支援をありがとうございます。
マスクを作った女性たちも、自分たちの仕事が地域の人々や子どもたちの感染予防につながっていることに誇りと喜びを感じています。
まだ新型コロナウイルスが収束したわけではなく、コロナ危機と紛争にさらされながらも、彼ら・彼女らが自身の力で暮らしを営むことができるように、そして、子どもたちが子どもらしい暮らしができるように、支援を続けていきたいと思います。
引き続きご支援の程、よろしくお願いいたします。
■コロナ禍で生き抜くための感染予防と生計向上支援
実施場所 : コンゴ民主共和国中央カサイ州
実施期間 : 2020年11月~2021年3月
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