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とうほくIPPOプロジェクトレポート -きれいな海をめしあがれ「極上のリアスの海」 from株式会社海の幸(宮城県 気仙沼市)-

「とうほくIPPOプロジェクト」支援先活動レポートシリーズ13回目のレポートは、第2期の支援先である水産品販売加工会社、株式会社海の幸専務の山本マユミさんに、お話をうかがいました。

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三陸産のウニやアワビ、牡蠣(かき)など、旬の海産物の販売を主にされていた株式会社 海の幸は、新商品の発売目前に震災に遭われました。

「震災の年が創業4年目。気仙沼や三陸でとれる海産物を、首都圏の飲食店に向けて販売していました。創業4年目でようやく黒字となり、新たな試みとして牡蠣とほたてをエキストラバージンオイルで漬け込む、オリーブオイル漬けを開発しました。
このレシピは、”良い食材を伝える会”代表理事で料理研究家の辰巳 芳子(たつみ よしこ)先生に伝授していただいたものです。そして瓶に貼るラベルは、池波 正太郎(いけなみ しょうたろう)の書生として知られる作家、佐藤 隆介(さとう りゅうすけ)先生の遊印(ゆういん)を使用させていただけることになりました。2011年3月9日にラベルが完成し、さあ瓶に貼って出荷しようというまさにそのときに、震災が起こりました。」

事務所の1階は津波で流され、しばらくは代表取締役であるご主人と避難所生活をしながら、2階だけ残った事務所に通う日々だったという山本さん。しかし以前より体調を崩していたご主人の病状が悪化し、東京の病院に搬送されることになり、2011年8月に東京に移住されます。

「事業を再開したくても、津波でえぐられた海からは、牡蠣もほたても水揚げされなくなってしまいました。また、事務所や加工場の再建も、県や国の支援は大規模な水産加工会社が対象であったり、自宅と会社の所在地で県が違ったために融資が受けられなかったりと、再開の糸口が見つからず、主人の看病もあり疲れ果ててしまうこともありました。」

そのころ偶然「とうほくIPPOプロジェクト」の支援を知った山本さんは、事業再開の資金調達のため、とうほくIPPOの第2期支援希望事業として応募されました。2013年3月のことです。

「震災から2年経って、ようやく海産物が水揚げされるようになり、加工場や冷凍設備も、震災前からお付き合いのある水産加工会社から、一部使用してもよいとお声がけいただきました。しかし資金を援助してくれるところがなかなか見つからず、支援という名のもとに、管理費やサポート代と称してお金を請求する業者もいて、再開に向けての力が消えてしまいそうでした。そんなときに、とうほくIPPOの支援を知り、支援先として認定いただいたときには、被災している人のことを本当に思ってくれている人がいるんだ、それなら私もがんばってみよう!と思えました。どん底で絶望しかけていたときにとうほくIPPOの支援に出会えたことは運命だったと思います。支援をいただいたことは本当に生きていく希望になりました。感謝のこころでいっぱいです。」

牡蠣やほたてが取れるようになっても、その価格は震災前の3倍以上。それでも山本さんは原材料をなんとか確保し牡蠣とほたてのオリーブ油漬けの試作品を製造。また塩ウニと焼ウニのセットも作り、知人の水産加工会社の加工場と冷凍庫を使用して、商品を出荷できる体制を整えました。


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ようやく再販売できるようになった、
牡蠣とほたての「至高のオリーブオイル漬けセット」です。
添加物や保存料を一切使用せず、上質のオリーブオイルがコーティングの役割を
果たすので、冷凍しても味や鮮度が劣化しないのが特長です。


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無添加でミョウバン水も使用していない
完全無添加の焼ウニと塩ウニの贅沢な「ウニざんまいセット」です。

「ダイレクトメールでこれまでのお客さまにご案内したり、地元の信用金庫のはからいで、東北経済連合会による会員企業向けの販売サイトに出品させていただいたり、少しずつ販路を広げています。とうほくIPPOの支援金は、試作品の製造費用や箱代、配達用のライトバンの購入などに活用させていただいています。おかげさまでウニのセットはリピート購入も多いです。また首都圏の料理店や学食への海産物の卸販売も少しずつ始めています。」

今は、新商品の開発に力をいれているという山本さん。
「夏にお知らせした”フカヒレまん”は、まだ試作を続けています。とっても美味しいので、なんとか商品化したいと思っています! また、三陸で獲れる小女子(こうなご)を、水あめと三温糖で炊き上げたあま煮も試作中です。試食していただいた方からは”おいしくて食べ過ぎちゃう”とのうれしいお声もいただきました。」

山本さま写真.jpg

津波の被害を免れたラベルとパンフレット、そして試作品の「小女子のあま煮」を手に、これからの意気込みを語る山本さん。

ご主人の看病もしながら、一歩ずつ事業再建に取り組む山本さんからは、地元三陸の海への深い愛情と、女性の芯の強さを感じました。

今回、震災から3年を迎えるにあたり、山本さまよりお手紙をいただきました。

あの日から3年目によせて.pdf

(株)海の幸についてのお問い合わせ
TEL: 03-6412-8015
FAX: 03-6412-8155

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株式会社海の幸は、現在ホームページの再開に向けて取り組まれています。商品は、下記復興支援サイト(販売力強化プロジェクト)にて限定販売されています。

「お買物サイト ~買って食べて意見で応援~」
主催:被災地企業販路開拓支援共同体
後援:復興庁宮城復興局
運営:ヤマトホームコンビニエンス(株)
お問い合わせ先:y5219401@kuronekoyamato.co.jp

※会員向けの販売サイトとなります。URLやログイン方法については、上記お問い合わせ先までメールにてご連絡ください。

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