2020年度に拠出したHokkaido木村秋則自然栽培農学校さまの活動レポートをご紹介します。
本校は、映画「奇跡のリンゴ」のモデルとなった木村秋則先生監修のもと、札幌近郊で生徒と障がい者が自然栽培(無農薬・無肥料)の果樹野菜を作っています。
自然栽培とは、自然界に元々そなわっている自然の摂理に気づき、土壌や木の植生を生かしきる環境にも負荷をかけない栽培方法だと信じています。この栽培によって収穫した作物(米穀、野菜、果物等)は、「腐敗」するのではなく「枯れる」という性質を持ちます。開校は毎年5月。日本全国から毎年60名程度の生徒さんが入校されます。
私たちは、家庭菜園で自然栽培をしてみたい方に、サニーレタスやナス、シシトウなどの栽培しやすい野菜の作り方から、ワインぶどう、黒餅トウモロコシなど希少で栽培が困難と言われている野菜・果樹栽培にもチャレンジしています。
5月から種まきをして、生徒さんたちがお世話をしながら大切に育てていきます。
自然栽培の野菜果樹は、他の栽培方法より根を深く・広くはることから、根の上の生育が遅くなりますが、最後には他の栽培方法に引けを取らない、立派な野菜・果樹が育ちます。
農学校には、飛地のさくらんぼ畑と梅畑がありますが、そこは全くお世話をせず(実際にはお世話がおいつかず)ジャングルのような状態になっていました。しかし、サクランボや梅はたわわに実っていて、一つも虫に食われたり、病気もありませんでした。
木村先生が、無農薬・無肥料でりんごを作った時にヒントにしたのは、
「森の中の果樹類の木は、なぜ肥料も農薬も使用していないのに、たわわに実り、虫も病気もないのだろうか」
ということです。農学校の畑でも同じことが起こっていました。土の力がいかに大切かを知ることになるエピソードです。
<支援者のみなさまへ>
自然栽培は、人の健康を守り、地球環境への負荷を軽減する最適な栽培方法だと私たちは考え、未来につながる方法だと信じ、次の世代の人たちに、この栽培の素晴らしさを深く理解してもらい、継承していく思いで開校しています。
日本では農水省が2050年までに、農薬や化学肥料の使用低減に向けた取り組みをし、有機農業面積の拡大に舵を切りました。目指す脱炭素社会は、農業や畜産業にも大きく関係しています。
私たちは、木村式自然栽培を通じて、それを実現化したいと思います。
「自然栽培では、食べていけない」「野菜や果樹は育たない」と言う方も多いのですが、私たちは、みなさまからのご支援を励みに、糧に、そして未来の地球のために、美味しく安全な幸せな食卓のために、努力を続けていきたいと思います。
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