みなさまとともにこれからの未来の暮らしを作っていく取り組みのために設立された「フェリシモ たすけあい基金」より、脆弱な女性たちへの生計向上支援および医療従事者への支援を実施いたします。
紛争の影響を受けたコンゴで増加する新型コロナウイルスの感染。
コロナ禍で最も脆弱な女性たちの暮らしを守るために、マスク生産の仕事を提供して、現地の人々の感染予防に役立てます。
はじめまして。
認定NPO法人テラ・ルネッサンス理事長の小川真吾です。
新型コロナウイルス感染症の被害は世界に及んでいます。特に医療体制にもろさがあるアフリカ地域では、
「いま動かなければ大変なことになってしまう。」
と、2020年3月にウガンダに残ることを決め、当会の事業地のウガンダ、コンゴ民主共和国(以下、コンゴ)、ブルンジで新型コロナウイルスの感染予防と生計向上支援ために指揮を執っています。
2020年3月10日、コンゴで初めての新型コロナウイルスの感染者が確認され、3月21日には初の死亡案件が発生しました。3月24日には非常事態宣言が発令され、州間の移動は禁止、国境は封鎖(貨物のみ許可)になりました。
当会が活動する南キブ州では、4月13日にはマスク着用の義務化も始まり、警察による市民への厳しい取り締まりも行われるようになりました。そのような中で明るみに出たのは、医療体制と社会経済状況のもろさでした。
先進国に比べて医師や設備不足が続く現地では、早い段階で感染予防を徹底しないと、すぐに医療崩壊が起きてしまいます。また、「コロナに殺される前に、失業に殺される。」そんな言葉が広がるほど、新型コロナウイルスのための都市封鎖によって、住民の仕事や生活は奪われ始めました。その現状に民衆は暴徒化し、それを厳しく取り締まる治安当局による逮捕や暴力も発生しました。
「現地の方々の生活、そして命を守るため、いま自分たちにできる最大限のことを続けていこう」
と、特に厳しい生活状況に置かれている人々の社会経済的な影響を最小限に抑えることを目的に、新型コロナウイルス感染予防と生計向上支援が始まりました。
<支援内容>
新型コロナウイルス感染予防として、マスクの制作、配布をします。
マスクの制作にあたるのは、テラ・ルネッサンスが支援を続けてきた紛争被害者の方々です。
コンゴでは長年続く紛争の中で、両親を亡くした子どもたちや、性暴力の被害にあった方など、紛争による生きづらさを感じている方が多くいます。そんな紛争被害者の収入の向上を目指して、当会は溶接や家畜飼育、農業支援、洋裁の技術支援などを行ってきました。
都市封鎖が起きているさなかでも、現地の方々の暮らしを守れるようにするために、同事業の卒業生を対象にしたマスク生産の仕事を提供していきます。
生産したマスクは、医療従事者や生活維持に欠かせない職業に就いている方々や難民、最貧困層住民に無償で配布します。
基金からのご支援は、マスクの生産に必要な材料費や制作費、配布に必要な交通費、受注や配布手配に関わるスタッフの人件費などに活用させていただく予定です。
<期待される効果>
布製マスクの生産を通じて、仕事の機会が減少してしまった30名に仕事を提供します。
それにより、対象者の方々が最低限の生活をする上での食費を賄うことができるようになります。
生産したマスクは医療従事者や最貧困層の住民など、必要とされている方々に無償で配布します。
洗濯可能な布製のマスクにより、住民は継続してマスクを使用することができるようになります。また、ポスターやチラシを利用して、マスクを洗濯するなどの使用方法の啓発を行うことにより、感染予防にも貢献することができます。
同国において、感染拡大は新しい衝突の可能性や、貧困拡大に直結する重要な課題です。私たちが活動を行う地域で、これ以上新型コロナウイルスの感染を広げないためにも、同事業を続けることが非常に重要なことだと私たちは考えています。
マスクの生産によって収入を確保。さらにそのマスクの無償配布によって感染を予防。結果として、現地の方々の生活、そして、命を守ることにつながる事業になります。
【メリーファンディングからの洋裁技術支援】
メリーファンディングから寄贈したミシンを使い、洋裁店開業のために研修をしたシングルマザーの方々にもマスクを作ってもらっています。先月には、学校が再開した子どもたちのために制服を作ってもらい、コロナ禍での仕事を提供されています。
■コロナ禍で生き抜くための感染予防と生計向上支援
実施場所 : コンゴ民主共和国中央カサイ州
実施期間 : 2020年11月~2021年3月
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活動レポートが届きましたら、みなさまにご報告させていただきます。
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