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みんなでプロジェクトを応援! 「支援から取り残されてきた紛争地の子ども達に教育を」(認定NPO法人日本国際ボランティアセンター)

「フェリシモ 地球村の基金」が今年支援したい5つの自立を支援するプロジェクト。その中から、世界をよりしあわせにするためのプロジェクトの1つをみなさまにご紹介します。

こんにちは。日本国際ボランティアセンター(以下、JVC)、スーダン事業担当の小林麗子です。
私たちは、2011年に大規模な紛争があったスーダンの南コルドファン州で活動を行っています。

●スーダンという国と紛争

スーダンは、北側の国境をエジプトと接する東アフリカの国です。ピラミッドと言えばエジプトですが、実はスーダンにもピラミッドなどの遺跡や文化遺産が多くあります。また、広い国土を有し、資源の豊かさや民族の多様性などを有する一方で、長年にわたる国内紛争を抱える国でもあります。
 
私たちは2011年にスーダン・南コルドファン州で起きた大規模な紛争によって影響を受けた人々の支援を行っています。

激しい戦闘の結果、多くの人々が犠牲者となり、何十万人もの人々が故郷を追われました。2016年以降は停戦状態にありますが、完全に平和が戻ってきたわけではなく、未だに多くの人々が避難先での生活を強いられています。

一方、スーダン政府の政策の影響で、国連やNGOなどが入れず、人道支援が届かない状況が長く続いている地域があります。そうした地域では、砲撃や空爆などの被害を大きく受け、破壊された学校や病院なども多い中、残された校舎は子どもの数に対して不足しており、黒板や机・椅子といった備品の不足も著しい状況です。

紛争中に家族と死別・離別した子どもも多く、親戚などに保護されてかろうじて学校に通うことができても、ノートなどの学用品を持参できず、小学校の途中でドロップアウトする子どもは少なくありません。

爆撃により南側が全壊した学校校舎。草木などで屋根を作り教室として使用している。

●失ったものは取り返せないけれど、これからの未来は作ることはできる

「2011年に起こった紛争で何もかもが変わってしまった。村にあった多くの家は焼き討ちに会い、学校やクリニック、水を汲むための井戸も壊され、今もその大半が当時のまま残っている。政府と反政府勢力の間で、和平合意が結ばれておらず、『平和』はまだ訪れていないけれど、復興も始まっている。難民キャンプや他の地域から少しずつ人が戻り始めてもいるが、基本的な生活や教育環境が整っていないので、子どもを連れて戻って来ることはとても難しい。」

村長さんが当時の様子を振り返りながら、そう語ってくれました。

さらに「私は、教育が子どもたちを守ってくれるのだと信じている。家畜の世話をするよりも教育に取り組むことが、子どもたちによっては何よりも大切なことだ」と話します。

●実際の教育環境

紛争時には、学校を狙った空爆なども行われ、そこで200人の子どもが亡くなるケースもありました。小学校校舎の壁には今も砲弾や鉄砲弾の跡が残り、窓やドアなどの鉄製の材料も略奪されたままの状態です。

さらには、当時の空爆の様子や兵士による銃撃の様子が子どもたちの手によって壁に描かれた校舎もあり、いかに紛争が子どもたちの心に大きな傷を残したかが生々しく伝わってきます。

椅子の代わりに石や木を床に敷いたり、ノートの代わりに地面に文字を書いて練習したりするなど、子どもたちの教育機会を奪わないように工夫していると言います。また、黒い塗料と泥を混ぜたものを壁に塗り、黒板の代わりとしている教室もあります。

校舎の壁一面に描かれた空爆の様子

紛争の勃発から10年以上が経過し、そこに住む人々は、紛争のない未来を目指して、子どもたちが学校で学べるよう、厳しい生活の中でも、自分たちの力で最低限の教育環境を整えてきました。

しかし、まだ十分には行き届いておらず、多くの学校で備品などが不足しています。JVCは学用品・学校備品支援およびPTAの活動促進を通じて、1200名以上の児童が継続的に通学できるようサポートします。

<主な活動内容>

1.学用品支援
計4校において、およそ1,200人(300人×4校)にノート、ペン、ものさし、消しゴムなどの学用品を支援します。

2.学校備品の支援
同4校に、黒板(あるいは屋根や床用の防水シート)やチョークなどの教材を支援します。

3.PTAメンバーとの会合
PTAメンバーが教育の重要性について考える機会を設け、学校設備、配布した学用品の適切な使用方法などについて助言を行ないます。また、子どもの教育環境改善や就学支援のために実施できる具体的な案が議論されます。

教員から学用品を受け取る児童

<期待される効果>

対象地域の中で最もニーズの高い学校を選定し、黒板やチョークなどの備品およびノートなどの学用品を支援することで教育環境の改善を目指します。

また、対象校のPTAメンバーを対象に、教育の重要性や地域社会おける教育の役割などについて、話し合う機会を提供します。そうした活動を通じて、子どもたちが安心して就学を継続できるようにサポートを行います。それが紛争後の地域再建の一助となり、地域活性化にも繋がります。

紛争に巻き込まれ、家族の死や不在、終わらない紛争による不安定な生活・教育環境の下で生きてきた子どもたちが、より適した環境で学ぶ機会を得ることは、本来誰もが持つべき権利であると同時に、健全な成長にとって、とても重要です。

これから地域や国を担う子どもたちの未来を明るくしようと懸命に地道な努力と忍耐を重ねる地域の人々と共に、こうした子どもたち一人一人と向き合い、私たちは活動を続けています。

■支援から取り残されてきた紛争地の子ども達に教育を
実施場所:スーダン共和国南コルドファン州ブラム郡
実施期間:2022年1月~2022年12月
・プロジェクトの報告はこちら(中間実績
・日本国際ボランティアセンターさまのその他の支援活動はこちらから

「フェリシモ 地球村の基金」より、世界をよりしあわせにするための5つの自立を支援するプロジェクトの応援投票を2021年11月2日から11月15日まで行います。

期間中、応援したいプロジェクトを選んで投票することで、そのプロジェクトを応援することができます。(投票の数は、各プロジェクトへの拠出金額の参考にさせていただきます)

➡ 応援投票は終了させていただきました。
みなさまから、たくさんの応援(投票)をいただきありがとうございました。 

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