フェリシモ「もっとずっときっと基金」から2022年度に基金を拠出した「復興支援センターMIRAI」さまから、このたび活動レポートが届きましたのでご紹介します。
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外観から見えない被害を細やかに聞き取り、必要な人へと「つなぎ」、
物資を「とどけ」て「リソース収集」を行う体制の構築
2022年3月16日、震度6強の福島県沖地震により8千軒を超える住家が甚大な被害を受けた福島県相馬市。私たちは外観からでは見えにくい被害状況を、3ヵ月間にわたって細やかに聞き取りをしながら、必要な人や物資、情報の発信をする事務局の体制を構築しました。そして、全国から集まったボランティアの方々とともに、「住民の困りごと」を解消しました。
1軒1軒をまわってニーズの聞き取りをしたお宅は324軒。そのうち支援要請は184軒あり、2022年6月30日現在の支援完了案件数は、以下の通りでした。
【支援完了案件数】 (2022年6月30日現在)
① 屋根応急処置案件 88件
② 災害ごみの片づけ・搬出案件 113件
③ ブロック塀解体案件 31件
④ その他(家財の移動など) 20件
⑤ 飲料水の配布 7件
⑥ 災害カーシェアの貸出 78件(協力:日本カーシェアリング協会)
地震で崩れた瓦屋根を修理することができずに雨漏りのままの状態で暮らしていた方。
倒れた家財の中で途方に暮れていた身よりのないひとり暮らしの高齢者の方。
市や社会福祉協議会に相談をしても具体的な支援が得られずに塞ぎこんでいた方。
被害状況や「現状の困りごと」を1軒1軒まわって聞き取りをしたことで、行政の支援や市民の力だけでは解消することがむずかしい「住民の困りごと」が多数あることが明らかになりました。
その現状を受けて、私たちは屋根のプロ集団や災害の現場経験のあるボランティアへとつなぎ、支援に必要なリソースを集めて、応急処置や災害ごみの搬出などを行いました。その結果、3ヵ月間でのべ789人のボランティアの方々からお力をいただき、緊急支援としてのニーズを完了させることができました。
〈現地の様子や現地の声〉
地震からの3ヵ月間は先行きが不透明だったため、住民の方々は大きな不安を抱えていました。
「たびたび起こる余震でさらに家が崩れるのではないか」
「誰に頼んだらよいかが分からず精神的に追い詰められている」
「家が全壊や半壊となりこれからどうしたらよいか」
そのような状況の中で、1軒1軒のお宅を訪ねて被害状況や様子を伺うと、
「ひとりじゃないんだとわかり、心が軽くなった」
「身寄りもなく自分ではどうすることもできなかったので、来てくれて助かった」
との声が聞かれました。
そして、屋根の応急処置や災害ごみの搬出支援の後には、
「ようやく安心して寝ることができます」
「被害が大きすぎてどこから手をつけていいか諦めていたが、やっていただいて本当にしあわせです」
「頭が一杯になっていたが、雨漏りが解消できたことで、次にやることが見えてきました」
などの明るい声も聞かれました。
被害を受けた住民の方々に寄り添いながら、声を聞き、ニーズにあった支援をしたことで、住民の方々にあった不安や諦めが「希望」へと変わり、生活の再建に向けた次のステップへと進む後押しをすることができました。
しかし、地震から4ヵ月が経っても、被害を受けた屋根や屋内の本格修理を開始しているお宅はまだ少ないのが現状です。年内には本格修理が始まらない方や、半壊以上になった家の取り壊しが来年の春になる方なども多く、これからも復旧復興は続いていきます。
〈支援者のみなさまへ〉
昨年の地震で多くの住家被害が出た福島県相馬市では、被害状況に反して、市民だけでは人足が足りずに復旧も遅れていました。
そのような中、みなさまから「災害緊急支援」という形で、応援とご支援をいただきました。早い時期に事務局の体制づくりを行い、住民の方々が一日でも早く安心した生活を取り戻すための支援を、3ヵ月間にわたり継続することができました。
まだ復興の途上ではありますが、この支援を通して、暮らしも少しずつ落ち着いていく様子も見受けられています。何よりも住民の方々の笑顔が増えたことは、未来への希望と地域のはげみにもつながっています。本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
(復興支援センターMIRAI 高橋さまより)
■ひとりでもはやく生活を取り戻す! 福島沖地震による相馬の緊急支援
実施場所 : 福島県相馬市
実施期間 : 2022年3月末~2022年6月末
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