「フェリシモ 地球村の基金」が今年支援したい5つの自立を支援するプロジェクト。その中から、世界をよりしあわせにするためのプロジェクトの1つをみなさまにご紹介します。
カンボジア、ラオス、ベトナムで教育と福祉の支援事業を行っているエファジャパンです。
カンボジアは30年にもおよぶ内戦の間、学校は完全閉鎖され家畜小屋、刑務所、処刑場として使われ、小学校教員の8割が「余計な知識を与えるもの」として強制労働に駆り出され命を落としました。
内戦終結後の1993年以降、「ゼロ」からの教育の復旧・復興が行われ、いまでは100%に近い子どもが小学校に入学するようになりました。しかし、教育を受けられる子ども、受けられない子どもの格差はいまだに存在します。「障害がある子ども」に対する教育は大きな遅れを取っています。
【障害者の教育水準】
政府が最初の「障害児教育に関する政策マスタープラン」を策定したのは2009年と、やっと13年がたったところです。カンボジアの国勢調査(2019年)によると、障害児の多くは小学校を終了することなく、中退してしまう現状があります。
就学経験なし 1.4%
小学校中退 55.7%
小学校卒業 22.9%
中学校卒業 17.3%
高等学校卒業 1.4%
高等教育卒業 1.3%
都市部と農村部との間にも格差が存在し、農村部の障害者が小学校を中退する割合は61.5%(都市部は55.7%)と半分以上が小学校を終了することすらできません。
このような状況を踏まえ、カンボジアの農村地域で、障害がある子どもたちが自らの手で未来を切りひらくためにライフスキル(日常生活でさまざまな問題や要求に対して、建設的かつ効果的に対処するために必要な能力)を向上させ、可能性と創造性を発揮できる社会をつくるための事業を行います。
【対象地】
首都プノンペンから150キロほど離れた農村部カンポット州ドントン郡を対象とします。
対象地として選択した理由は以下の通りです。
- カンボジアの中でも内戦時代激戦地であった農村部であること
- 現地で障害児への支援を行っている団体と協働できること
- 州教育局および州社会福祉局との連携がはかれること
【事業対象者】
事業の対象者は対象地に暮らす障害がある30人(男児20人、女児10人)の小学生です。
現地調査の結果、障害児は以下のような課題を抱えていることがわかりました。
<場所の課題>
カンボジアでは盲学校、聾学校(ろうがっこう)や特別支援学級がなく、障害児も、健常児と同じ学校に通うため、授業についていくことに課題を感じているなど、教育を受けるための適した環境が整っていません。
<教材の問題>
内戦で多くの書物が焼かれたカンボジアでは、子どもたちが読む本もゼロから作り直さなければいけませんでした。いまでも障害がある子どもたちが学び、楽しめる教材が皆無に等しい状態です。
<情報の課題>
障害児は、公共サービスを受ける権利など、障害者に対する権利や制度について認識していないことが調査で分かりました。生活に必要な情報を、適した方法で届ける手段が確立されていません。
<教員の課題>
障害がある子どもたちに対してどのように接し、教えるのか知識・経験がない教員が多くいます。またコミュニティも同様で、大人が障害児に向ける態度が差別を生む原因になっています。
その他にも、障害がある子どもたちの家族は、障害のない子どもの家族に比べて経済的な課題を抱えています。民間のマイクロファイナンス(開発途上国における貧困層に対して小口の融資)業者が、障害者やその家族にローンを組ませないケースがカンポート州でも見られました。
これらの課題を踏まえて、2021年9月より、インクルーシブ教育を通じて、基本的な教育を受け、ライフスキルを身につけ、社会での尊厳のある生活を送ることが障害児にとっても重要だと考え、新規事業を実施します。
<主な活動内容>
障害児がある子どもたち同士が教え・学びあい相互で助け合う場となるチャイルド・スタディ・クラブを設置します。
<生活に必要な情報を届ける>
クラブでは、子どもの権利、公衆衛生など生活に必要な情報を伝える勉強会を開催します。障害児の職業訓練として有機肥料を使った安全な野菜を育てる方法や、近代農法を実践するための土作り、植物の栄養、水の管理など、菜園づくりを伝え、広めます。
<学ぶ場をつくる>
スタッフが教えるだけではなく、子どもたち同士で学習速度の遅い友だちをサポートし学びあう場です。また障害児のための小規模図書室を整備します。
<教材をつくる・購入する>
障害者の病院を施設し、教材製作を学びます。また、市販されている本・タブレットを購入・活用します。ゼロからの場所・教材づくりですが、手作りキットなどに詳しいフェリシモのみなさんからアドバイスをいただきたいという熱いリクエストがカンボジアから届いています。
<期待される効果>
「授業についていけなくて悲しい」
「教科書だけでは、勉強を理解することが難しい」
「クラスメイトから差別されていてつらい」
30人の子どもたちに話を聞いたとき、寂しそうに、そう語ってくれました。
それと同時に先生が教えてくれたことが理解できたとき、クラスメイトに「お前もやれるじゃん」といわれたときは本当にうれしかったといってくれました。
この事業を通じてつくられるチャイルド・スタディ・クラブは、障害がある子どもたちに「小さな成功体験」をたくさん積んでもらえる場にしていきたいと考えています。
自分の理解が追いつくペースでゆっくりと、時には休憩をしながらでも、この前わからなかったことがわかるようになった、自分でできたという体験をしてもらいたいです。
現地で担当をするプロム・サム・オーウンさんは、両手に障害があります。隣国タイに内戦の戦火の中逃れ難民キャンプで生活をしました。帰国後、仕事に就きたくても障害を理由にどの会社でも門前払い。それでも勉強を続け、自ら障害児を支援する団体を立ち上げました。PCを使い、書類もつくれます。
「子どもたちには、誰にでも可能性の芽があることを、まずは知ってもらいたい」と話してくれました。
障害者の苦しみ、そして可能性を知っている現地の担当者と、障害がある子どもたちが安心して過ごし、自分らしく自信をもって成長しできる環境をつくっていきます。
■障害があっても未来を拓く!ライフスキル向上のための教育事業
実施場所:カンボジア王国カンポット州
実施期間:2021年9月1日~2022年3月31日
・プロジェクトの報告はこちら(実績)
・エファジャパンさまのその他の支援活動はこちらから
・現地の様子はこちらのfacebookからご覧いただけます。
「フェリシモ 地球村の基金」より、世界をよりしあわせにするための5つの自立を支援するプロジェクトの応援投票を2021年11月2日から11月15日まで行います。
期間中、応援したいプロジェクトを選んで投票することで、そのプロジェクトを応援することができます。(投票の数は、各プロジェクトへの拠出金額の参考にさせていただきます)
➡ 応援投票は終了させていただきました。
みなさまから、たくさんの応援(投票)をいただきありがとうございました。
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コメント
コメント
たくさんの応援コメントをいただき、ありがとうございました。
みなさまからのあたたかいお言葉を団体さまにお伝えいたします。
今後ともよろしくお願いいたします!
フェリシモ基金事務局
応援します。頑張ってください。
応援しています!
プロジェクトの詳細を読んで、「応援しなければ」という気持ちになりました。
これくらいの協力しかできませんが、明るい未来が待っている子供たち。きっとこの事業がうまくいくと信じています。
プロジェクトに携わっているみなさんも最後まで引き続き尽力なさってください。
素晴らしいプロジェクトですね!
応援しています!!
障害があってもなくても、子どもたちがそれぞれの可能性を実現できる世界であって欲しいと思います。
がんばれカンボジアの子供たち!君たちの未来が待っているよ!
応援してます!!
カンボジアの子どもたち、障害がある子どもたちが笑顔が満たされますように。頑張ってください
カンボジアは地雷の国というイメージがあります。地雷のせいで障害になる方もいるのではないでしょうか。障害の有無に関わらず子どもたちが安心して勉強を続けられますように。
すべての子どもたちに希望の灯を!応援してます!!
どこに生まれても、どんな環境で育っても、すべての子どもたちが学ぶ機会を得て、未来を拓いていけることを願ってます!
障害があっても教育を受ける権利はあります。すべて子どもたちにやさしいインクルーシブな社会の実現のためにがんばってください!