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みんなでプロジェクトを応援! 「読書推進を通じた障害児の思考とスキル向上プロジェクト」(認定NPO法人 エファジャパン)

「フェリシモ 地球村の基金」が今年支援したい7つの自立を支援するプロジェクト。その中から、世界をよりしあわせにするためのプロジェクトの1つをみなさまにご紹介します。

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カンボジア、ラオス、ベトナムで教育と福祉の支援事業を行っているエファジャパンです。

ラオスの子どもが障害となる主な原因は、母親の妊娠時・出産時の課題、子どもの怪我や病気、不発弾(UXO)によるものとされています。しかし、ラオスにはデータ収集システムがないため、障害児の正確な数と状況に関する情は限られています。データがなく「社会の中にいて見えにくい」人たちが抱える問題は表面化されないため、虐待などを受けていた場合、それも人目に触れないため課題が深刻化しやすいのです。

2015年の教育法により、初等教育と中等教育は義務教育と位置づけられ、「すべての国民が学ぶべき」とされています。しかし、障害のある子どもに対しては、2011年からインクルーシブ教育が推進されていますが、障害のある子どもの状況については依然として十分に把握されていません。背景には、ラオスにおいて障害が仏教のカルマの概念に関連付けられることがあり、障害者が家庭に閉じ込められることが多いため、障害のある子どもへの教育の普及が遅れているという現状があります。

特に、都市部と地方とでは学校と教育の機会に格差があり、農村部に暮らす障害児は物理的な難しさと交通費負担から十分な教育にアクセスできていません。

本事業では、その障害がある子どもたちがよりよく生きるための情報アクセスを中心に環境改善に努めていきます。
 
【対象地】
ラオスのビェンチャン都、シサッタナック郡のパサイ小学校とサパントーングヌー小学校を対象とします。対象地として選択理由は以下の通りです。

①障害児が多く通う学校
②読書推進の活動に関し支援者・団体が入っていない学校
③教育・スポーツ省により共同学習障害児と健常児が学ぶモデル校として定められた

【事業の対象者】
2校に在学している障害児を対象とし詳細は以下です。

      対象校       全校生徒数
  パサイ小学校  60人 (内、障害児19人)
  サパントーングヌー小学校  73人 (内、障害児26人)
      合計  133人(内、障害児45人)

約3割の生徒数が障害のある子どもが在学しています。モデル校として定めていますが、まだ様々な課題を抱えている状況です。

<学習施設の課題>
障害児が教育を受けるための適切な環境が整っていません。首都であるビェンチャンの少数公立小学校には、すでに、図書室等の学習施設がありますが、本が置かれているだけの部屋となってくるケースが多いです。また、教員は図書室に置く教材を選ぶスキルを持ち合わせていないことが多く、図書室に置かれている本の質・量ともに低く、子どもたちが利用するための機会・環境が整えられていない状況です。

<教材の課題>
障害児が使用する教材が不足しており、開発も進んでいません。また、専門的な支援が不足しているため、教育の質が十分に保障されていない状況です。これにより、障害のある子どもたちが平等に教育を受ける機会が制限され、これからの彼らの生活に必要な情報にアクセスすることが困難な状況です。

<教員の課題>
障害がある子どもに対してどのように接し、教えるのかの知識・経験がなく、研修やトレーニングを点々に受けていない教員が多くいます。また、教育局から定期的にモニタリングを実施されておらず、生徒と教員、学校の状況が把握されていません。

これらの課題を踏まえて、障害児が適切な教育・情報を受け、社会での生活を送ることが重要であると考え、本事業を実施します。

ウァンラティー・インタウォンさんはパサイ小学校1年生、7歳です。ダウン症候群を持っていますが、明るい人で読み聞かせとダンスが大好きな人です。「友だちや先生が読み聞かせしてくれて何よりもうれしいです」と話してくれました。

〈主な活動内容〉

このプロジェクトを通じて、障害を持つ子どもたちが読書を通じて必要な知識やスキルを身につけ、より豊かな社会生活を送れるようにすることを目指しています。

①学習施設の設置
子どもたちが快適に学べる環境を整えるため、学校の図書室を充実させ、移動図書館も実施します。また、障害のある子どもたちが安心して通えるように、現地のパートナー団体である子どもの家財団の施設内に図書室も設置します。

②教材の購入・開発
農業、教育、法律など生活に役立つ知識を得られる本や学習教材を整備します。ラオスでは障害児向けの教材が不足しているため、専門家と協力して、障害がある子どもたちに適した教材の開発も進めます。

③適切な教員指導の提供
図書室の運営方法や本の選び方、子どもたちへの教え方について、トレーニングを行います。さらに、ラオスの国立図書館や関連省庁と定期的に会合を持ち、現場の声を伝えながら、より良い支援ができるよう提案します。

サパントーンヌー小学校3年生のソーパチャン君とケーンサワン君です。二人は発達障害がありますが、ラオスの伝統的な楽器「ケーン」を弾けます。「移動図書館の活動は楽しくて面白いので毎回参加しています。絵本も大好きです!」と笑顔で話してくれました。

〈期待される効果〉

障害のある子どもたちが学校に行けなくなる理由には家族の影響もありますが、子ども自身の要因が多いです。「授業に出たいけれど病気・怪我で欠席せざるを得ない」「教科書の内容を理解するのが難しい」「授業について行けないのがつらい」など、子どもたち自身が語ってくれました。

「健常児と障害児の子どもは同じクラスで学びます。ですが、障害児が学ぶための教科書、教材は整っていません。障害にあわせて学びを助ける授業のありかた、教材の重要さを感じています。これらを改善していくことが、私たちのひとつの挑戦でもあります」とパサイ学校先生も話してくれました。

このような状況を踏まえ、障害があっても「適切な学び機会と生活に必要な情報・スキル」を身につけ、安心に学べて、学校で楽しく過ごし、将来に社会で自立した生活ができるように支援していきたいと考えています。

この事業を通じて、障害がある子どもたちが自信を持ち、自らの可能性を最大限に引き出すための環境を提供し、彼らの未来をより明るいものにすることを目指し、教員と共にその挑戦に向かって実現したいです。

アティターン君は下半身が不自由ですが、どんな困難があっても前向きの姿勢を崩さず、学校の授業や図書館の活動に積極的に参加しています。「僕は立派な大人になって、お母さんに恩返しをし、社会に役に立つことを貢献したいです」と語る彼の姿勢は周囲にも大きな感動与えています。

■読書推進を通じた障害児の思考とスキル向上プロジェクト
実施場所:ラオス人民民主共和国ビェンチャン都シサタナック郡
     パサイ小学校とサパントーングヌー小学校
実施期間:2024年9月1日~2025年3月31日
・エファジャパンさまのその他の支援活動はこちらから

「フェリシモ 地球村の基金」より、世界をよりしあわせにするための7つの自立を支援するプロジェクトの応援投票を2024年11月1日から11月14日まで行います。

期間中、応援したいプロジェクトを選んで投票することで、そのプロジェクトを応援することができます。(投票の数は、各プロジェクトへの拠出金額の参考にさせていただきます)

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