2023年7月14日から7月16日にかけて停滞した梅雨前線の影響で、秋田県では記録的な大雨による洪水被害が発生しました。そこでフェリシモ「もっとずっときっと基金」から、秋田市で支援活動を行っている「NPO法人 国際ボランティア学生協会(IVUSA)」さまを通じて、被災されたお宅にうるおいと活力を取り戻してもらうための商品のセット『まけたま(災害に負けてたまるかという気持ちから命名)パック』を配布する活動に基金を拠出しました。このたび活動レポートが届きましたので下記にてご紹介します。
* * *
復旧活動で疲れた体と心にうるおいをもたらしてくれる
『まけたまパック』の配布活動
本会が活動をしている秋田市五城目町は、内水型氾濫で数千世帯の洪水被害が発生し、地域住民と災害ボランティアなどによって復旧活動が行われました。発生から約1ヵ月が経過すると家屋の復旧作業も落ち着いてきたお宅が増えてきました。
しかし、まだ土嚢袋が町中に放置されていたため、他のNPO団体と共同でダンプや重機を使用した回収作業を行いました。それと同時に、ボランティアの学生たちが『まけたまパック』を配布した際に、地域住人がボランティアにお願いしづらくなっている困りごとなどを聞き取りながら、解消していきました。
■五城目町の以下の地域で『まけたまパック』計300個を戸別訪問で配布
・東磯ノ目地区、西磯ノ目地区:計213個を配布
・馬場目平ノ下地区、鵜ノ木地区、中川原地区:計87個を配布
私たちは復旧作業で疲れた心と体に、ほんの少しのうるおいと活力を取り戻し、気分転換にもなるような中身を選んでセットしました。
【基本セット】
・足リラックスシート(足用冷却ジェルシート)
・フェイスマスク(顔用美容パック)
・ホットアイマスク
・まけたまボールペン
・まけたまキーホルダー
・学生たちが書いたメッセージカード
【パターンA(まじめver.)】
・(上記基本セットにプラスして)マグネット付ミニはさみやハンカチ、手ぬぐいなどの生活用品
【パターンB(おもしろver.)】
・(上記基本セットにプラスして)子ども向けのスライムや知恵の輪、光るブレスレットなど子どものいる家庭向け、話題作りにも使える品物
以下、ボランティアの学生たちが『まけたまパック』を配布した際の、地域住人の方々とのエピソードをいくつかご紹介します。
- 「ずっと片づけをして疲れていたから、リラックスシートやアイマスクはうれしい。ぜひ使わせてもらうね」と言っていただいた。
- スライムの入った『まけたまパック』を渡した時、「これは孫が好きかも。孫が帰ってきたら一緒に遊ぶね」と言ってくれたので、お孫さんとおじいちゃんをつなぐものを渡せたのかなと感じた。
- ひとり暮らしのおばあちゃんやおじいちゃんから、「なかなか誰かと話すことがないからこうやって話せるのはうれしい。聞いてもらえるだけでありがたい」と言っていただき、作業に目が行きがちだけど、住民の方とゆっくり話すことも大事だと知った。
- 何人もの住民の方から、「ここまで水が上がったのよ……」「こういうふうに学生さんとお話するだけで元気がでるわ」と言っていただけた。『まけたまパック』を配布する際に、負けてたまるかというTシャツにちなんでいることを話したら、「町中で活動してくれているね、ありがとう」と言ってくれた。
- 「データを現像するやり方を教えて欲しい」と言われて、一緒にコンビニに行って現像のお手伝いをしたら泣いて喜んでくれた。災害以外のニーズではあるが、少しでも役に立てたことがうれしかった。
〈支援者のみなさまへ〉
ボランティアの学生の中には体力に自信がなく、自分にできることがあるか不安に思っている学生もいましたが、配布に携わったことで、こうした支援のあり方や寄り添い方が誰かの役に立っていることを実感できたと思います。
令和5年度の秋田豪雨災害復旧支援活動は、力仕事を中心としたマンパワーによる活動と、被災された方々の話し相手になる心のケアを同時に行えたので、この地域に若者たちの元気をたくさん置いてくることができたのではないかと思います。今回の『まけたまパック』を配布する活動は、ニーズの掘り起こしもさることながら、傾聴の大切さを改めて感じた活動になりました。この度の活動にご協力いただきありがとうございました。
■令和5年度秋田豪雨災害復旧支援活動 「まけたまパック」配布活動
実施場所 : 秋田県五城目町
実施期間 : 2023年8月17日~8月19日
・国際ボランティア学生協会さまのその他の支援活動はこちらから
コメント