みなさま、こんにちは。フェリシモは、500色の色えんぴつを通して、東日本大震災の被災地の子どもたちを元気にする「カラーリボンプロジェクト」を推進しています。500色の色えんぴつは、100セット販売されるごとに1セットが学校や施設に寄贈されるしくみになっているのです。
寄贈に際しては、子どもたちに色えんぴつで表現する楽しさを知ってもらうために、臨床美術士さんたちの力を借りてアートワークを実施することもあります。
10月9日に、岩手県宮古市立第一中学校の特別支援学級でおこなわれた「500色の色えんぴつのアートワーク」について、「クリニカルアートをすすめる会・いわて」の小野寺 牧子さんと小野寺 花佳さんより、レポートをいただきました。
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この季節は、様々な色のモチーフを集めやすく、ベストな時期と感じました。特に私が育てた野菜をたくさん持ってこれてよかったです。モチーフがあるので、初対面の子どもたちとのコミュニケーションをとりやすかったのです。おもしろい人参の形に喜んでくれた生徒がいました。一言も話さない男の子も、さつま芋を手渡すと受け取ってくれました。
「ずっしり重いでしょ。さつまいも好き?」と問いかけると、うなずいて返事を返してくれました。たったそれだけのことでも、心に響いてくると感じました。
今回も校長先生をはじめみなさんに歓迎していただいて、とても気持ちよく授業させていただきました。生徒たちも礼儀正しく、とても感じがよかったです。
モチーフをよく観察し、見えない色の色えんぴつさえ選び出している生徒が多く、子どもたちの感性は純粋でみずみずしいと思いました。また、一本一本色を塗り重ねていくことで、色が変化していく混色のおもしろさを体感できた様子でした。これは、私にとってとてもうれしい成果です。
先生方からは、「この子どもがこういう反応をするのか」という驚きの感想をいろいろといただきました。ふだんとは違う子どもたちの表情が見られたとのことです。また、色えんぴつにも、こだわりを感じるくらい興味を示した子どもたちもいたそうです。インパクトの強い500色の色えんぴつならではの授業だったと思います。
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担任の先生からも感想をいただきました。
【S先生】
色鉛筆を見せた時の生徒たちの反応がとてもよかったです。まずなまえに興味を示し、暗記している子もいました。
モチーフの観察、色の選択と、もしかしたらむずかしいかなと思っていましたが、思っていたよりずっとスムーズに授業が流れていて、子どもたちが授業にのめり込んでいる様子がわかりました。短い時間で6枚塗ることができたのもびっくりでしたが、塗り方が今までと違う子もいて、新しい発見がありました。ひとり一人褒めてもらえてとてもよかったです。ありがとうございました。
【O先生】
小さな紙に5色の色を塗るということが、生徒にはすんなり入ったようです。大きくないためにハードルが低かったのかもしれませんし、5色と決められていたのも迷わない一因だったかもしれません。ただ色を塗って並べるだけなのに、生徒ひとり一人の個性が出ていて、おもしろいと思いました。そして、先生の褒め言葉が的確で、褒められた生徒はとてもうれしそうでした。
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臨床美術士さんたちによるアートワークは、どんな人にとっても本当に楽しく、自由に自己表現をできるひと時です。
500色の色えんぴつを使ったアートワークは次回は石巻市で開催予定です。
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