2015年に「地球村の基金」で支援をしているプロジェクト ネパール「子どもたちが安心して学べる学校建設プロジェクト」の活動レポートをチャイルド・ファンド・ジャパンさまからいただきましたのでみなさまにご報告します。
〈プロジェクトの実績報告〉
2015年4月25日にネパールで大地震が発生し、子どもたちが通っていた多くの学校が半壊、倒壊しました。ラメチャップ郡にあるブメシュウォリ小学校も、2棟5教室のうち1棟2教室の壁に亀裂が入り、使用し続けるのが危険な状態となりました。子どもたちが楽しみにしていた新学期が始まったばかりでしたが、危険な校舎で授業を続けることはできず、教育省からの指導もあり、休校にせざるを得ませんでした。
授業は、6月第一週より被害のほとんどなかった校舎で再開されましたが、幼稚園から小学3年生の66名が2教室を使用するため、大変手狭になり、教材の使用もままならない状態でした。また、教室の中は暗く、雨が降るとトタン屋根に雨が落ちる音がうるさく、隣の教室の話し声も筒抜けのため、先生の声が聞き取りづらい状況でした。教室内は夏暑く、冬は寒いので、子どもたちが授業に集中するには厳しい状況でした。
「子どもたちのためにも一日も早く新しい校舎を建設したい」と、すぐに校舎修復をおこなう予定でしたが、レンガを積み上げて建てられた校舎が地震により倒壊し、大きな被害につながった経験から、チャイルド・ファンド・ジャパンは「子どもたちが安心して勉強できる校舎」を建てるため、「ネパール政府が決める新しい建築基準」を遵守した校舎を建設することにしました。
当初、ネパール政府から新しい建築基準が発表される時期は2015年11月頃とされていましたが、ネパール復興庁の発足が、地震から8ヵ月後の2015年12月だったこともあり、最終的にネパール政府復興庁と校舎修復についての合意書を締結できたのは2016年6月でした。
その後、ブメシュウォリ小学校の学校運営委員会に対し、校舎修復について説明を行い、修復に関する契約書を結びました。
2016年7月には資材購入と労務に関する業者の入札を行い、ようやく工事を開始いたしました。
しかし、6月から9月は雨期のため、資材の搬入ができず、また10月には祭礼シーズンの到来と乾季による水不足で工事がさらに遅れました。そして2017年3月末に、ようやく1棟2教室の修復工事が完了しました。
完成した校舎は、壁と屋根を修復しただけでなく、電気配線・天井・雨どいも敷設しました。古い校舎では、天井がなかったため、屋根を打つ雨の音で先生の声が聞こえにくい状況でしたが、その問題は解決しました。
ブメシュウォリ小学校の校舎修復は、2017年度4月中旬からの新学期に間に合い、子どもたちは明るい、新しい教室で勉強をスタートすることができました。今年度は、幼稚部から小学3年生まで、合計58名の子どもたちが通っています。
〈現地の様子・現地の声〉
校長のラム・クマール・ギミレ先生からのメッセージをご紹介いたします。
「修復された校舎は耐震構造であるため、これからは安心して安全に授業をできるのでとても嬉しいです。また、以前のトタン屋根とは異なり、天井もついたため、雨音や暑さ寒さで授業が滞ることがなくなります。フェリシモ基金を通してご協力くださったみなさまに心よりお礼申しあげます。ご支援、ありがとうございました!」
校舎で勉強する子どもたちからは「雨漏りがしない教室で勉強することができて、とっても嬉しい!」という声も届いています。
〈支援者のみなさまへ〉
大地震が発生した2015年4月から2年間、チャイルド・ファンド・ジャパンは「子どもたちを最優先」にした緊急・復興支援をおこないました。フェリシモ地球村の基金を通して、ご寄付をくださったみなさまをはじめ、ご支援くださるみなさまからの温かい応援にスタッフ一同励まされる毎日でした。
校舎修復については、当初想定していたスケジュールが変更になり、思うように進まず、お待たせしてしまい、大変申し訳ございませんでした。「ネパール政府から発表される新しい建築基準を遵守した校舎を建設する」と決めたものの、その基準がなかなか出てこず、「別の設計図を用意し、先行して建設する」ことを検討した時期もありました。
しかし、ネパール事務所長より「政府の基準を満たしていない校舎は、今後取り壊される可能性がある」との情報があり、地震で教室を失った子どもたちが、また教室を失うようなことがないようにと、政府からの発表を待ちました。
みなさまからのご寄付により、ブメシュウォリ小学校の子どもたちは、今日も元気に学校に通い、明るい教室で一生けんめい勉強に励んでいます。校舎修復にご支援くださいましたことに心よりお礼申しあげます。
(認定NPO法人 チャイルド・ファンド・ジャパン 小保方さまより)
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