2017年度に次の基金より拠出した特定非営利活動法人ハンガー・フリー・ワールドさまの活動レポートをご紹介します。
保健センターで乳幼児と妊産婦を対象に栄養改善事業を行っています。センターでの集中治療や家庭でのお母さんの地道な努力の結果、子どもたちはみるみる元気になっています。
保健センターでの乳幼児と妊産婦を対象にした栄養改善事業
12人に1人の子どもが5歳までに命を落としてしまうブルキナファソ (ユニセフ世界子供白書2016)。
ハンガー・フリー・ワールド (HFW) は、2005年10月から国営の保健センターと協力して、クブリ郡11ヵ村の 0~5歳未満児約4,500名を対象に、栄養改善に取り組んでいます。
【 活動内容 】
1.センターでは週に3回の定期診断で子どもたちの健康診断を行っています。体重と身長、体重と年齢比で
割り出す栄養状態の割合をカルテに書き込み、栄養状態の推移を見ています。
2.センターには入院棟があり、重度の栄養不良児の集中治療にあたっています。センターにある設備では
治療できない子どもは、首都の大病院へ搬送されることもあります。
栄養不良児の身長を定期的に測る。体重、上腕周囲も測り回復具合を確認
3.教育の機会に恵まれなかった母親は栄養に関する知識が非常に乏しいため、センターのスタッフは毎回
定期診断の際に、母乳や離乳食の与え方、栄養と子どもの健康の関係などについて母親の理解を深める
啓発ワークショップを行っています。
家庭で実践できるように、母親たちに栄養知識や消化吸収のよい調理法などを教える
4.同時に、ミレット(あわ・ひえなどの雑穀の一種)などの食材を使った栄養価の高いおかゆを子どもと
母親に提供。地元で手に入る食材ばかりを使っているので、母親向けの調理ワークショプで作り方を
習ったあとは家庭でも実践できます。
提供する栄養がゆの材料。栄養価の高い穀物類などをすりつぶして使用
5.センターに通って来なくなってしまった子どもの家を訪ねてフォローアップも行っています。
<支援者のみなさまへ>
事業開始から2018年3月末までに、1,529名の子どもたちが栄養不良から回復しました。0~5歳という子どもの成長にとって一番大切な時期に定期的な栄養指導と治療を行って発育の基盤を整え、家庭でもお母さんたちにきちんと栄養管理を実践してもらうなどして成果が上がっています。
栄養不良は子どもの健全な発育を妨げ、その子どもが大人になっても十分に働くことができないことがあります。子どもを妊娠、出産する女性が十分な栄養をとることも、生まれてくる子どもの成長やその後の発育に影響を与えるために重要です。さらに多くの妊産婦や子どもの健康を守るために、ぜひみなさまの継続した支援が必要です。
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