「フェリシモメリーで社会貢献(iPS細胞研究支援)」から2024年度に基金を拠出した「京都大学iPS細胞研究所」さまより、このたび活動レポートが届きましたので、下記にてご紹介します。
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iPS細胞を使って腎臓の難病「多発性嚢胞腎」を再現
新しい治療薬候補を発見し治験へ
iPS細胞研究所(CiRA=サイラ)では、今は有効な治療法がない病気やケガに苦しむ患者さんに、iPS細胞を使って新しい医療を届けられるように、日々研究にはげんでいます。現在、CiRAには約30の研究グループがあり、iPS細胞研究を主導し、基礎研究から新しい医療の実用化まで手掛けています。
具体的には、がんや糖尿病、心臓病、血液の病気、パーキンソン病、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、筋ジストロフィー、アルツハイマー病などの研究で、損なわれた体の組織の機能を回復させる再生医療、病気の原因解明や新しい薬の開発を進めています。
2023年度は、特に多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)の研究において進展がありました。多発性嚢胞腎は、腎臓に水が溜まった袋(嚢胞)が多数形成され腎臓の機能が低下してしまう難病で、末期腎不全へと進行した際は透析や腎臓移植などが必要になります。
CiRAの前伸一特定拠点講師および長船健二教授らの研究グループは、腎集合管オルガノイド(※)を用いてこの多発性嚢胞腎の状態を体の外で再現し、それを活用して治療薬の候補を発見しました。そして今回発見した薬剤候補を用いて、リジェネフロ社による治験が新たに開始されました。
※最終的な尿の濃さを調節する集合管を3次元的に試験管内で再現したもの。
みなさまからのご支援は、基礎研究、応用研究や研究支援体制の充実のために大切に使わせていただいております。ここで、CiRAの研究者らが財源の一部としてiPS細胞研究基金を使用した研究を抜粋してご報告いたします。
■iPS細胞研究基金を財源に活用した主な研究
〈支援者のみなさまへ〉
あたたかいご支援を賜り、誠にありがとうございます。心より感謝申し上げます。
iPS細胞は、今後の医療に大きな影響を与え、誰もがその恩恵を受ける可能性のある新しい技術ですが、医療応用までには長い時間と多くの研究費を要します。
賜りましたご寄付は、患者さんや周りで支えておられる方々へ、一日も早くiPS細胞による新しい医療をお届けするために、大切に活用させていただきます。今後ともiPS細胞研究へのご理解・ご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
なお、研究の進捗をメールでご報告差し上げる『CiRA 新着ニュースメール』を月1回、よりわかりやすくコンパクトにまとめた『CiRAニュースレター』を年3回配信しています。登録は無料ですので、ぜひご登録ください。
(https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/contact/magazine/entry.php)
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