2016年に「地球村の基金」で支援をしているプロジェクト「ミャンマー・エーヤワディ地域における洪水被災者のための生活再建支援事業」の活動レポートをCWS Japanさまからいただきましたので、みなさまにご報告します。
〈プロジェクトの中間報告〉
ミャンマーは東南アジアの中でも最も貧しい国のひとつです。本支援地域は、その中でも最貧の家族が日雇い労働やささやかな菜園で生計を立てて暮らしているAuk HtoneとBar Ma Neeの2村で、洪水の多発エリアに位置しています。
【家屋修繕】
この村々にあるほとんど全ての家屋が昨年の洪水後大小の修繕を外部からのサポートに頼らざるをえないのが現状ですが(一般的な家族構成は父親、母親、3~6人の子どもが一つ屋根の下に暮らしています)、本プロジェクトでは部分的あるいは完全になくなってしまった茅葺屋根を補完する修復に10世帯が選定されました。
選定基準は、
・日雇い労働のみが家計を支える手段
・借地代のための負債がある
・貯蓄がないために浸食河川のそばに立つ家から引っ越をして新しい家をかまえることができ
ない
【トイレ建設】
Auk Htone村とBar Ma Nee村合わせて228世帯のうち、35%にあたる80世帯にトイレを建設する際のオリエンテーションが行われ、家屋修復時と同様、以下の選定基準が協議の上合意されました。
・清潔で安全に使用できるトイレを建設する資金が全くなく、お年寄りと一緒に生活している
・5歳未満の子どもがいる家族で、無料の栄養教室に参加した場合は、その家庭に便器の設置を優
先的に検討する
・衛生教育及び便器設置セッションに積極的に参加し、実際の建設に貢献した大人のいる世帯に
は、便器の設置が優先される
現在、CWSミャンマー事務所の専門チームは、便器設置行程の作成、各家族の協力体制の再確認、便器設置・トイレ建設の専門家のアドバイスをあおぎ、デザイン・価格・安全性の面で洪水に耐えうるトイレ建設にむけて調整中です。
〈現地の様子・現地の声〉
【家屋修繕】
CWS Japanのスタッフが村民の方に協力いただけたことの例のひとつとしては、家屋修復10世帯の選定にあたって、破壊状況・世帯状況について丁寧な情報共有および対話を調整いただけたことです。このダイアログは10世帯/人を担当する地域のリーダー10名をまとめるリーダー(100世帯の長)の進行によってとりおこなわれました(ミャンマーの行政システム)。
参加者の間からは、各リーダーが被災生活の中で最も不便を強いられる家族メンバーの課題に丁寧に耳を傾けたことが納得につながったこと、また村のリーダー制というシステムのみに頼らず7人からなるWASH(水へのアクセスと排水、衛生に関する)ボランティアを設立し、本支援が10世帯へ行き届くよう運営する仕組みを作ったことが、本プロジェクトがよいスタートをきれた理由でもあることが伝わってきました。
【トイレ建設】
現在、Auk Htone 村(20世帯) Bar Ma Nee村(80世帯)が先述のボランティアWASHチーム、100世帯の長及びコミュニティとの話し合いを経て便器設置優先権を承認されました。
〈支援者へのメッセージ〉
「ミャンマー・エーヤワディ地域における洪水被災者のための生活再建支援事業」プロジェクトを応援していただきありがとうございます!
トイレ建設はこれから本格的になりますが、家屋修復と同様に、行政のリーダーシップに加えた自助ボランティア組織の発足・活動を話し合いによって合意できたことが、このプロジェクトの波及効果を高めると考えています。ボランティアチームは1チーム女性3名、男性4名からなり、10世帯の被災家族、100世帯の長、10世帯のリーダー ボランティア全員が協働して、家屋修復に着手しました。
今後もこのボランティアメンバーが他の地域メンバーとノウハウを共有してくれるよう、活動していきたいと思っております。引き続きご支援のほどよろしくお願いします。
(特定非営利活動法人CWS Japan 阪口さまより)
■ミャンマー・エーヤワディ地域における洪水被災者の生活再建支援
実施場所:ミャンマー連邦共和国エーヤワディ地域マウビン・タウンシップ
実施期間:2017年1月~6月
・プロジェクトの詳細はこちら
・プロジェクトの(中間・実績)
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