(地球村の基金)インドから活動レポートが到着しました!
2013年に「地球村の基金」で支援をしている「ピース・インド」プロジェクトの活動レポートをACEさまから頂きましたのでみなさまにご報告します。
<プロジェクトの中間報告>
ナガルドーディ村は、プロジェクト実施前は、経済的に貧しい家庭が多く暮らしており、多くの子どもたちが義務教育さえも受けられず、コットン栽培などの農作業のために長時間、低賃金で働いていました。
プロジェクトを実施して、子どもの教育の大切さや児童労働の問題について親や住民の意識を高めるための集会や文化プログラムの開催、家庭訪問による働く子どもの親との支援相談、プロジェクトで結成された住民グループの訓練による畑の見回り、子どもグループによる子ども同士の就学呼びかけ、働いていた子どものための「ブリッジスクール」の運営などを行っています。
これにより、住民の教育の意識が高まり、コットン栽培などで働くために未就学だった子ども、または中途退学した子ども約190人が公立学校で教育を受けられるようになり、そのうちブリッジスクールから約100人の子どもが公立学校に編入しました。その結果、就学年齢のほぼ全ての子どもが継続的に学校に通えるようになりました。
子どもの就学を呼びかけや、 働く子どもの親を説得をするようになった村の子どもクラブのメンバーたち
また義務教育を十分受けられなかった女の子を対象にした職業訓練センターを運営し、自立支援を行っています。これまで約40名が基礎教育と縫製・刺繍技術を身につけ、訓練終了後は、プロジェクトで支給されたミシンを使って仕立て屋を始めて自ら収入を得られるようになりました。
職業訓練センターでの縫製の技術訓練を受けている女の子たち
さらに経済的に貧しい家庭の母親を対象に、鶏や羊を支給して畜産ビジネスの訓練や、女性自助グループによる預金や小規模融資などの互助制度についての訓練、学用品店や布・生地屋のショップ運営などの支援を行っています。これにより、土地なし農民など安定した収入源がなかった親たちが仕事や収入向上の機会を得られるようになり、子どもの学用品などを必要な時に購入することなどができるようになりました。
養羊ビジネスで支援を受けて収入向上に取りくんでいる家族
<現地の様子、受益者の声>
16歳の女の子デヴァマ(仮名)ちゃんは、小学3年生で中退して8年間畑仕事をしていたため読み書きができませんでした。プロジェクトで運営する職業訓練センターに通い、基礎教育と縫製技術を身につけて、2013年5月から家で仕立て屋をしています。家族や自分の服は自分で作れるようになり、また近隣から注文を受けて、毎月約1300ルピー(約2500円)ほどの収入を得られるようになりました。読み書き計算もでき、月毎の支出収も分かるよう帳簿をつけています。
「もし職業訓練センターに通う機会がなかったら、今も畑で働いていたと思います。これで私の人生は大きく変わったと思います。」と振返りました。「畑では日差しが強くて一日中働くのは大変だったし、コットン畑で使う農薬で体調が悪くなることが多くありました。今は家で仕立て屋をして安心して収入を得ることができるから、これからも結婚した後もずっと続けたい。今はもっと勉強もしたくて、できるなら高校に行きたいんです。」と話してくれました。日中は仕立て屋をし、夜は村で政府が実施している夜間教室にも通って勉強しています。
お母さんも「自分は子どものころ学校へ行けなかったけど、子どもには教育を受けさせたいと思うようになりました。教育を受けてよりよい生活ができるように娘の目標を応援したいです。」と話してくれました。
このように、勉強する楽しさや意義を知って、新たな可能性を探しはじめる女の子たちが増えてきています。
基礎教育と縫製技術を身につけて、新たな目標を持つようになったデヴァマ(仮名)ちゃん
村では、子どもたちが毎日学校で勉強したり生活習慣が身につくなど、子どもの変化を見て、親たちも教育の大切さをさらに実感するようになりました。また女の子たちが自立的に生活できるようになったり、親が収入向上の機会を得られるようになるなど生活環境が改善して、住民たちは村の変化を喜んでいます。
そして何よりも、プロジェクトを通して、住民たち自身が大きく変わり、村の改善に協力し合い自発的な行動をするようになってきました。活動開始前は、「この村では政府も何もしてくれないし、貧しくて、子どもが働くのは当たり前。」という声が多くありましたが、今は「将来のために子どもの教育は大切。」「自分たちで村をよくしよう」という声が聞かれ、村の改善が自信や将来への希望を持つことにつながっているようです。
残りの活動期間では、住民の能力強化に力を入れて、住民自身が児童労働をなくし子どもの教育を支えていけるようになるよう持続的なしくみづくりに取りくんでいきます。みなさまの応援、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
(ACE 成田 由香子さまより)
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