今回、みなさまにご参加いただいた「メリーしあわせ基金」より「渡波獅子風流(わたのはししふり)を後世に残したい、未来に伝えたい」というチャイルドネットジャパンさんと渡波(わたのは)地域のみなさまを応援していくことになりました。
渡波獅子風流(わたのはししふり)とは?
渡波獅子風流(わたのはししふり)は、鎌倉時代に発祥したと伝わっています。現在では、五穀豊穣・大漁満足を祈願したり、慶事を祝う行事となっております。1981年12月19日、宮城県石巻市の無形民俗文化財に指定されました。
チャイルドネットジャパンさんの思い
「東日本大震災で、用具を保管していた集会所が流出してしまいました。太鼓や獅子頭などの道具も流されてしまいました。もう、続けることはできない・・・、と思いましたが、あきらめきれず、震災の数日後、集会所跡地に『獅子風流の道具を探しています』と看板を立てて、流れた用具の情報を求めました。すると、近隣住民の方から連絡が入り、獅子頭や太鼓などいくつか発見されました。いまは、それらを直して、活動をしています。現在、数人の子どもたちが活動に参加し、石巻市内のイベントで獅子風流を披露することがあります。しかし、震災前に比べると、以下の3つの点が不足しているので、再興に向けて力を入れていきたいと考えています。」
1.後継者不足
団体で演じる獅子風流では、現在、後継者が十分とは言えない状況です。獅子風流を残すためには、中心となって活動をする子どもが、あと20人は必要です。途中でやめてしまう子どもや、引っ越してしまう子どももいますから、全員で50人を目標に活動に参加する子どもを集めたいと思っています。図書館に来る子どもたちや、学校に声をかけて参加を呼びかけます。
2.応援団不足
獅子風流を支えるためには、住民の理解や協力が不可欠です。しかし、津波によって家がなくなり、住民の皆さんがバラバラになってしまいました。そして、2014年11月から2015年3月にかけて、渡波地区には、復興公営住宅が6か所、272戸が建設され新住民の方が入居されました。新しく地域が生まれ変わりつつある今が、新しい応援団を作るチャンスだと思います。そこで、まず、地域のイベントとして、秋祭りを行い、獅子風流の存在を新住民の方にアピールしたいと思います。そして、かつて行われていたお正月の獅子風流練り歩きを行い、復興住宅もまわることで、旧住民と新住民をつなぎたいと思います。そして、新住民の方に、獅子風流の素晴らしさに触れていただき、獅子風流の応援団になっていただきたいと思います。
3.道具不足
道具のほとんどが津波で流失してしまいました。まずは、お囃子(しころ、と言います)がないと、始まりませんので、太鼓、笛、鉦(しょう)を中心にそろえ直しました。もちろん、単価が高いですので、一度にすべてをそろえることはできません。少しずつ買い足しました。獅子頭は見つかったものを直して使っていますが、練習用がなく、数が足りていません。そこで、子ども獅子を子どもたちと一緒に作り、子どもたちに興味・関心を持ってもらい、道具を増やしたいと思います。
地域の根ざした伝統を絶やさないためにも、これから上記した3つの要素に対して取り組みをはじめていきます。(活動内容はこれから随時レポートしていきます)
コメント