「フェリシモ 地球村の基金」が今年支援したい8つの自立を支援するプロジェクト。
その中から、世界をよりしあわせにするためのプロジェクトの1つをみなさまにご紹介します。
マルハバ(こんにちは)!
トルコ南東部シリアとの国境県で、シリア人やトルコ人と活動しているHopeful Touchの高田みほです。
シリア戦争開始から6年目。子どもたちは自分の国で毎日爆破音を聞きながら過ごす生活から、突如として難民として異国でゼロから始める生活を送っています。私たちが活動する国境付近の農村地では、周りになにもない広大な土地のなかで、シリア人家族が生活するテントが点々とみられます。
学校にも病院にも行かれず、食糧を得るにも手段が得られにくい環境です。そんななか、子どもたちは今日もたくましく生きていますが、彼ら/彼女らの心身の成長・発達を守るものはほとんどありません。
慢性的な支援不足
2016年9月現在、シリア難民数は登録されているだけで約480万人、うちトルコでは、受入れ国として最多の270万人以上が避難生活を送っています。
トルコには、国連機関やトルコ政府が運営する難民キャンプが26ヵ所設置されていますが、シリア避難民の90%以上はキャンプ外で生活しています。シリア人が正規雇用に就けるケースは一握りであり、ほとんどが非正規に長時間・低賃金の労働を強いられるほか、かろうじて日雇いの仕事を見つけて過ごす家族や、収入がなく支援のみに頼らざるをえない家族もいます。緊急支援が慢性的に必要となり、支援団体もカバーしきれない状況に陥っています。
子どもに希望を
シリア難民数の約半数が18歳以下の子どもです。
トルコに滞在しているシリア人の子どもの約68%は、いかなる公式・非公式の教育も受けていません。アラビア語を母国語とするシリア人の子どもたちにとって、トルコの公立学校にて突然トルコ語で勉強を教わることは難しく、特に農村部の村々ではシリア人のために特別な授業を開校する学校はありません。
子どもたちからは「勉強したいけれど、行かれる学校がない」、保護者からは「学校に行かせたいけれど、行かせられる学校自体がない。トルコの学校にお願いしたけれど、受け入れてもらえませんでした」という声が多く聞かれます。家庭訪問を通じ、私たちの活動地では村々に住むほぼすべての子どもたちが、避難後一切教育を受けてないことがわかりました。
長期にわたり不安な生活を送るなかで、学ぶ機会も発達する権利も奪われてしまった子どもたちに少しでも学びの場を提供しようと、私たちは国境付近の遠隔地の村にてテント教室を運営してきました。
生徒のほとんどが、数年間にわたり学校に行く機会を失った子どもたちや、学校に行った経験のない子どもたちです。これまで、フォローアップを中心とし、戦争前に教師をしていた同じくシリア難民の女性を教師として、アラビア語、英語、算数、理科のクラスを少しずつ始めてきました。
以前は特にすることもなく、家事の手伝いなどをして日々を過ごしていた無表情の子どもたちが、教室が始まり活発になり、笑顔がみられるようになりました。勉強を通じて得られた達成感が、子どもたちの希望に繋がっています。
最低限の発達を守るため
私たちは、未だほんの小さな団体です。これまでの活動で、決して多くの子どもたちに充分な支援を届けられることはできませんでした。活動を続けるなかでも、より多くの子どもたちに、少なくとも最低限の心身の発達を保護することが求められていることを強く感じてきました。
教育だけでなく、子どもたちの身体の健康を支える保健衛生活動や食糧配給が緊急に必要な状況です。活動地では子どもに特化して活動している支援団体がほとんどないため、私たちが率先して急務に対応することが求められています。
〈主な活動内容〉
当団体で運営中また新設するテント教室に通う子ども80名を対象として、以下の活動を実施します。
1.ノンフォーマル教育クラス
・子どもの学力に適したクラス編成によるアラビア語、英語、算数、理科の授業の実施
2.食糧配布
・一般的な食糧配布では支給されにくい、子どもの発達に必要な栄養補助食品
(タンパク質を含む缶詰や栄養ビスケットなど)の配布
3.保健衛生活動
・月に1回の健康診断、保護者へのアドバイス
・衛生品(歯磨き、歯ブラシ、石鹸、シャンプーなど)の配布
〈期待される効果〉
1.ノンフォーマル教育クラス
- シリア人を対象とした学校の不足や、トルコの公立学校の受入れ不足により、避難後より教育を受ける機会のなかった子どもたちが、読み書き・計算の授業を受けることができます。
- クラスに参加することにより、認知発達やソーシャルスキルの獲得を促進することができます。
2.食糧配布
- 慢性的食糧不足下において、子どもの成長に必要なビタミン、カルシウム、タンパク質などが含まれる良質な食品は購入・摂取されにくく、支援配給される食品も炭水化物や脂質に偏っています。栄養補助食品の配布により、特に幼児/児童期の心身発達に必要とされる栄養が摂取できます。
- 比較的高価な栄養補助食品の配布により、シリア人家庭の経済負担を軽減することができます。
3.保健衛生活動
- 定期的な身体健康チェックを受けることができない子どもたちの、成長を経過観察することができます。
- 衛生品の配布により、交通面や金銭面から医療機関へ受診することが困難な子どもたちの、感染症などへの罹患を予防することができます。
■シリア難民の子どもたちに心身の健康を届ける緊急支援(トルコ)
実施場所:トルコ共和国・シャンルウルファ県ハラン市郊外の村
実施期間:2017年1月~2017年12月
・プロジェクトの詳細はこちら
・プロジェクトの報告(中間・実績)
・ホープフル・タッチさまのその他の支援活動はこちらから
「フェリシモ 地球村の基金」より、世界をよりしあわせにするための8つの自立を支援するプロジェクトの応援投票を2016年11月2日から11月15日まで行います。
期間中、応援したいプロジェクトを選んで投票することで、そのプロジェクトを応援することができます。(投票の数は、各プロジェクトへの拠出金額の参考にさせていただきます)
➡ 応援投票は終了させていただきました。
みなさまから、たくさんの応援(投票)をいただきありがとうございました。
コメント
コメント
先行きの見えない争いは難民として生活をしなくてはいけない人を作り苦しい生活を課せられているのですね。
ただ嘆いているだけではなく手助けをされている方々には本当に頭が下がります。
子供達に明るい未来が来る事を心から願います。