2015年に「地球村の基金」で支援をしているプロジェクト「(ホンジュラス)住民の手でトイレを設置し、より良い衛生環境を」の活動レポートをAMDA社会開発機構さまからいただきましたのでみなさまにご報告します。
〈プロジェクトの実績報告〉
本事業は、対象地域の衛生環境を改善するため、トイレを所有していない世帯へのトイレの設置と、住民への保健衛生教育を行いました。これらの活動は住民とともに取り組みました。
セメントに混ぜる水の不足から建設が遅れがちな世帯もありましたが、計画した64基(61世帯および公立小学校2基、教会1基)すべてのトイレを、8月中に完成させることができました。
どの家庭も完成したトイレを清潔に保って利用していることはもちろん、多くの家庭で飾り付けをして、きれいなトイレが使える喜びにあふれていました。
また、保健衛生教育については、全部で5回の研修を実施しました。
1回目には「健康被害をもたらす害虫や小動物」をテーマに56人が参加、2回目は「水循環・水汚染」について48人が参加、3回目は「公衆衛生」について46世帯が参加し、トイレを利用しない排泄の汚物が、どのような経路で人間の健康を害しているのかを学び、トイレ完成後は便器や床などをこまめに掃除し清潔に保つこと、トイレットペーパーを適切に処理することなどを学びました。
4回目は「感染症と手洗い」について32人が参加し、下痢などを防ぐための手洗いの重要性を学びました。この回の参加者が少なかったのは雨季に入り雨の日が多く、川の水が増水していたため、川の向こう側に住む住民が参加することができなくなったためです。しかし最終回(5回目)となった7月の研修には43人が出席し、これまでに学んだ4回の研修すべての復習を行いました。
〈現地の様子・現地の声〉
8月にはアグア・カリエンテ村の主催で、テクシグア市長や当団体スタッフも招待され、64基すべての完成を祝う完成式が実施されました。式では、村から日本の支援者のみなさまへ感謝の気持ちが伝えられ、感謝状を当団体スタッフがお預かりしました。
トイレが出来たばかりの頃は、「トイレを使う習慣がなかった子どもたちはまだ外で用を足してしまう」という声も聞かれましたが、完成式の際には子どもたち自身が、「トイレができて嬉しい。いつも使っているし、掃除のお手伝いもしている。」と話してくれました。
テクシグア市長は、「遠い日本の方々が、トイレの設置が私たちの健康向上のために重要だとして、投票でプロジェクトを決めてくださったことに感銘を受けました。私も市長として村のトイレ整備に取り組んできましたが、まだ実現できていない村も多いところ、アグア・カリエンテ村については日本のみなさんに支援いただいて本当に助かりました。今後ますますトイレの普及に力を入れなくてはいけないと気持ちを新たにしました。トイレで助けていただいた分、アグア・カリエンテ村では、さらに地域住民の衛生環境が改善されるように、(現在土の床がほとんどの)家屋の床の整備などを行っていきたいと思います。」と語りました。
<完成したトイレ>
〈支援者のみなさまへ〉
村のリーダーの一人であるホセさんからのメッセージです。
「日本のみなさん本当にありがとうございました。日本のことは以前から、技術が発展していて尊敬できる国だと思っていましたが、このように実際に自分たちが支援を受けて、ますます親しみがわきました。日本からの友情のしるしであるトイレを大事に使って、健康に気を付けて生活していきたいと思います。」
(認定NPO法人AMDA社会開発機構 林 裕美さまより)
■住民の手でトイレを設置し、より良い衛生環境を
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