昨年、台風30号(ハイエン)によるフィリピンでの災害被害に対し、みなさまに「フェリシモ 地球村の基金」を通した緊急支援活動へご協力をお願いいたしました。たくさんのご支援をいただき、本当にありがとうございました。現地での活動のレポートを紹介させていただきます。
プロジェクト名 :レイテ島東部被災地における緊急雇用及び地域復興事業
活動団体名 :認定NPO法人 アジア日本相互交流センター・ICAN
実施場所 :フィリピン共和国レイテ州ドゥラッグ町
実施期間 :2014年5月1日~2014年12月31日(報告:9月30日時点)
プロジェクトの中間報告:
フィリピン中部を襲った台風30号は、レイテ島東部地域のココナッツの木の90%以上に被害をもたらしました。この東部の海岸線沿いに位置するドゥラッグ町では、被災前、約8割の住民が農業(ココナッツ及び田畑からの収入)によって収入を得ていましたが、災害により、多くの人々が収入源を失いました。ココナッツの木の再生には、約8年から10年程度かかるとみられ、ココナッツに代わる収入源の開拓が急務となっていました。
これに対して、「地球村の基金」の本プロジェクトにおいて、ドゥラッグ町内の住民たちは、まず、今後の中長期的な収入源について話し合う機会を持ちました。そして、その後の住民集会で、小学校の敷地を整備し、村人が協力して、農業を行っていくことが確認されました。また、畑や収穫の管理を行う「農業管理委員会」を設立し、その役員選挙では、村役場の役員、地域の既存の農業組合の役員に加え、若手のリーダーを役員として選出しました。プロジェクトの中間地点である現在までに、地域住民はキャベツ、オクラ、芋などの種を活用して作付けを行っており、今後、種の種類を増やしていくことを計画しています。
現地の声:
災害発生5日後から当団体が行ってきた食糧の提供や家の建設、家庭用品の提供、学校建設などの活動を通じて、現地は、少しずつですが、落ち着きを取り戻してきています。現時点では、まだ収入自体が増加しているわけではないですが、本プロジェクトにより、課題として残っていた「生計」について、希望が見え始め、地域では将来に向けての明るい発言が聞かれるようになりました。
住民の集会では、「災害発生後と比べて、地域の状況はずいぶんよくなった。今後は、自分達の生活を維持できるように、収入源の確保に力を入れて行こう。」という声が聞かれました。作物の作付けの際には、「このプロジェクトの種だけではなく、フィリピンの農業省からも種を調達し、畑を大きくしていこう」という提案が聞かれるなど、地域住民が主体となってプロジェクト自体も発展していっています。
ご支援くださるみなさまへ:
「地球村の基金」を通じて、被災直後、一切聞くことのなかった「将来に向けての前向きな発言」が、地域住民より聞かれるようになりました。多くの物を失い、心も傷つき、行動に移す気力もなかった地域住民が、みなさまの後押しを受けて、再び立ち上がってきていると実感しています。
この中間の時点では、まだ収入源が確保されたわけではなく、毎日の生活が大変な方々が多くいます。しかし、これまで住民の方々とともに歩んできた11ヵ月の経験から、地域住民が一丸となって取り組むとき、大きな困難も必ず乗り越えることができると確信しています。「地域住民自身が復興を担っていく」というプロセスにこだわり、今後も活動をしていきます。
これからも「地球村の基金」の本プロジェクトを応援してください。
・プロジェクトの実績報告はこちら
コメント