(地球村の基金)インドから活動レポートが到着しました!
2013年に「地球村の基金」で支援をしている「ピース・インド」プロジェクトの活動レポートをACEさまからいただきましたのでみなさまにご報告します。
<プロジェクトの実績報告>
ACEが実施している「ピース・インド」プロジェクトは、インドのコットン生産地で児童労働をなくし子どもが教育を受けられるよう目指しています。対象地のナガルドーディ村では、2014年3月で4年間の活動期間を終了しました。これまでの活動と成果をご報告します。
1)働いていた子ども204人が労働をやめ、教育を受けられるように村での集会や演劇などの文化プログラムの開催による啓発活動や、プロジェクトで結成された子ども・女の子・住民による各グループへの訓練などを行ったことにより、子どもや住民が自ら子どもの問題の改善や就学の徹底にとりくめるようになりました。また働いていた子どものための「ブリッジスクール」を運営し公立学校への就学支援などを行い、204人の子どもがコットン畑などの労働をやめて、学校へ通えるようになりました。
学校へ通い勉強できるようになったマヘシュエリ(仮名)ちゃん(中央)と生徒たち
2)女の子60人が教育や技術を身につけて自立的な生活ができるように義務教育を十分受けられなかった14~17歳の女の子のための刺繍・縫製の職業訓練センターを運営し、将来の自立を支援しました。これまで約60人の女の子が、生活に必要な基礎教育や職業技術を身につけ、修了後にはミシンを支給されて自分の家で仕立て屋ビジネスを行えるようになりました。コットン栽培での過酷で低賃金の労働をしなくてもすみ、自分で収入を得られるようになりました。
職業訓練センターでミシンを習うヴィジェラクシュミ(仮名)ちゃん
3)約60人の親が収入向上に取りくめるように経済的に貧しい家庭の母親を対象に、鶏や羊を支給する畜産ビジネスの訓練や、女性自助グループによる預金や小規模融資の互助制度についての訓練、また学用品店や布・生地屋のショップ運営の支援を行いました。
その結果、支援を受けた親約60人が畜産ビジネスやショップ運営などで安定した仕事を得られるようになり、また銀行から融資を受けられるようになりました。家計が安定し、子どもの学用品を買うことができるなど教育を支えられるようになりました。
支援を受けて雑貨店を開いたスンダンマさん(左)と夫のヤサップ(右)
4)活動終了と住民への引継ぎを記念するセレモニーが開催されました。
活動期間終了にあたり、これまでのプロジェクトでの活動が、今後は住民によって引継がれるようセレモニーが、2014年4月2日に開催されました。子どもや親、村のリーダーや学校の教員など約600名の住民が参加し、これまでの取りくみや変化などを振り返り、また活動に積極的に協力し活躍した住民約40名を選び表彰しました。またプロジェクトで結成された住民有志によるグループ「子ども権利保護フォーラム」は、働く子どもの見回りや就学の呼びかけなどを行ってきました。セレモニーでは、同メンバーが今後も中心となって、村の子どもの問題解決に取りくんでいくことが確認されました。
セレモニーで今後も活動を引継ぐと誓う「子ども権利保護グループ」
<現地の様子、受益者の声>
現在18歳のアパルナ(仮名)ちゃん。初めて出会ったのは、プロジェクト実施前の2009年でした。当時13歳、小学6年生でしたが、体調が悪く、学校を休んで寝込んでいました。8歳から5年間、学校に時々通いながらコットン畑で働きましたが、畑で使われる農薬の影響で、そのころから体調をくずして病院にも通うようになりました。6人家族、両親と姉1人と弟2人と暮らしており、土地がないため親は仕事がなく、子どもたちはみな学校へ通えなかったり中途退学したりしていました。
(2009年1月に会った時のアパルナ(仮名)ちゃん)
2010年から村でプロジェクトがスタート。現地スタッフが何度も家庭訪問をし、家庭状況や子どもの教育について親と話し合いました。プロジェクトでは親が定期的に収入を得られるよう、羊やヤギを支給して畜産ビジネスの支援を始めました。それにより、アパルナ(仮名)ちゃんは働くのをやめて学校へ通い続けるようになりました。その結果、隣の村にある高校にも進学して高校3年生まで勉強することができました。
さらに2013年からは、プロジェクトで運営する職業訓練センターに通うようになり、今は自分で服も作れるようになりました。「大学には入れないけど、何か技術を身につけて自分で仕事ができるようになりたい。今は元気になったし、刺繍を学べてすごく楽しいです。両親も家畜の仕事ができて生活がだいぶ楽になりました。私が訓練センターに来るのも賛成して、喜んでくれています」と話してくれました。
(2014年4月、職業訓練センターで)
アパルナ(仮名)ちゃんのように、以前コットン畑で働いていた状況から抜け出し、新たな人生を歩みだした子どもたちが増えました。その明るい姿を見て、親や住民たちもとても喜んでいます。
プロジェクト実施前は、村では男女やカーストの差別があり、女性やカーストが異なる住民が集会に集まったり協同で課題に取りくんだりすることが充分できないなど困難がありました。しかし今は、住民がみな積極的に集会に参加して、子どもの教育や親の貧困、村の飲料水不足といった様々な問題に一緒に取りくむようになりました。子どもの就学状況を確認し合ったり、学校施設や村のインフラの改善のために政府に要請したり、資金を出し合うなど、協力して行動しています。住民同士の信頼関係や連帯感が強まったことが、様々な村の変化を生んだと思います。
これも継続的に活動をすることができた、みなさまのご支援のおかげです。本当にありがとうございます。
プロジェクトの活動期間は終了しましたが、子どもが再び労働に戻ることなく、全ての子どもが継続的に教育を受けられる村として維持できるよう、住民による活動を1年間フォローアップしていく予定です。これからもご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
2013年に「地球村の基金」で支援をしている「ピース・インド」プロジェクトの活動レポートをACEさまからいただきましたのでみなさまにご報告します。
<プロジェクトの実績報告>
ACEが実施している「ピース・インド」プロジェクトは、インドのコットン生産地で児童労働をなくし子どもが教育を受けられるよう目指しています。対象地のナガルドーディ村では、2014年3月で4年間の活動期間を終了しました。これまでの活動と成果をご報告します。
1)働いていた子ども204人が労働をやめ、教育を受けられるように村での集会や演劇などの文化プログラムの開催による啓発活動や、プロジェクトで結成された子ども・女の子・住民による各グループへの訓練などを行ったことにより、子どもや住民が自ら子どもの問題の改善や就学の徹底にとりくめるようになりました。また働いていた子どものための「ブリッジスクール」を運営し公立学校への就学支援などを行い、204人の子どもがコットン畑などの労働をやめて、学校へ通えるようになりました。
学校へ通い勉強できるようになったマヘシュエリ(仮名)ちゃん(中央)と生徒たち
2)女の子60人が教育や技術を身につけて自立的な生活ができるように義務教育を十分受けられなかった14~17歳の女の子のための刺繍・縫製の職業訓練センターを運営し、将来の自立を支援しました。これまで約60人の女の子が、生活に必要な基礎教育や職業技術を身につけ、修了後にはミシンを支給されて自分の家で仕立て屋ビジネスを行えるようになりました。コットン栽培での過酷で低賃金の労働をしなくてもすみ、自分で収入を得られるようになりました。
職業訓練センターでミシンを習うヴィジェラクシュミ(仮名)ちゃん
3)約60人の親が収入向上に取りくめるように経済的に貧しい家庭の母親を対象に、鶏や羊を支給する畜産ビジネスの訓練や、女性自助グループによる預金や小規模融資の互助制度についての訓練、また学用品店や布・生地屋のショップ運営の支援を行いました。
その結果、支援を受けた親約60人が畜産ビジネスやショップ運営などで安定した仕事を得られるようになり、また銀行から融資を受けられるようになりました。家計が安定し、子どもの学用品を買うことができるなど教育を支えられるようになりました。
支援を受けて雑貨店を開いたスンダンマさん(左)と夫のヤサップ(右)
4)活動終了と住民への引継ぎを記念するセレモニーが開催されました。
活動期間終了にあたり、これまでのプロジェクトでの活動が、今後は住民によって引継がれるようセレモニーが、2014年4月2日に開催されました。子どもや親、村のリーダーや学校の教員など約600名の住民が参加し、これまでの取りくみや変化などを振り返り、また活動に積極的に協力し活躍した住民約40名を選び表彰しました。またプロジェクトで結成された住民有志によるグループ「子ども権利保護フォーラム」は、働く子どもの見回りや就学の呼びかけなどを行ってきました。セレモニーでは、同メンバーが今後も中心となって、村の子どもの問題解決に取りくんでいくことが確認されました。
セレモニーで今後も活動を引継ぐと誓う「子ども権利保護グループ」
<現地の様子、受益者の声>
現在18歳のアパルナ(仮名)ちゃん。初めて出会ったのは、プロジェクト実施前の2009年でした。当時13歳、小学6年生でしたが、体調が悪く、学校を休んで寝込んでいました。8歳から5年間、学校に時々通いながらコットン畑で働きましたが、畑で使われる農薬の影響で、そのころから体調をくずして病院にも通うようになりました。6人家族、両親と姉1人と弟2人と暮らしており、土地がないため親は仕事がなく、子どもたちはみな学校へ通えなかったり中途退学したりしていました。
(2009年1月に会った時のアパルナ(仮名)ちゃん)
2010年から村でプロジェクトがスタート。現地スタッフが何度も家庭訪問をし、家庭状況や子どもの教育について親と話し合いました。プロジェクトでは親が定期的に収入を得られるよう、羊やヤギを支給して畜産ビジネスの支援を始めました。それにより、アパルナ(仮名)ちゃんは働くのをやめて学校へ通い続けるようになりました。その結果、隣の村にある高校にも進学して高校3年生まで勉強することができました。
さらに2013年からは、プロジェクトで運営する職業訓練センターに通うようになり、今は自分で服も作れるようになりました。「大学には入れないけど、何か技術を身につけて自分で仕事ができるようになりたい。今は元気になったし、刺繍を学べてすごく楽しいです。両親も家畜の仕事ができて生活がだいぶ楽になりました。私が訓練センターに来るのも賛成して、喜んでくれています」と話してくれました。
(2014年4月、職業訓練センターで)
アパルナ(仮名)ちゃんのように、以前コットン畑で働いていた状況から抜け出し、新たな人生を歩みだした子どもたちが増えました。その明るい姿を見て、親や住民たちもとても喜んでいます。
プロジェクト実施前は、村では男女やカーストの差別があり、女性やカーストが異なる住民が集会に集まったり協同で課題に取りくんだりすることが充分できないなど困難がありました。しかし今は、住民がみな積極的に集会に参加して、子どもの教育や親の貧困、村の飲料水不足といった様々な問題に一緒に取りくむようになりました。子どもの就学状況を確認し合ったり、学校施設や村のインフラの改善のために政府に要請したり、資金を出し合うなど、協力して行動しています。住民同士の信頼関係や連帯感が強まったことが、様々な村の変化を生んだと思います。
これも継続的に活動をすることができた、みなさまのご支援のおかげです。本当にありがとうございます。
プロジェクトの活動期間は終了しましたが、子どもが再び労働に戻ることなく、全ての子どもが継続的に教育を受けられる村として維持できるよう、住民による活動を1年間フォローアップしていく予定です。これからもご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
(ACE 成田 由香子さまより)
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