2019年、サイクロン「イダイ」で被災した小規模農民に対して、「フェリシモ 地球村の基金」から緊急支援を実施いたしました。現地での活動のレポートが届きましたのでみなさまにご紹介させていただきます。
■プロジェクト名 :
モザンビーク、サイクロンに被災した小規模農民に対する緊急種子支援
■活動団体名 :認定NPO法人日本国際ボランティアセンター
■実施場所 :モザンビーク共和国ソファラ州ニャマタンダ郡内の5村
■実施期間 :2019年5月~2019年10月(6ヵ月間)
〈プロジェクトの実績報告〉
今年3月、サイクロン「イダイ」に襲われたモザンビークでは約180万人が被災しました。
直撃を受けた中部のソファラ州ニャマタンダ郡は農業が主な産業で、収穫前の作物が流されただけでなく、次の耕作期に向けた種子も無くなってしまいました。そのため当面の食料不足だけでなく、翌年以降の長期的な食料難も心配される事態になりました。
そこで5月、私たちは現地の団体ADRA Mozambiqueと協力して、水が引いて村に戻った人々が農業を再開することができるよう、同郡の5つの村で支援を開始しました。各村からより困難な状況に置かれた世帯を選び、4村の200世帯に対してトマトとキャベツの種子を、残り1村の200世帯にはメイズ(トウモロコシ)種子と農具(クワ)を配布しました。
配布した種子は、作物の実から種子を採取することが不可能な改良種子ではなく、翌年の耕作に向けて採種ができて、この地域で栽培されている品種に近いものにしました。また、配布時には農地の復旧と栄養に関する研修も実施しました。
野菜を受け取った農家は、水に浸かって荒れた土地を整地して種をまき、7月~9月頃に収穫を迎えました。収穫物は食料として、またそれを販売して得た現金収入で家を補修するなど、人びとの生活再建を確実に支えています。
メイズを受け取った農家は、より多くの水が栽培に必要なため、本格的な雨季が始まる11月を待って種をまきを始めて、数ヵ月後には収穫を迎える予定です。
〈現地の様子・現地の声〉
5月に種子を配布すると、農民たちは6月から野菜の種子をまき始めました。10月に畑を訪問してみたところ、緑がいっぱい広がっていました。
●野菜づくりで食べものを得て、家屋の修繕を
アーネストさんは、9人家族を支えるお父さんです。畑が川の近くにあることもあり、食べきれないほどの野菜が収穫できたと言います。
こうした野菜は、近所のより深刻な状況にある家族に分けてあげたり、マーケットで販売をするなどしています。それで得た収入で、サイクロンで壊された自宅の屋根や壁を修繕する材料を購入することができたそうです。
「支援をもらったおかげで、早く野菜の栽培を再開できて、まず家族の食べもの作れるようになって安心しました。自宅の修繕もできました。なんとか元の暮らしに戻るためのスタートが切れて、よかったです」
と話してくれました。
●厳しい状況下にある家族の支えに
テレサさんは5人の子どもを抱えるシングルマザーです。サイクロンが起きた際、家族全員が無事だったけれど、畑で栽培していたものは水が流れ込んで全て失いました。川から少し離れたところに畑があるため、バケツなど手で運んで野菜を作っていると言います。
「大変だけれど、大きい子どもたちが畑仕事を手伝ってくれます。作ったものは家族で食べますが、それだけでは生活に足りないので道端で販売して収入を得ています。今回のサポートはありがたいです」
と話してくれました。
ご支援下さるみなさまへ:
みなさまの温かいご支援、ありがとうございます!
この度のご支援により、サイクロンの被害を受けた400世帯の人びと(農民)に、種子と農具を支援することができました。まだまだ元の暮らしには遠い状況ですが、「生活を再建していくためのスタートが切れてとにかくよかった。何よりも家族が食べるものを得られてありがたい」という声が届いています。
収穫物を販売した収入で家屋の修繕ができたり、近所の住民に収穫物を分けることができたこの度の種子支援は、「食料を確保する」ことを超えた効果の広がりが確認されました。
(日本国際ボランティアセンター 渡辺さまより)
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