「フェリシモ 地球村の基金」が今年支援したい7つの自立を支援するプロジェクト。
その中から、世界をよりしあわせにするためのプロジェクトの1つをみなさまにご紹介します。
こんにちは、特定非営利活動法人ホープフル・タッチの高田です。2016年にシリア人の仲間と活動を始め、難民の子どもたちや戦地で生きる子どもたち、過酷な状況で生きる子どもたちを支えてきました。
2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大により、世界中が今までに経験したことのない危機に直面しています。影響を受けたのは、戦地も同じです。戦争・紛争中だからといって、ウイルスが大目に見てくれる訳ではありません。それどころか、もともとの人道危機や社会課題を抱えている国や地域では、これまでの生活状況が悪化・停滞し、より大きな影響を受けています。
シリアでは2020年9月現在、COVID-19感染者総数が3,500名以上、死者が150名以上とされていますが、シリア国内でも現政権下の管轄に属していない地域があるため、全体像は分かりにくい状況です。
例えば私たちが活動しているラッカ県は、市民評議会による自治政府管轄下にあるため、公的な統計が出されていません。自治政府内でもコロナ対策は随時取られていましたが、主に外出禁止・制限や公共・教育機関などの一時的閉鎖要請に留まり、医療・社会福祉的支援が実行される訳ではありませんでした。
自治政府管轄下で、もともと国内でも周囲との行き来が制限されていたためか、皮肉にも私たちの活動対象地では当初感染者は確認されていませんでした。しかし夏以降、対象地で一時的な外出禁止令が突然再度発令されることもあり、感染者が増加しているのではという懸念が広まりました。公的に情報が共有されないため、デマのように情報が行き来し人々の不安も募っています。
私たちはシリアのラッカ県にて、2020年1月から戦争により障がいを負い、ほかに社会的活動に参加する機会のない子どもたちを対象に特別支援コミュニティセンターを運営しています。当初は心身に障がいを負った子どもたちを中心に、地域の教育・社会福祉的支援の中心になるようセンターの活動を計画していましたが、外出自粛・公共機関の閉鎖要請を受け、当センターも一時的に休館とせざるをえない状況となりました。
しかし保健衛生状況に対する懸念は地域の人々全体に広がり、他の支援機関の活動も通常より一層滞っていたため、センターに通う子どものいる家族を中心に衛生用品の配布を実施しました。自治政府からの要請が出ていない期間はセンターでの学習クラスを開講し、戦争や感染症により継続的に教育を受けられない子どもたちの学習を支えてきました。
家族の方々からは、「感染症の予防といっても、予防できる物資もお金もない」という声が上がっています。世界中の経済悪化は為替や物流に影響し、人々の収益活動は困難になり、国際的な支援も集まりにくい状況になっています。人々の生計支援は今後も重大な課題ですが、私たちはまず、今後の未来を支える子どもたちが心身共に健康に発達できることを支えていきたいと考えています。
ラッカ市内の様子
感染症予防のためマスクを配布
センターでの学習支援
<主な活動内容>
戦争による被害を受けているシリア・ラッカ県市内にて特別支援コミュニティセンターを運営します。教育を受ける機会のない子ども50名を対象に学習クラスを提供するほか、社会状況に合わせ人々のニーズを把握し必要なサポートを届ける調整ができるよう、地域のソーシャルワーク機能を担います。
戦争により心身へ被害を受けた子どもたちが健康に発達できる機会を生み出し、子どもたちや地域住民の方々の希望を創出していくことが、この活動の目的です。
- 子ども個々人の発達に合わせた、アラビア語や英語の読み書きや計算など基本的学習を提供します。
- 描画や音楽などによるレクリエーション活動を提供します。
- 手洗いや感染症予防を広める子ども向けの研修を実施し、日常的な衛生教育を実践します。
- 定期的に家庭訪問し、他の支援機関と連携しながら医療的・社会福祉的支援の機会へ繋げるソーシャルワーク機能を担います。
<期待される効果>
- 2011年のシリア戦争以降、戦争により心身への被害を受けた子ども50名が、継続的・定期的に最低限の教育や心理社会的支援を受けることができます。
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で今まで以上に基本的な社会活動が停滞するなかで、感染対策に配慮しながら少人数グループで子どもたちの学習活動を継続できます。
- 個々の子どもの発達に合わせて、読み書き・計算などの基礎学力を向上・維持できます。
- 自由な言語的/非言語的表現を極端に抑圧されていた子どもたちが、描画や音楽などのレクリエーション活動によって、少しずつ自己表現し自尊心を高めていくことができます。
- 学力促進だけでなく、感染症予防など心身の健康を支える子どものライフスキル向上に寄与できます。
- 地域に根付いたコミュニティセンターとして、変動しやすい社会状況において人々のニーズや不安を迅速に組み上げ、対応策へ繋げることができます。
- 限られた支援リソースのなかで他の支援機関と連携し、地域のソーシャルワークネットワークの発展に寄与できます。
■戦争や感染症により学習機会を失った子どもの発達支援(シリア)
実施場所:シリア・アラブ共和国、ラッカ県市内
実施期間:2021年1月~2021年12月
・プロジェクトの詳細はこちら
・プロジェクトの報告はこちら(中間・実績)
・ホープフル・タッチさまのその他の支援活動はこちらから
「フェリシモ 地球村の基金」より、世界をよりしあわせにするための7つの自立を支援するプロジェクトの応援投票を2020年11月2日から11月15日まで行います。
期間中、応援したいプロジェクトを選んで投票することで、そのプロジェクトを応援することができます。(投票の数は、各プロジェクトへの拠出金額の参考にさせていただきます)
➡ 応援投票は終了させていただきました。
みなさまから、たくさんの応援(投票)をいただきありがとうございました。
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