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みんなでプロジェクトを応援! 「清潔なトイレで、健康に学校生活を送ろう!プロジェクト」(認定NPO法人 AMDA社会開発機構)

「フェリシモ 地球村の基金」が今年支援したい7つの自立を支援するプロジェクト。その中から、世界をよりしあわせにするためのプロジェクトの1つをみなさまにご紹介します。

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はじめまして。AMDA社会開発機構(アムダマインズ)マダガスカル事務所の江橋裕人です。私はいま、アフリカ大陸の南東に位置する島国マダガスカルで、困難に直面している人々の暮らしを支援する活動に取り組んでいます。

マダガスカルでは、人口の57%が安全な水を利用できない状況にあり、農村部ではその割合はもっと高くなります。トイレも普及しておらず、45%に上る人々が野外排泄をしています。不衛生な環境は健康に悪影響を及ぼし、特に子どもたちは下痢などの水に起因する病気に悩まされています。

マダガスカル教育省は、不衛生な習慣と衛生設備の不足が引き起こす病気によって、1年間に350万日もの大切な学校生活が失われているとしています。85%の小学校に飲み水がなく、38%の学校にトイレがない状況は、子どもたちを学校から遠ざけています。また、トイレがないこと、あっても男女が分かれていないことは、月経を迎えた女の子が学校を休む要因の一つにもなっています。

プロジェクトを実施するミアダナンジーナ・コミューンの3つの小学校では、各校約170人の児童が学んでいます。このうち2つの小学校には、わずか2基ずつしかトイレがありません。どの学校でもトイレは男女共用で、休み時間は長蛇の列となり、我慢できない子どもたちは近くの草むらで用を足しています。残りの1校には4基のトイレがありますが、ドアが壊れていて閉まらなかったり窓に目隠しがなかったりと、プライバシーを保てないことから実質的に使えるトイレは2基だけで、野外排泄の状況は同じです。また、川から引いている水道もトイレの近くまでは配水されておらず、水場が遠いことから、どうしてもトイレの後の手洗いや掃除がなおざりになってしまいます。

トイレの中に手洗いの場所があっても、水が通っていないので使えません

衛生教育の一環で「トイレを綺麗に使い、野外排泄は止めましょう。トイレの後には手を洗いましょう」と伝えても、実際にはトイレが足りないことから、野外排泄は常態化しています。水も容易に得られないため、手洗いができず、トイレを清潔に保つこともできません。マダガスカルでは、農村部に限らず都市部でも、大人から子どもまで、野外排泄は日常にあふれています。このような状況下では、子どもたちの衛生観念は育ちません。トイレと水があり、手洗いや掃除ができる環境と日々の実践がなければ、衛生観念は希薄なままになってしまうのです。

窓の目隠しが外れてしまっていて、のぞき見される不安から、そっと草の茂みに隠れて排泄することに

より多くの子どもが安心して学校へ通えるようになるため、トイレを設置しようと考える人は、ほとんどいません。しかし、適切なトイレがないことと衛生に関する知識の不足は、実際に数千人の子どもたちの教育機会を奪う、大きな障壁となっています。子どもたちはしばしば病気になり、月経を迎えた女の子は毎月5日ほど学校を休むことになります。退学につながることも珍しくありません。

清潔で安全なトイレは下痢などの病気の広がりを抑えるだけでなく、月経時の女子の欠席を減らし、子どもたちが安心して学校に通い、学ぶことを後押しします。そしてそれは成績の維持と向上をもたらし、学校へ通いたいという気持ちを高め、無事の卒業へとつながります。子どもたちの健康が守られ、必要十分な教育を受けられるようになるためには、衛生知識を身に着け、学校で清潔で機能的なトイレにアクセスできることが必要なのです。

〈主な活動内容〉

1. 学校への衛生設備の設置
2つの小学校に、それぞれトイレ4基(男子用1+女子用3)と小便用トイレ1基(男子用)を設置します。さらに1校で、既存の2基のトイレのドアと窓を修繕するとともに、小便用トイレ1基を設置します。また、既存の水道からトイレまで水が届くよう配水パイプを延長します。

2.衛生設備管理委員会の設置
衛生設備を整備する3つの小学校に、設備の適切な使用と維持管理を担う衛生設備管理委員会を設置します。委員会は清掃チームを作り、整備された設備が清潔で良い状態に保たれるよう努めます。

3.衛生教育の実施
ミアダナンジーナ・コミューン内の全小学校(14校)の教師(56人)及び監督する教育局のスタッフ(4人)に対し、衛生に関する1日間の研修を行います。また、衛生設備を整備した3つの小学校で、児童、保護者、地域住民を対象とする啓発イベントを1回ずつ行い、衛生的な環境を維持するための行動の変化を促します。

〈期待される効果〉

トイレと手洗い設備を整備する3つの小学校では、活動を通じて500人の児童と18人の教師の学校環境が、以下のように改善します。

・トイレを我慢する必要がなくなり、健康な状態を保てるようになります。
・野外排泄が減少し、不衛生な環境にさらされる機会が減少します。
・手洗いができるようになることで、不衛生に起因する病気が減ります。
・月経時などのプライバシーが守られるようになります。
・トイレがないことを理由とする欠席が減少します。また、学業の成績を維持、向上することができ、退学する子どもも減ります。
・学校と地域が衛生的な環境を維持することの大切さを知り、衛生習慣が芽生え、定着していきます。

トイレの心配なく学校へ行きたいな!

また、衛生に関する特別研修を受けた教師が、各学校で衛生教育を実施することで、ミアダナンジーナ・コミューン内全14校の児童1,356人も衛生を保つことの大切さを学びます。衛生習慣について学んだ児童は、その知識を家族に広め、実践を促す手助けをしてくれます。子どもたちが正しい知識を得ることによって、その家族も適切な行動を取れるようになり、ひいてはコミュニティ全体の実践と地域の健康につながります。

私たちの活動を通じて衛生に関する正しい知識が広がり、実践できる適切な環境が整うことで、児童が健康に学校生活を送り、健やかに育つことができるようになります。

■清潔なトイレで、健康に学校生活を送ろう!プロジェクト
実施場所:マダガスカル共和国アナラマンガ県マンザカンジーナ郡
     ミアダナンジーナ・コミューン
実施期間:2025年1月~12月
・AMDA社会開発機構さまのその他の支援活動はこちらから

「フェリシモ 地球村の基金」より、世界をよりしあわせにするための7つの自立を支援するプロジェクトの応援投票を2024年11月1日から11月14日まで行います。

期間中、応援したいプロジェクトを選んで投票することで、そのプロジェクトを応援することができます。(投票の数は、各プロジェクトへの拠出金額の参考にさせていただきます)

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