2017年、メキシコ中央部で発生した大地震に対し、「フェリシモ 地球村の基金」から緊急支援を実施いたしました。現地での活動のレポートが届きましたのでみなさまにご紹介させていただきます。
■プロジェクト名:メキシコ大地震!被災者に対するメンタルヘルス緊急医療支援
■活動団体名:「世界の医療団」 認定NPO法人 メドゥサン・デュ・モンド ジャポン
■実施場所 :メキシコ合衆国プエブラ州アテンシンゴとモレロス州テパルシンゴ
■実施期間 :2017年10月4日から3ヵ月
〈プロジェクトの実績報告〉
2017年9月19日の現地時間午後1時14分に、マグニチュード7.1の大地震がメキシコの首都メキシコシティから約120キロ離れたプエブラ州を襲いました。奇しくもその日は、メキシコの首都を中心に9,500人以上の犠牲者を出した1985年のメキシコ大地震からちょうど32年目に当たる日でした。
9月19日の本震とその後の余震によって、300人以上が犠牲となりましたが、その多くがモレロス州とプエブラ州の2州と、メキシコシティの住民でした。
地震発生直後から行った調査ミッションでは、被災者の精神的なサポートのニーズが高いことが明らかになりました。しかし、主だった支援は首都であるメキシコシティに限られており、被害が大きいにもかかわらず首都から離れたモレロス州やプエブラ州においては十分な支援が届いていない状況でした。
そこで、世界の医療団はプエブラ州アテンシンゴとモレロス州テパルシンゴにおいて緊急メンタルヘルスケアを行いました。緊急コーディネーターを中心に、精神カウンセラーやソーシャルワーカー、看護師など専門家で構成される対応チームを立ち上げ、ワークショップや、グループあるいは個別のカウンセリングなどを実施しました。このような支援を受けた人々は1,710名にのぼりました。
〈現地の様子・現地の声〉
ワークショップは、子どもを含めた地域の住民に対して広く開かれました。今回の地震に対するそれぞれの反応を理解し合い、助け合うことが目的です。ワークショップに参加したラウラは、終わった後にこんな言葉をよせてくれました。
「世界の医療団は、私たちを近隣の住民と結びつけ、協力し合い、助け合う方法を教えてくれました」。
地震により弱まっていた地域コミュニティの力が再び強まり、こころの支えができました。
また、こうした地震の被害にあった人々をケアするケアワーカーを対象に、世界の医療団は、ワークショップを開催しました。
日々悲しみに暮れる人々に寄り添い、そうした人々の気持ちに向き合うことは、ケアワーカーの方たちにも知らず知らずのうちに大きな心理的負担となっています。こうした状況に自ら対処する術を身に付けるため、ワークショップに参加したケアワーカーの方たちは、参加者それぞれの心に押し留めていた思いをグループワークを通じて語り合い、共有することで少しずつ笑顔を取りもどしていきました。
ご支援下さるみなさまへ:
今回のような大規模な自然災害においては、発生直後の緊急支援はもとより、そのショックから立ち直るための手助けも大変重要な活動です。家族や知り合いをなくした人、家をなくした人、大きな怪我を負った人など、様々な困難を抱えながらも前に進もうとするメキシコの人々を支える活動ができましたのも、支援者のみなさまのおかげです。ありがとうございました。
(「世界の医療団」 認定NPO法人 メドゥサン・デュ・モンド ジャポンさまより)
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