2018年に「地球村の基金」で支援をしているプロジェクト「カンボジア「村の幼稚園」保育者育成支援」の活動レポートを幼い難民を考える会さまからいただきましたので、みなさまにご報告します。
〈プロジェクトの中間報告〉
2019年11月開園予定のコンポンチュナン州の「村の幼稚園」3ヵ所の保育者に事前研修を実施しました。研修期間中、3名は当会プノンペン事務所に近いゲストハウスで共同生活をしながら、同じ目標に向かって助け合い、励まし合う関係を築くことができました。そして11月には開園式を開催しました。
指導をするのは9月まで教育省幼児教育局で政策に携わっていたオム・ソパニさん。
初日と2日目は、就学前教育の重要性、3歳から5歳の子どもの心理、保育者の役割と姿勢など、基礎的な学習。3日目、4日目は、教室の環境整備、登園してくる子どもの出迎え方、指導計画の作成方法。5日目以降は、子どもに教える科目を、一教科ずつ、実技も交えて学習しました。
〈現地の様子・現地の声〉
3名の保育者のうち2名は高校を卒業したてで、保育者として働くことを目指す地域の女性。もう1名は幼稚園で保育者として働いたことはあるものの、就学前教育の研修を受けたことがなく、小学生対象の指導方法は幼稚園で実践した経験がある保育者です。
経験のある保育者は質疑応答や意見交換などでも積極的で、教材作成も手早く行い、研修の場に活気をもたらしていましたが、若い2名は発言も控えめで、言葉につまったりしていました。また、教材作成のペースも遅く、作業が遅れている時には、経験のある保育者が若い2名を助ける場面がしばしば見受けられました。
研修は土日も休みなく行われ、当会のカンボジア人保育チームスタッフも同席をして、記録をとりました。冷房のない30℃を超す事務所内で、3名の保育者が疲れた様子も見せず、一生懸命にノートをとる姿が印象的でした。続く9日間は場所をバンキアン幼稚園に移して、実際に子どもたちが学ぶ様子に接しながらの実習です。講義ではおとなしかった若い2名も、積極的に子どもに声をかけたり、先生の手伝いをしていました。
講義や振り付けのある歌の練習などの模擬授業を繰りかえす中で、徐々に若い2名にも自信をもった発言や動きがみられるようになり、10日間の事前研修は終了しました。
〈支援者へのメッセージ〉
今年度の「村の幼稚園」事前研修は、若い保育者が参加して行われました。従来は、村で仕事をしていない中高年の女性が村長から頼まれて保育者となることを引受けるケースが多かったのですが、今年は、自ら希望して保育者になろうとする参加者でした。そのため、自主的に質問をしたり、子どもに教える練習をしています。
背景には、幼稚園の保育者給与水準が上がり、若い人にとって魅力のある仕事になってきたことがあります。出稼ぎに行かなくても、幼稚園が村に残って働ける場になったことは、幼稚園の地域での継続運営にも追い風となっており、みなさまからのご支援が長い期間にわたって活かされてゆくかたちが整いつつあります。
(認定NPO法人幼い難民を考える会 片山さまより)
■カンボジア「村の幼稚園」保育者育成支援
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