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(地球村の基金)ラオスから活動レポートが到着しました!

(地球村の基金)ラオスから活動レポートが到着しました!

2013年に「地球村の基金」で支援をしているプロジェクト「ラオス・シェンクワン県における応急処置研修事業」の活動レポートを認定NPO法人 難民を助ける会さまからいただきましたのでみなさまにご報告します。

<プロジェクトの中間報告>
 難民を助ける会は2014年2月からシェンクワン県ノンヘット郡で、村落保健ボランティアに対する応急処置研修を行っています。3月末までに23人が研修を受けました。
 シェンクワン県ノンヘット郡は、県都のポンサワンから115kmほど離れた山間部にあり、ポンサワンから車で約3時間かかります。ラオスでは医療施設の整備が充分ではなく、怪我や病気をした時に適切な治療を受けられる施設が限られています。特に、ノンヘット郡のような山間部の村々では近くに病院がなく、病院にたどり着くまでとても時間がかかります。

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ノンヘット郡の村々は山に囲まれています

 ラオスの村では、交通事故や農作業中の怪我のほかに、不発弾による事故が起きています。ラオス全土には1970年前後のインドシナ戦争中に落とされた爆弾が、爆発しないまま現在もたくさん残されています。 このような状況で、事故の被害者の命を救い、後遺症を最小限に抑えるためには、各村で迅速かつ適切な応急処置を行うことが非常に重要です。そこで活躍が期待されるのが村落保健ボランティアです。しかし、村落保健ボランティアは医療に関する教育を受けていない一般の村人なので、適切な応急処置方法を知らないことが多く、彼らに正しい、実践的な知識を身につけてもらうことが大きな課題となっています。
 研修は3日間のプログラムです。研修を通じて、村落保健ボランティアは心肺蘇生法、止血方法に加えて、不発弾事故の際にも起こりやすい火傷の処置や骨折の固定、目に怪我をした際の処置、また患者の搬送方法について学びます。

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心肺蘇生練習用人形で実技練習をする村落保健ボランティア(中央)と指導する安藤典子駐在員(右)

 研修では、単に知識だけではなく、その知識が実践につながるように、実際の事故を想定した症例学習を取り入れています。村落保健ボランティアはグループに分かれて、患者役に対してどのように処置するのか練習します。そして、研修終了時には、一人ひとりに修了証と、自分の村に帰って応急処置を実践できるよう、応急処置に関してまとめた冊子や応急処置セットを渡します。

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症例学習では、現地職員を患者役として応急処置の一連の流れを確認します。心臓マッサージの練習は人体ではできないので人形を使用しています。

<現地の様子、受益者の声> 
 ノンヘット郡には、モン語を母語とする少数民族のモン族が多く住んでいます。また小学校で学校教育を終えている人が多いことなどから、公用語のラオス語の読み書きがあまりできない人が多いのです。そのため、研修では、当会の現地職員がモン語で補足説明をしたり、医療用語を平易な言葉に置き換えたりすることで参加者の理解を助けています。
 研修に参加した村落保健ボランティアからは「応急処置の研修は初めてなのでたくさんのことを学びました。」、「止血の際に紐で縛ったり、薬草を当てたりすることが傷を更に悪くすることを知らなかった。次からは正しい方法で処置できます。」と初めての研修の機会に対する喜びの声があがりました。また、「村に帰ったら、学んだ知識を村の人たちに伝え、搬送に必要な車両が確保できるように村人と話し合います。」、「事故の際にはどのように村人同士が助け合ったらいいかを伝えたい。」と研修で学んだことを早速村の中で伝えたいとの意欲を示してくれました。

 
 ご支援のおかげで、村落保健ボランティアが、正しい知識と処置方法を自分たちの村へ持ち帰っています。ノンヘット郡は山間部のため、何時間も未舗装の道を車で行き、ときには船で川を渡り、車の入れない山道を研修道具を担いで歩いて研修場所へ向かうこともあります。こうした医療機関まで何日もかかるような場所で事故が発生した際にも正しい応急処置がされ、あらかじめ搬送のために指定された車両によってできる限り早く近くの医療機関へ搬送されるよう、研修に参加した23名の活躍が期待されます。この後、6月末までに、さらに10名の村落保健ボランティアに対し、研修を行っていく予定です。
厳しい場所での研修が続きますが、村落保健ボランティアの「もっと村人を助けるための知識を得たい」という気持ちに応えるため頑張っていきます。今後も応急処置研修への応援をよろしくお願いいたします。

(認定NPO法人 難民を助ける会 安藤 典子さまより)

プロジェクトの詳細はこちら

 

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