2015年度に次の基金より支援をしたプロジェクト「ルワンダ子供の健康プログラム」の活動レポートをルワンダの教育を考える会さまからいただきましたのでみなさまにご報告します。
〈プロジェクトの実績報告〉
1.学園での健康診断
前年度にスタートさせた子どもたちの健康診断を、一昨年日本で研修を積んだカリオペ医師を派遣し昨年9月8日~9日の2日間にわたって実施しました。今回の健康診断では、カリオペ医師から日本での健康診断の実態について、ルワンダのウムチョムイーザ学園の教員、学園のスタッフ、看護師、保護者、ルワンダの若い医学生への説明会を開いたことで、健康診断の大切さ、子どもたちの健康をどう守るかについてより理解を深めることができました。
今回は91名(1日目50名、2日目41名)の健康診断を学園(幼稚園・小学校)で行った結果、44人(48.3%)に病気が見つかり専門の病院へ紹介することができました。一番多かった病気は虫歯(27人)、ついで臍ヘルニア(9人)でした。
また、昨年実施した健康診断で病気を発見することができた子ども(14名)の自宅へ看護師が訪問し、その後の病気の症状や、経過などを聞いて回り、アドバイスや病院などへの受診も促すなど、アフターケアも行いました。
2.学園の衛生状態向上
長年の課題であった水の衛生管理を改善するため、給食室で使用する貯水タンクの設置を昨年8月に行うことができました。断水も多く、一度断水が起きてしまうと長期間断水の状態が続き、手が洗えない、トイレの水が流せない、などのトラブルが起きていましたが、雨水を貯めて利用する貯水タンクを設置したおかげで、学園の給食室の水の衛生管理問題の改善につなげることができました。また、子どもたちのけがや、病気のときすぐに対応できる看護師さんも常駐させることができるようになりました。
〈現地の様子・現地の声〉
1.学園の健康診断
一昨年から始まった子どもたちの健康診断の重要性は、家族や地域からもしだいに理解され、周辺校からも関心を持たれるようになってきました。医療機関が十分ではないルワンダでは病気の早期発見がとても大切です。虫歯が多いため保護者から虫歯予防についての指導を要請する声があがっています。ルワンダでは前例がない取り組みに、いま行政も注目しています。
2.学園の衛生状態の向上
今回、給食室に給水タンクが設置されたことによって、学校給食を作る調理用の水が確保でき、遠くへ水汲みに行く苦労が緩和され、給食室で調理をする人の助けにもなり、なおかつ、調理室の水回りの清潔・衛生管理にもつなぐことができました。
今後の取り組み課題
これからも学園の子どもたちの健康診断・衛生教育を充実させることによって、子どもたちが安心してキレイな場所で、キレイな手で、そしてキレイな環境で食事をとり、子どもたちの健康な体づくりをしていきたいと考えています。また、病気が見つかり、まだ治療のできていない子どもたちがいるため、引き続き説明会を行い、治療の重要性を伝えていきたいと考えています。
〈支援者へのメッセージ〉
昨年に引き続き、AMDAのみなさま・多くの支援者の方々のおかげで、今年もルワンダの子どもたちの健康プログラムを実施することができました。まだまだ今後も課題も山積していますが、子どもたちの健康づくりをしていくために、今後も引き続き、健康診断の実施・教員や保護者への説明会、また、給食室に設置した給水タンクの活用法を、実際に子どもたちの健康な体づくりに役立てていきたいと考えております。
たくさんの方々の支援に感謝申し上げます。そしてこれからも未来あるルワンダの子どもたちの健康を守っていけるよう精進してまいります。
(ルワンダの教育を考える会 永遠瑠ルーシーさまより)
■ルワンダ子供の健康プログラム
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