「フェリシモメリーで社会貢献(ユキサキチャットで10代の若者の未来を守る支援)」から2022年度に基金を拠出した「認定NPO法人 D×P」さまから、このたび活動レポートが届きましたので下記にてご紹介します。
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10代の若者への食糧支援と継続的なサポート
2020年6月に10代への食糧支援を開始してから約2年が過ぎました。食糧支援の発送量は増え続け、本基金からの助成が開始された8か月の間で約9000食を超えています。3月までは多くの方が3ヵ月程度の短期支援で終了していましたが、3ヵ月ではサポートが足りない方も多くなったことから、2022年4月より半年~1年間のスパンで食糧支援を継続する「長期支援パック」を開始することにしました。
また、支援を必要としている10代の若者の生活状況もさまざまで、「炊飯器がない」「電気やガスを滞納しているため調理ができない」「宗教や体質の関係で食べられないものがある」など、決まった食糧のセットでは対応がむずかしい場合もあることから、事前に生活状況や要望などをヒアリングして、発送する食品をカスタマイズすることで「受け取ってよかった」と思ってもらえるセットを届けています。
私たちが食糧を届けている10代の若者には、ひとりひとりさまざまな背景があります。
- 過去にご両親を亡くされ、高齢の祖母と2人暮らしの高校2年生。
授業が終わると家事のために帰るのでアルバイトができない。収入源の遺族年金と奨学金の収入と支出はほぼ同額のため、常にギリギリの生活をしている。
→「ごはん」をお送りすることで少し生活に余裕が生まれ、学業に力を入れることができています。
- ひとり親家庭で兄弟もいる高校生。
自分だけ「ごはん」を作ってもらえずネグレクト(放置)状態。近所に住む親戚からわずかばかりのお小遣いをもらい、そのお金で自分の「ごはん」をやりくりしながら暮らしている。
→親御さんに知られると何が起こるかわからないので、受け取りを郵便局留にすることで、安心して「ごはん」を受け取れるようになりました。
- 児童養護施設を退所し、ひとり暮らしをしている大学1年生。
過去に親から虐待があったことから親族には頼れず、自身のアルバイトと奨学金で生活と学業の両立をしていたが、新型コロナウイルス感染症 緊急事態宣言でアルバイト先の飲食店が臨時休業や時短営業でシフトが激減した結果、学費や家賃が払えない可能性があったので、「ごはん」にかかる費用を切り詰めることにした。
→「ごはん」をお送りすることで、少ない収入でも「ごはん」だけは確保できている安心感のある環境になり、食事を我慢しなくてもよくなった。
〈支援者のみなさまへ〉
D×Pを応援いただきありがとうございます。今年の4月に入ってから食糧の長期支援パックの導入をしました。こうして新たな支援策を打ち出せるのは、多くの方が私たちの活動に関心をお持ちくださり、さまざまな形で応援いただいているからにほかなりません。
食糧支援をする中で、まず「ごはん」が確保できてよかったという声が多い一方で、「食べたことがないものが入っていてうれしい」「仕送り、もらったことはないけど、こんな感じなのかな」などの声もあります。「ごはん」をお送りすることが、10代の若者に新たな経験を届ける機会にもなっていること感じています。
こうした機会を今後もつくり続けていきたいと思いますので、ぜひこれからも、10代の若者の孤立を防ぐセーフティネットづくりに一緒に関わっていただけますと幸いです。
■D×Pさまのその他の支援活動はこちらから
■ユキサキチャットで10代の若者の未来を守る支援
さまざまな事情や悩み事で困難な状況になっている10代の若者たちの未来を一緒に考える窓口の「ユキサキチャット」。孤立させない取り組みのために活用されます。
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