2015年、ネパール大地震への被害に対し、みなさまに「フェリシモ 地球村の基金」を通した緊急支援活動へご協力をお願いいたしました。たくさんのご支援をいただき、本当にありがとうございました。現地での活動のレポートを紹介させていただきます。
■活動団体名 :認定NPO法人メドゥサン・デュ・モンド ジャポン
「世界の医療団」
■プロジェクト名 :ネパール大地震 緊急医療支援
■実施場所 :ネパール シンドゥパルチョーク郡
■実施期間 :2015年4月から3~6ヵ月
〈プロジェクトの実績報告〉
2015年4月に発生したネパール大地震では、フェリシモ地球村基金の支援金を拠出していただき、現地の緊急医療支援活動に役立てることができました。改めてみなさまのご協力に御礼申し上げます。
現在も世界の医療団はネパールでの支援を継続していますが、緊急支援のフェーズを経た現地の状況をご報告させていただきます。
世界の医療団はすでにネパールにて女性のエンパワーメントの手法を用いた母子保健の長期支援の拠点があり、今回の大地震発生直後から、まもなく介入することができました。
更に、パリより医師、看護師、麻酔科医、ロジスティシャンの12名からなる緊急医療支援チームが合流し、被害がもっとも甚大だったシンドルパルチョーク郡にて医療支援活動にあたりました。同時に医療支援キット(外科手術用キット、自然災害用キット)15トンを輸送しました。
その後、4つの移動診療チームを編成し、医療へのアクセスが困難な地域に出向き、車両とヘリコプターによる移動クリニックによる診療を実施し、地震発生から6ヶ月間の間に13,000件以上の診察を行いました。この移動診療により、必要最低限な診療を提供するとともに住民の被災状況やニーズの調査を行い、現地の保健省やWHOと情報共有を行いました。
また医療チームには心理カウンセラーを動員し、災害によるストレスや心的外傷のケアを行いました。心理カウンセリングはこれまで331件実施しています。
モンスーンの時期に入ると、清潔な水の確保と衛生設備の不足から、感染症の蔓延が懸念されました。世界の医療団は、2箇所の地域において下痢などの感染症が発生した際に、原因を早急に究明し、未然に大規模な感染を防ぐことができました。
また、90%以上の医療施設が全壊または半壊した被災状況を受け、半永久的に機能するヘルスセンター12箇所及び保健省の事務所1箇所を建設し、水衛生設備の復旧を行いました。
〈現地の様子・現地の声〉
世界の医療団は移動診療チームを通じて、治療と同時に被災地の情報収集や被災時状況の把握を行い、二次災害の予防に努めてきました。地震発生から数ヶ月経った後も、倒壊した建物の処理などによる骨折やけがのほか、不衛生な環境から呼吸器や皮膚の疾患などの症状を抱え、ほとんど手当てされずにいる被災者が多くいらっしゃいました。また、心理的なトラウマにより、頭痛や腹痛を訴えるケースも多い症状のひとつです。
そして現在は、緊急のフェーズを経て、世界の医療団は医療システム再建を向けての取り組みを強化しはじめました。保健省と協働で現地のヘルスワーカーを対象に多くの研修を行うとともに、これまで実施してきた妊産婦を対象としたプロジェクトを再開し、現地の人々自身が、自立して医療システムを支えていけるよう、また医療に手が届かない最も弱い立場にある人々に手を差し伸べる活動を継続していきます。
研修に参加した現地のあるヘルスワーカーの男性は
「世界の医療団の研修はこれから村人達の健康を守るため、必要不可欠なものでした。感染症の知識がない私には、この研修がなければどう対応してよいかわからなかった。」と感謝の言葉を伝えて下さいました。
ご支援下さるみなさまへ:
ネパール大地震発生の際は、みなさまのご支援により、緊急医療支援、移動診療、損壊した設備の再建と水衛生設備の整備、現地スタッフの育成、被災者住民の啓発活動など、必要な支援を実施することができました。
大地震の発生前も、決して十分とはいえなかったネパールの医療システムですが、一日も早く再建し、より強固なシステムとして機能するよう、世界の医療団は、これからもネパールの人々が自ら積極的に復興に関わることができるような支援に励んで参ります。
(「世界の医療団」メドゥサン・デュ・モンドジャポン 小野寺 貴子さまより)
さらなる支援を実施するため、「地球村の基金」、「ネパール中部地震 100円義援金(基金)」へのご参加を心よりお待ちしております。
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