昨年の秋にご案内してから、いまも多くの方から継続してご注文をいただいている毛糸のコレクションがあります。お買い上げくださったみなさまは、きっと、今年の秋冬に向けてせっせと編み針を動かしていらっしゃるのでしょうね。
素敵な柄がどんどん編める、魔法みたいな毛糸「Opal(オパール)」
この毛糸のコレクションは、東日本大震災のあと、編み物を通じて被災地を応援し続けているドイツ人の梅村マルティナさんのオリジナルカラー。ひとつひとつの色に「子どもたちの笑顔」「赤ずきんちゃん」など素敵な名前がついています。計算された長さでの段染めになっているので、編み進むとどんどん素敵な柄ができあがっていきます。
写真の毛糸の名前は「気仙沼 森」。気仙沼は海だけでなく豊かな森があるから、
人々が山海の幸に恵まれて暮らすことができています。
2011年に震災が起こった時、京都に住んでいる梅村マルティナさんはOpal毛糸と編み針のセットに編み方説明書をつけて被災地に送りました。京都で編み物教室を開き、ニット製品や毛糸を手づくり市で販売していたマルティナさんは、指を動かして無心に編物をすることが、何より心を平穏にしてくれることを知っていたからです。
「食べ物にも事欠くのに、編み物なんて」……と非難を覚悟していたマルティナさんに届いたのは、なんと「もっと毛糸を送ってほしい」という避難所からの申し出でした。
避難所で楽しそうに編み物をする姿、編み上がった帽子をかぶった笑顔が、マルティナさんをさらに奮い立たせました。編み物を通して被災地との間に固いきずなを結んだマルティナさんは2012年3月、気仙沼に「梅村マルティナ気仙沼FSアトリエ株式会社」を設立されました。
みなさまの義援金による「とうほくIPPOプロジェクト」の支援を受けて
その後、マルティナさんは、フェリシモがお客さまから寄せられた「東日本大震災もっとずっときっと基金」で被災地の女性の起業を支援する「とうほくIPPOプロジェクト」に応募、みごと審査を通過されます。助成金や個人的な借り入れで運営が大変だったアトリエのみなさまにとって、本当にうれしいできごとでした。
とうほくIPPOプロジェクトの認定証は、
気仙沼のアトリエの入り口に飾られていました。
そばには以前『とうほく帖』でご案内した「通信こけし」がかわいく見守っています。
小さなアトリエの中は色とりどりのOpal毛糸であふれています。
人気の製品「腹巻帽子」や「ハンドウォーマー」を編む、
手動式の編み機も並んでいます。
気仙沼の大沢アトリエでは仮設住宅などで暮らす女性たちによって、ドイツから直輸入している毛糸の管理や、販売用の製品を作るお仕事がおこなわれています。
この小さなアトリエはマルティナさんの思い
~毛糸にふれればみんなしあわせ~
編むことの楽しさを人に伝え
編むことによって悲しみを忘れ
編むことでこれからの生活に希望を持つ
という理念が全国に発信される場所。
アトリエの前で笑顔のマルティナさん。
とってもきゃしゃな方なのですが
京都と気仙沼を往復するパワフルな日々を送っておられます。
マルティナさんオリジナルカラーの毛糸は、本当にきれいな色使いで、毛糸玉をながめているだけでもしあわせ!!
(毛糸と針を買ったものの、編み物が苦手なため、ながめているだけのスタッフの言い訳かもしれませんが……)
「Mrs.f セレクト みんなでしあわせを編もう♪ 気仙沼発 梅村 マルティナさんオリジナル ドイツ製Opal毛糸&レシピセットの会」はこちらからお申し込みいただけます。
秋以降には『とうほく帖』で新色のご案内の予定もあります! 写真にちらっと写っている小さい子たちも登場するかも……? お楽しみに!!
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