以下の基金から、2018年度に拠出したあしなが育英会さまの活動レポートをご紹介します。
「あしなが育英会」は、病気や災害、自死(自殺)などで親を亡くした子どもたちや、親が重度後遺障害で働けない家庭の子どもたちを物心両面で支える民間非営利団体です。
阪神淡路大震災後、親をなくした子どもたちのために「神戸レインボーハウス」を建設し、東日本大震災発生後には、仙台、石巻、陸前高田の3ヵ所に東北レインボーハウスを建設し、津波遺児の心のケア活動を行っています。
なき人を想って作ったブレスレット
神戸の方々の震災の経験を知りたいという、東北の方は少なくなく、これまでも毎年、神戸と東北の交流の場を設けてきました。
しかし、今まではそれぞれの命日月(1月・3月)に開催していたため、「同じような体験をした人の思いや歩みを知ることができてよかった」という一方で、「法要やいろんなことが立て込んでいて、なかなか落ち着かない」という声もあり、2018年11月に「東北と神戸の交流のつどい」を仙台レインボーハウスで開催しました。
11月東北と神戸の交流のつどい(集合写真)
阪神淡路大震災で両親を亡くしたお孫さんを育てられた今年90歳を迎えるおばあちゃんも、神戸から参加されました。
「私は、みなさんにがんばれとは言えません。がんばれって言葉が大っ嫌いでした」と話されました。
会う人は決まって「お子さん、なくなって大変だったね。でもお孫さん助かってよかったね。これからがんばってね」とはげましたといいます。
おばあちゃんのお話に、参加者たちはうなずきながら聞き入っていました。そして、東北に駆けつけて下さるおばあちゃんの姿に、東北のお母さんたちも「私も90歳になってもレインボーハウスに来られたらいいな」と話していました。
<支援者のみなさまへ>
阪神淡路大震災から24年が経ち、東日本大震災からは8年が経ちました。2018年度は、子どもたちに寄り添って下さるファシリテーター(ケアボランティア)が65名誕生し、仙台、石巻、陸前高田の東北レインボーハウスを中心にした心のケアプログラムと宿泊交流プログラムなどの行事に、のべ821人の遺児と保護者が参加されました。
このように神戸の方と東北の方が交流できる場を持てることは、継続してご支援下さる方々がいらっしゃるおかげです。心より感謝申し上げます。
2018年度は個別相談も多く「引きこもりになってしまった」という声や、「震災後にさまざまな人たちからの支援がきっかけで子どもが海外に興味を持ち始めた」という声もありました。今後はそれぞれのご家庭のニーズにあった支援の形を考えながら、寄り添い続けられたらと考えています。
野外活動の様子
ワンデイプログラム 火山の部屋で発散
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