以下の基金より2018年度に拠出したタゴール協会さまへの年次レポートをご紹介します。
■フェリシモの森~2018年インドの植林状況の報告
タゴール協会(以下、TSRD)はインドの3州において、緑化プログラムの実施では長い経験があります。
最近ではオディシャ州を除いた、西ベンガル州とジャルカント州の8つのプロジェクト地域で緑化プログラムを実施しています。2018年度は、116haの土地に22万本の植林を目標にしていましたが、117haの土地に328,969本の植林をすることができました。
苗床での作業(patamda)
植林作業の様子
ピット掘削作業(patamda)
緑化プログラムは二つの枠組みで実行されています。それは、日々の燃料を供給して「環境を守る」伝統的なものと、プログラムの持続性のための契約的原理によるものです。
この年の調査では、私たちが行った117ha 328,969本の植林のうち、80haに248,000本のマングローブを植えました。そして、契約をした22haの土地に29,200本を植え、15haの土地には37,500本を直播きしました。
昨年、植えたものの、残念ながら枯れてしまった苗木の代わりに9,750本が植えられました。また、4,519本の苗木は学校の生徒たちや貧しい女性たちに分配しました。
古いマングローブ農園
単年度の苗床では45,000本の苗木が作られています。常設の苗床で作られた苗木うち、ダメージを受けた苗木を除いた115,248本は昨年からのものです。この苗床作業により1,232人の日日雇用を生み出しました。
プランテーション作業の合間に生徒と地元の人々が食事をとる様子(rajnagar)
TSRDのプロジェクトは北ベンガルの洪水の起きやすい地域、西ベンガル州西方とジャルカント東方の乾燥しやすい地域、そしてスンダルバン(インドではシュンドルボンをヒンディー語でスンダルバンと呼んでいる)の湾岸災害地域で行われています。
バングラデシュ国境にあるスンダルバン地域は、広大なマングローブ林に覆われています。152の島のうち、52の島に人が住んでいますが、残りは虎の保護地域になっています。
現在、この地域では多くの観光客が訪れていることから、スンダルバンの地方政府、船舶所有者、農家、漁業者、学校の生徒たちが、観光客にむけてエコロジーの維持と森林保護の必要性を説いているところです。
【方法論と実行戦略】
・TSRDは、持続可能性のために人々の参画を静かに見守っています。
・地域の共同体や政府、自助グループが土地や木の選定するうえで、TSRDは大きな役割を果たしています。
・TSRDは将来世代を含めた地域の人々と環境の持続可能性のための教育と啓蒙の集会を続けています。
・気候変動、生物多様性の保全、河岸浸食について感度を高めていく活動を続けています。
・すべてのプログラムは、地域の人々と政府の活動的な参画によって実施されています。
・TSRDと地域政府は、無公害環境の維持とインド政府が宣言した「きれいなインド、緑のインド」に歩調を
合わせるキャンペーンを行っています。
・主体的に動いている共同体やTSRD、地方政府と協力関係にある共同体によって確認された地域がシード
されています。
・保護、水遣り、施肥などの植林後のメンテナンスは、共同体によってなされ、プログラムの持続可能性にお
いてTSRDは重要な役割を担っています。
この年の調査では、全体の緑化プロジェクトでは2つの州、29ヵ村をカバーして789の受益者がありました。組織化された25の啓蒙集会には1,160人が参加しました。その結果、1,411人の日日雇用が生み出されました。
TSRDは6つのプロジェクトにおいて、常設苗床で質のよい苗木を生産しています。そのため、何人かの著名人や中央および州政府職員、他のプロジェクトの研修生、女性が主なSHGのメンバー、生徒などが植林や環境について学ぶために苗床を訪れています。そして、地域の人々はこれらの苗床から妥当な値段で若木を買っています。このような若木の需要は徐々に増えてきています。
<支援者のみなさまへ>
私たちTSRDは、環境的にさまざまな地域や共同体の要望を含みながら、プログラムを持続させるための努力をしてきました。私たちとともに、地方政府・地区・共同体の組織(SHGや学校などのCBO)が主体的な行動を取ってくれていること、「フェリシモの森基金」や「はな・はな・みどり基金」などからプログラムへの継続的な支援にとても感謝しています。これからも環境と永続性としてのプログラムを実行していきます。
(タゴール協会さまより)
2018年の視察レポートはこちら
■フェリシモの森活部のその他の活動はこちらからご覧いただけます。
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