(地球村の基金)ネパールから活動レポートが到着しました!
2013年に「地球村の基金」で支援をしているプロジェクト「子どもにやさしい学校環境整備プロジェクト」の活動レポートを認定NPO法人 チャイルド・ファンド・ジャパンさまからいただきましたのでみなさまにご報告します。
<プロジェクトの中間報告>
ネパールでは、1990年代後半より続いた武力闘争により、子どもたちの教育機会が大きく損なわれてきました。チャイルド・ファンド・ジャパンは、山間部の子どもたちが質の高い教育を受け、学力を向上させることができるよう環境をととのえる支援を行っています。2013年12月には、建設を支援していたゴルマダンダ小学校の新校舎が完成しました!
建て替え前の旧校舎は、雨漏りのため梁の一部が腐り、崩壊の危険性もありました。また窓が小さいため教室が暗く、土壁に教材を掲示することもできませんでした。現在、3~5年生の子どもたちが、雨漏りの心配のない、広々とした明るい教室で勉強を頑張っています。
建設にあたっては学校関係者や地域住民と話し合いを重ね、「建設費用の7割を支援でまかない、3割は学校側と地域住民が資材と労働力を提供する」という取り決めを行いました。保護者を含む地域住民のみなさんは、みずから汗を流して建設地から出てくる石を取り除き、鍬をふるいました。そのプロセスを通じて、保護者や住民の間に「子どもの教育は親の責任」という自覚が生まれてきています。
完成したゴルマダンダ小学校 新校舎
学校完成式に出席する保護者たち。みなの協力で子どもたちの学校が完成しました!
学校建設だけでなく、授業の質を向上させるための教員研修も実施しています。15校から31人の教員が参加し、小テストなどをこまめに取り入れることによって生徒個人の学力を把握し軌道修正する継続的な評価の方法、教材の工夫、生徒中心の教授法などを学びました。一部の学校では補習も開講され、農作業や家事手伝いで学校を休み、授業についていくのがむずかしくなった子どもがドロップアウトせずに勉強を教わることができています。
<現地の様子、受益者の声>
支援を開始してから約4年が経過し、少しずつよい変化が見られています。2013年には、プロジェクト支援開始から初めて、終了認定試験(SLC:School Leaving Certificate。10年間の中期中等教育の終了試験)に1名が合格しました! SLCは、就職や免許証の取得など、多くの場面で求められる最低条件となっていますが、合格率は全国42%(2012年)と決して高くありません。今回合格した女の子、ミナは「教師になる」という夢を持ち猛勉強の末、集落で初めてSLCに合格した女の子となりました!
試験に合格して喜ぶミナ(右から2番目)とその家族
貧しい家庭では、教育の必要性に関して理解が薄く、貴重な働き手である子どもを学校に通わせることに後ろ向きだったり、辞書や参考書などの費用も「余計な出費」と考えがちです。しかし、今回のように、子どもの将来につながる「SLCの合格」という形ではっきりと成果が示されたことで、支援地域の親の教育に対する意識が高まることが期待されます。
険しい山道を雨の日も炎天下も長距離通学する子どもたちに、学校に通うのは大変じゃない? と聞くと、「大変だけど、学校に来て友だちと勉強したり、遊んだりするのが楽しいから大丈夫!」という答えが返ってきます。子どもたちが勉強を続けやすい環境を整備することで、「学校の成績が悪い→進級できない→中退、結婚・出産→自分の子どもの勉強を見る学力がない・教育への関心が低い→子どもの成績が悪い」という悪循環を断ち切り、貧困のサイクルから抜け出せる子どもたちが出てくるよう、引き続き支援を行っていきます。ぜひ、ご一緒に子どもたちの未来を支えて下さい!
(認定NPO法人 チャイルド・ファンド・ジャパン 福田 春子さまより)
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