2015年度に次の基金より拠出したチャイルドネットジャパンさまより活動レポートが届きました。
震災によって、途絶えてしまった「釜神様」まつりと千年の歴史のある「渡波獅子風流(わたのはししふり)」という2つの伝統文化を子どもたちと一緒に再興できました。
江戸時代より、宮城県から岩手県南部の沿岸部に、家の守り神として飾られていたのが、釜神です。ところが、今回の津波で多くが流失しました。
釜神さま
鎌倉時代より、行われていた、無形民俗文化財に指定されている獅子風流も、家々が破壊され、住民がバラバラになり、コミュニティーが崩壊したことで、途絶えてしまっていました。
この二つの伝統文化の復活を図り、復興の心の支えにしたいと願いました。
秋祭りには、幼稚園~小低学年の子どもたちがミニみこしを担ぎ、高学年・中学生以上の子どもたちが、何十キロもあるお神輿を意気揚々と担いで、観衆からは、「もっと大きな声出せ~」とヤジられる中、はにかみながら嬉しそうに、跳ねていました。
お父さんやお母さんのカメラも一緒に、跳ねまわっていました。
神輿に取り付けられた「釜神」さまだけが、いつものいかつい顔で、「みんなを守るよ!!」と言っているように、にらみをきかせていました。
手を差し上げておみこしGO
釜神さまのお通りだ
獅子風流は、これまでの厳しい練習が、新年の練り歩きに結実します。
とは言うものの、子どもたちのこと、真面目にやる子もいれば、愛嬌を振りまいているちびっこまで・・・
会場に放送が流れると、お年寄りも、若いお母さんも、みんなが、「え~つ、本当にやるの」とたくさん集まってくれました。
獅子舞、と言えば獅子舞なのですが、こちらは、千年近く続いている獅子風流、見る側もその思い入れが違います。
一舞い踊った後には会場に分け入り、獅子に頭を軽くかんでもらいます。そこは、阿鼻叫喚とまではいきませんが、かませたい親と、かまれたくない子どものバトル。
千年を超越する時間の風がみんなの上をやさしく流れていきました。
お父さん、助けて~食べられちゃう
<支援者のみなさまへ>
一番感じたことは、本当にたくさんの人が手伝ってくれたことです。秋祭りでは、色とりどりの大漁旗がはためく会場を提供してくれた漁連の人たちや、イカポッポを焼いてくれたお父さんたち、ミニSLを敷設してくれたり、太鼓のグループが、1時間かけてバスで来てくれたり、もちろん、メリー基金をサポートしてくださったみなさまとスタッフのみなさま。全国のみなさまに感謝、感謝です。
被災地は、テレビでは6割復興したと言われていましたが、私たちの実感としては2割ぐらいでしょうか?
ただ、心の復興はおかげでもう8割まで来ました。最初の合言葉「まげね~」(負けない)でしたが、いつまでも、嘆いていても仕方がないのは、わかっていましたが、もう一つ、心にしみてわかったことは、「待っていては、だめだ」ということです。
今回は、自分たちが伝統を守らなければと、動く気になったから、みなさまのサポートも受けられたわけです。今後も継承に日々精進していきますとともに、この感謝の気持ちを真心で全国のみなさまにお返ししていきたいと思います。
「よいさかさ~よいさかさ~」
(昔、武将が褒め称えた言葉に、栄えるという意味を加えた、はやし言葉)
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