昨年、台風30号(ハイエン)によるフィリピンでの災害被害に対し、みなさまに「フェリシモ 地球村の基金」を通した緊急支援活動へご協力をお願いいたしました。たくさんのご支援をいただき、本当にありがとうございました。現地での活動のレポートを紹介させていただきます。
プロジェクト名:フィリピン台風被災者への家屋修繕資材供与
活動団体名 :特定非営利活動法人難民を助ける会
実施場所 :フィリピン共和国レイテ島タクロバンおよびパロ
実施期間 :2013年12月20日~2014年2月28日
プロジェクトの実績報告:
2013年11月8日にフィリピン中部へ上陸した台風ハイエンによる死者・行方不明者は約8,000名を数え、甚大な人的被害が報告されています。被災者は全体で1,600万人に上り、一時は400万人が避難しました。家屋の被害も甚大で、損壊を受けたのは約114万戸、うち約半数が全壊でした。
難民を助ける会は被災直後の11月14日にスタッフを派遣し、被災状況と支援必要性の調査を開始しました。特に支援の届きにくい障がい者への支援に重点をおき、被災した障がい者の戸別調査、食料と家屋修繕資材の支援を行ってきました。
本プロジェクトでは、特に被害が甚大だったレイテ島のタクロバンとパロにて、被災した障がい者世帯650世帯(約3,200人)に家屋の修繕資材を供与しました。1世帯あたりの資材の内容は、屋根材(トタン板)6枚、壁材(合板)4枚、柱材(ココヤシ材木)8本、釘2種、および鋸と金槌です。支援対象世帯の選定については、12月から実施していた戸別調査の結果に基づき、被害が甚大にも関わらず、他の機関からは修繕資材を受取っておらず、早急な支援が必要な地域を選定し、現地自治体政府とも調整したうえで決定しました。
タクロバン周辺では被災後3ヵ月が経過してもまだがれきの撤去されていない地域が残ります。
資材を手渡すスタッフの山本祐一郎。左の三輪バイクの上に積んでいるのが合板と木材。
被災したコラゾンさん(左)に話を聞くスタッフの広谷樹里。
現地の様子、受益者の声:
今回家屋修繕資材の配付を行ったレイテ島のタクロバンとパロは、高潮の被害が大きく、家屋全体が流されてしまった、または大部分が損壊してしまった世帯が多い地域です。被災から3ヵ月が経過しても、場所によっては、ビニールシートなどの応急処置的な資材しか受け取っておらず、雨風をしのぐことさえ十分にできていない世帯も少なくありません。
タクロバンに住むコラゾン・ガテナ・ベラルデさん(70歳)は足に障がいがありますが、台風の当日は近所の比較的高台の家になんとか避難し、毛布で柱にからだをしばりつけ、高波をやり過ごしたとのことでした。自宅は完全に流されてしまい、ビニールシートや廃材のトタンなどを使って、臨時の住まいにしていました。「頂いた資材を使って、夫がしっかりした家を建て直していきます。ありがとう」と語ってくれました。
コラゾンさんにも資材を届けることができました。
被災したフィリピンの人たちは、大変な状況にも関わらず、非常に前向きです。私たちが支援した資材も、家の大きさや被害の状況によっては壊れた部分全てを修理するのに充分でないこともありましたが、「日本からの支援をきっかけに、家と生活を立て直す勇気をもらいました」との声が寄せられています。
みなさまのご支援は、修繕用資材だけでなく、被災者が自らの力で前に進んでいくのを後押しするための大きな力ともなりました。心より感謝いたします。
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