2013年に「地球村の基金」で支援をしている 「健康づくりの場、みんなの憩いの場をミャンマーの村へ」の活動レポートをAMDA社会開発機構さまからいただきましたのでみなさまにご報告します。
〈プロジェクトの実績報告〉
チン・グウェ村、シッ・ピン村で待望だったコミュニティセンターが、それぞれ2014年12月と2015年2月に、ついに完成しました。保健教育や巡回医療サービス(子どもや妊産婦への予防接種や各種啓発活動)の拠点として健康づくりの場となり、村人がいつでも集まり憩いの場ともなるこの施設の建設にあたっては、全体計画の策定から、費用の一部(3割)負担・資材の調達、建設作業まで村の人たちが主体的に取り組みました。開所セレモニーでは、プロジェクト実施の中心的役割を担った「健康な村づくり委員」による挨拶のほかテープカットも行われ、多くの人が「おらが村のコミュニティセンター」の完成を喜び合いました。
チン・グウェ村での開所式の様子。たくさんの村の人たちが集まり、アットホームなセレモニーとなりました。
また、両村の村人たちは、長く使い続けるため維持管理に関するルールを設けました。例えば、雨漏りのような部分的な傷みについては、健康な村づくり委員と村長が修繕に責任を持つことや、災害などで建物が大きく傷むことがあった場合に備えて基金を立ち上げること、などが決められています。村人たちは強い責任感と献身をもってプロジェクトに取り組んだことで、建設の知識・技術を身に付けただけでなく、「自分たちで夢を叶える幸せ」を体感し、自信と誇りを得ることができました。コミュニティセンターはその証として村の中心に立ち、多くの村人たちに利用されています。
完成したシッ・ピン村のコミュニティセンター。村のシンボルとも言える立派な建物です。
<現地の声>
完成したコミュニティセンターでは、健康な村づくり委員による村人への保健教育や村の会合、巡回医療サービスなどが行われています。プロジェクトを推進した委員たちに、今の思いを語ってもらいました。
チン・グウェ村 チョウ・スウェ(Kyaw Swe)さん(45歳 男性)
私たちの村では、このプロジェクトの前まで、子どもたちの予防接種も含めどんな集まりもなかなか開けませんでした。場所がないことが理由でしたが、今振り返ると、自分たちの生活をより良くしようという思いがなかったことも関係していたと思います。私はAMDAが村に来てから、健康な村づくり委員として、村人たちに保健知識を広める保健教育セッションを開いたり予防接種を手伝ったりするようになり、村のみんなが健康で過ごすには何が必要か、とか、村の問題を話す会合のための場所が必要だ、と考えるようになりました。今回、みなさまからのご支援をいただいて、私たちは建設を成し遂げました。これからは、いつでも保健教育や予防接種ができますので、本当に価値のあることを達成できたと思っています。ご支援いただき、どうもありがとうございました。
チン・グウェ村での保健教育の様子。健康で暮らすために必要なことを学んでいます。
シッ・ピン村 ソウ・ラ(Soe Hla)さん(59歳 男性)
以前は、村の中で人が集まれる場所と言えば僧院でした。ただ、僧院は丘の上にあり、年配の人たちは行きにくいうえ、いつでも使えるわけではないので、みんなが集まる場所についてはいつも頭を悩ませていました。しかし今では、気兼ねなく利用できるコミュニティセンターができ、予防接種や会合、保健教育、そのほか基金の貸出や回収などいろいろな活動を快適に行えるようになり、私たちが理想とする健康な村にまた一歩近づいたと感じています。ご支援いただき、どうもありがとうございました。
シッ・ピン村での村の会合の様子。毎回
場所を探す必要がなくなり、いつでも集まれるようになりました。
コミュニティセンターを利用した村人たちから、みなさまへのメッセージです。
チン・グウェ村 モウ・ウェイ(Mow Wai)さん(27歳 女性)
近所に立派なコミュニティセンターができたので、うれしくて、ここでの保健教育セッションを受けに来るようになりました。予防接種の時には、助産師さんの手伝いもしています。私たちの村をご支援いただいて、ありがとうございました。
シッ・ピン村 チョウ・チョウ・ウィン(Cho Cho Win)さん(25歳、女性)
これからは、ここでどんな集まりもできます。特に予防接種は、子どもたちが元気に育つためにとても大事なことですので、安心して受けられるようになり本当に有難いです。村のみんなを代表して、お礼の言葉を申し上げます。ありがとうございました。
(AMDA社会開発機構 横畑 桃子さまより)
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