「フェリシモ 地球村の基金」が今年支援したい9つの自立を支援するプロジェクト。その中から、世界をよりしあわせにするためのプロジェクトの1つをみなさまにご紹介します。
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はじめまして、特定非営利活動法人エイズ孤児支援NGO・PLASの門田瑠衣子です。
わたしたちがプロジェクトを行うケニア共和国ホマベイ郡は、首都ナイロビから陸路で10時間近くかかる地域です。人口約100万人のうち、6割の人たちが1日1.9ドル未満の貧困ライン以下で暮らしています。
多くの家庭が十分な収入を得られずに、子どもたちは必要な教育を受けられずに取り残されています。
わたしたちが現地で出会った子どもたちの中には、
「どうしたら将来の夢を持てるか分からない」
「自分は何者にもなれない」
と話す子どもたちがいました。
厳しい環境に生まれた子どもたちは、ロールモデルとなる大人たちに出会う機会も少なく、将来の夢や目標をもつことができません。
また、PLASが支援を届ける家庭の多くは、夫をなくしたシングルマザーが保護者です。
安定した収入を得るためのスキルを身につける機会がなかったことで、日々の暮らしで精いっぱいで、子どもたちの教育費をまかなうことは困難です。
そうした家庭では、子どもたちが小学校を卒業する前に、生活のために学校を諦めてもらわなければいけません。
さらに、自身も貧困家庭に生まれ、小学校を中退しているシングルマザーたちは、子どもの進学をどうサポートして良いか分からず、子どもと良い関係性を築くためのコミュニケーションに悩むことも。
そんな家庭と子どもたちが前向きに生きられるように、わたしたちは2つの柱でプロジェクトをすすめます。
<① 養鶏ビジネスによる生計向上>
シングルマザーたちが、養鶏の技術を身につけてビジネスを立ち上げます。収入を得ることがゴールではなく、貯蓄の仕方や家計の管理についても学び、養鶏の専門家の指導を受けながら自立をめざします。
それぞれの家庭に鶏舎をつくり、はじめて養鶏に取り組む人でも安心して取り組めるように、専門家や現地スタッフが家庭訪問をして、個別にサポートします。
また、鶏肉や卵を地域で販売して、安定した収入を得られるようにマーケティングの研修で販売戦略を練ったり、貯蓄の研修に参加したりします。
<② ライフプランニング支援>
子どもたちが将来を前向きに計画できるように、現地のカウンセラーたちが、子どもと保護者それぞれに2年間のキャリアカウンセリングのプログラムを届けます。
子どもたちは、将来の夢を見据え、目標に近づけるよう具体的なキャリア計画をカウンセラーのサポートのもと立てていきます。
プログラムには、
■ 職業に就いて活躍する大人たちに話を聴く「キャリアトーク」
■ 小さな子どもたちに絵本の読み聞かせをする活動
■ 地域での清掃ボランティア活動
などもあります。
こうした活動をとおして、子どもたちがロールモデルを持てたり、地域のなかで誰かのために役立つ経験ができたりします。
シングルマザーたちには、
■ 子どもの気持ちに寄り添いながら成長・発達を後押しするコミュニケーション
■ 進学に向けた情報提供や、勉強のサポート方法
■ ビジネスの立ち上げ方、支出入の管理方法や貯蓄の方法など、子どもを支えるための必要なスキルや情報を身につけていきます。
こうした2つの取り組みによって、保護者の教育への理解を深め、子どもたちの意欲を高めるとともに、学校に通い続けられるよう、そして将来の進学に向けて準備できるよう自立を促します。
〈主な活動内容〉
まずは、子どもを抱えるシングルマザー家庭へ養鶏の研修を届け、それぞれの家庭に鶏舎をつくることからはじめます。
研修では、鶏の病気を防ぐためのワクチン接種や、衛生管理、鶏肉や卵を売るためのマーケティング研修も行います。
ヒヨコを仕入れ、研修で学んだ事を活かしながら、鶏が大きくなるまで大切に育てていきます。
多くのお母さんたちにとって養鶏は初めてのチャレンジ。軌道に乗るように、現地スタッフや専門家が定期的にそれぞれの家庭を訪問し、アドバイスをします。
また、ライフプランニング支援では、現地で育成したカウンセラーたちが、家庭訪問などをしながら子どもと保護者それぞれに2年間のカウンセリング支援を行います。
子どもたちは、地域の大人たちとの交流や、ボランティア活動への参加なども経験し、将来への計画を立てていきます。
〈期待される効果〉
子どもたちと保護者がこのプロジェクトに参加することで、将来を前向きに描ける力を伸ばしていきます。
たとえば、このような変化を期待しています。
<子ども>
◆ 将来を計画し、実現するためのキャリアスキルが向上する
◆ ライフスキルが向上する
◆ 学業を継続ができることにより、自信(自己効力感)の向上
◆ 留年せずに1年間で次の学年に進学できる
<保護者>
◆ 収入向上と財務管理スキルによって、子どもの教育費を滞りなく支払うことができる
◆ 生活に余裕が出来て、ストレスがなくなる
◆ 事業に参加し自立していくことにより、自信(自己効力感)が向上する
◆ 子どもの将来や発達について関心を持ち、積極的にコミュニケーションを取る
これまで私たちは、カフェビジネスや農業など、スモールビジネスによる生計向上をウガンダとケニアで届けてきました。
このプロジェクトでは、養鶏とカウンセリングをセットで届けることで、シングルマザーたち保護者が自信を持てるようになり、子どもの将来を応援できるよう後押しします。保護者の変化が、子どもの前向きな変化につながるのです。
支援を待つ子どもたちはまだまだ多く残されています。
このプロジェクトを成功モデルとして、他の地域にも広めていくことを目指しています。
■ケニアの取り残された子どもを支える養鶏による生活向上支援事業
実施場所:ケニア共和国ホマベイ郡ビタ準郡ゲンベ地域
実施期間:2022年4月1日~2023年3月31日
・プロジェクトの報告はこちら(実績)
・エイズ孤児支援NGO・PLASさまのその他の支援活動はこちらから
「フェリシモ 地球村の基金」より、世界をよりしあわせにするための9つの自立を支援するプロジェクトの応援投票を2022年11月1日から11月14日まで行います。
期間中、応援したいプロジェクトを選んで投票することで、そのプロジェクトを応援することができます。(投票の数は、各プロジェクトへの拠出金額の参考にさせていただきます)
➡ 応援投票は終了させていただきました。
みなさまから、たくさんの応援(投票)をいただきありがとうございました。
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