2018年度に以下の基金より拠出した特定非営利活動法人ハンガー・フリー・ワールドさまの活動レポートをご紹介します。
乳幼児と妊産婦を対象にした栄養改善事業は、13年間で1,619名の子どもたちの栄養状態が改善しました。今後行政が本来の役割を担うしくみができました。
栄養価の高いおかゆを週3回提供する様子
ハンガー・フリー・ワールド(以下、HFW)は、5歳未満児死亡率が高い西アフリカ・ブルキナファソで、2005年10月から公立の保健センターと協力して、クブリ郡11ヵ村の0~5歳未満児を対象に、栄養改善に取り組んできました。
栄養不良児には栄養価の高いおかゆを週3回提供して、定期的に身長と体重を計測しながら栄養状態の確認を行いました。特に深刻な栄養不良児については、入院して集中的に治療が受けられるようにしました。
体重と身長を計測して、栄養状態の推移を把握します
そして、母親が家でも実践することができるように、母乳や離乳食の与え方や栄養バランスのよい食事メニューの作り方や、栄養と子どもの健康の関係などについて指導をしてきました。
母親たちに地元でとれる食材を使った食事メニューを紹介します
これらの活動の結果、事業を開始してから13年間で栄養不良の子ども1,619名が回復することができました。母親たちが栄養や衛生について深く学んだ結果、今では必要な知識を持ち、地域によっては子どもたちの栄養状態も改善しています。
事業の対象者だったタプソバ・スーダンさんは、「娘がまだ1歳だったころ、農作物の不作に見舞われ、日々の食べ物に困窮していました。娘に栄養のあるものを食べさせることもできず、娘はやせ細って病気がちでした。保健センターに通うようになって、ようやく標準体重に追いつきました。病気の回数も減り、表情も豊かになって活発に動き回っています」と、とても喜んでいます。
保健センターが行政としての本来の役割を果たすしくみが強化されたことで、HFWが中心となって運営していた事業は2018年12月をもって終了しました。今後、HFWは妊産婦対象の母親教室を実施して、治療が必要な妊産婦がいれば、母子保健センターを紹介するという、住民と行政の橋渡しをしていきます。
保健センターの運営を行政に移譲。覚書を交わす様子
<支援者のみなさまへ>
みなさまのあたたかいご支援で、これまでに1,619名の子どもが栄養不良から回復しました。
現地の看護師からは、「私たちは日本のみなさんが、この事業を支援してくださったことを深く感謝します。みなさまのご健康と長寿を祈っています。そしてまた機会があれば、ブルキナファソの子どもたちのために力を貸してくださることを願っています。私はこの保健センターで、これからも母親と子どもたちのためにケアをするのが自分の使命だと思っています」というメッセージが届きました。本当にありがとうございました。
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