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2023年度基金活動報告ー飢餓に苦しむ人々への栄養改善事業支援(特定非営利活動法人 ハンガー・フリー・ワールド)

「フェリシモメリーで社会貢献(世界の子どもたちへの栄養改善事業支援)」から2023年度に基金を拠出した「特定非営利活動法人 ハンガー・フリー・ワールド」(以下HFW)ベナン支部担当の槌谷保子さまより、このたび活動レポートが届きましたので下記にてご紹介します。

*   *   *

西アフリカ・ベナン共和国で、2017年から3歳未満の栄養不良児とその母親を対象に実施してきた栄養改善事業は、これまでは支援対象者であった栄養不良児の母親や地域住民、そして行政が徐々に事業の担い手になることでこの支援からの卒業を目指しています。

ゼ郡では出荷用にパイナップルなどを生産し、多くの住民は必要な食材を市場で購入しています。HFWはこの地域で大豆やピーナッツ、ごまなど栄養価の高い地元の農作物を普及させてきました。そしてそれらを家庭でも取り入れるようにするために、各村で月に1回程度の調理実習を実施しています。

ソイ(大豆)チーズの串焼きのレシピを学ぶお母さんたち。お肉じゃなくても食べ応えがありそう!

現地職員たちから、複数の先輩お母さんが若いお母さんを誘って、熱心に調理実習に参加しているとの報告を受けていましたが、調理実習で学んだレシピを家では作っていない人もいるのではと、私は疑っていました。

そこで昨年のベナン出張時に調理実習の参加者に対して、「昨夜は何を食べましたか? 」と、ちょっと意地悪な質問をしてみました。するとその場にいた約50名のうち約20名から、これまで調理実習で学んだレシピが次々と出てきました。

出てきたレシピに「私もそれ」と、追加で手を挙げた人を合わせるとほぼ全員が、前日の夕食に調理実習で学んだレシピを取り入れていることがわかり、正直びっくりしました。学んだことがこんなに浸透しているなんてすごいことです。

さつまいものピューレにカルシウムなどの栄養成分を含んだ魚粉を混ぜたものを試食しました。ちょっと辛い……。
活動地のベナン出張時、極度に痩せている子どもの姿は見かけませんでした。

高価な肉や乳製品が買えなくても、市場の食品が高くなった場合でも、近所でとれた栄養のある食材を使うだけで、栄養不良で痩せていた子どもたちが回復していく姿を目の当たりにして、みなさん意義を実感したんでしょうね。大がかりな事業でなくても人々の行動変容によって大きな成果を出すことができたのだと思います。

(報告:HFWベナン支部担当 槌谷保子)

〈支援者のみなさまへ〉

みなさまからのご支援で、多くの子どもたちが栄養不良から回復することができました。ありがとうございます。

しかし、国連食糧農業機関(FAO)の2024年7月の報告書によると、世界では2023年に約7億3,300万人が飢餓に直面しています。新型コロナウイルス感染症が拡大する前の2019年からはさらに増え続けています。

ベナンでも2022年には前年の3倍にあたる約83万人が充分な食料を摂取できず、生命や生活に差し迫った危険にさらされている状態である「急性食料不安」に陥りました。感染症や紛争、気候危機などの影響で世界的に食料価格が高騰。特にアフリカでは5人に1人が飢餓に直面しているために状況はさらに深刻です。

人々が充分に食べることができるとその地域自体が強くなり、災害や紛争、テロなどの抑止や軽減につながります。現地の人々が自身の手で生活を改善し、その状態を持続するためにHFWは自立支援を行っています。今後ともみなさまからのサポートをよろしくお願いします。 

出典 (国連食糧農業機関(FAO)Global Information and Early Warning System)

■ハンガー・フリー・ワールドさまのその他の支援活動はこちらから

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