ルワンダの教育を考える会の理事長をしている永遠瑠マリールイズです。
私は20年前、母国ルワンダで起きた内戦中、幼子3人を連れて約3ヵ月さまよい続けて、コンゴ国境近くのゴマキャンプに命からがらやっと逃れることができました。
その後、本当に多くの出会いがあり、私たち家族は日本に移り住むことになりますが、内戦中の悲惨な出来事の一つ一つが私に「ルワンダを平和な国にしなければならない」、「ルワンダの子どもたちに安心して暮らせる環境を作ってあげたい」という気持ちにかりたたせてきました。
そして、私は母国に学校を作る決意のもと、命の尊さや教育の大切さを伝える講演活動を行ってきました。2001年2教室が完成し60人の生徒と4名の教師でウムチョ・ムイーザ学園を開校しました。
学園校舎
その学校の運営も15年目を迎え、生徒も200名を超え、地道ながらも多くのご支援のお蔭で軌道に乗ってきました。
授業を熱心に聞き入る子ども
しかしながら、貧困のためにお昼を持ってこられない子どもたちがいます。粉末ジュースでお腹を満たす子もいます。近くに医療機関もなく、十分な治療を受けることもままなりません。そこで、本年度フェリシモ地球村の基金のご支援で、小学校にルワンダ初の健康診断を導入し、その結果、虫歯、皮膚病、そして心臓病の早期発見につながり、子どもたちへの健康診断の重要性が示される結果となりました。
健康診断の様子
さらに認定特定非営利活動法人AMDAの協力を得て、岡山県の助成金を受け、ルワンダの医師(カリオペ氏)を招へいし、日本国内の医療機関並びに保健行政機関において2か月間の研修を実施しました。児童と幼児の健康状態の改善と健康保持、増進を目指すために包括的な学校保健の取り組みを学びました。
今後は、日本で研修を積んだカリオペ氏を中心として健康診断を定着させ、この取り組みをモデルとして、多くの医療従事者を対象に子どもの健康に対する意識向上の啓発活動を実施し、ノウハウを伝えていくことでルワンダの多くの地域に広めていく活動を行っていきたいと考えています。
また、病気予防の観点から考えると、衛生問題の向上も不可欠であると考えています。断水も日常茶飯事に起こり、飲み水や食事に使う水、そして身体を清潔に保つために衛生的な水も確保が難しい状況です。そこで、雨水を貯めるタンクを導入することで、給食の調理用の水、トイレを流す水、そして手を洗う水を確保し、また日本にはどの学校にもいる保健の先生が学校に常駐することによって、けがや病気にいち早く対応し衛生状態を向上し、子どもたちの心と体のケアも実施したいと考えています。
食器洗いの風景
1994年に起きたあの大虐殺の中、生かされた私がルワンダの女性や子どもたちのために微力ながらも働きかけが出来ますこと、本当にありがたく、嬉しく感じています。ルワンダの子どもたちに継続的な温かいご支援をくださいますこと、心より感謝申し上げます。ルワンダの子どもたちの輝く未来のため、どうぞよろしくお願い申し上げます。最後に世界中の人々が安心して暮らしていけますよう、お祈り申し上げます。
〈主な活動内容〉
基金は下記2つの活動資金として使用します。
1.小学校での健康診断
本年度スタートさせた子どもたちの健康診断を、引き続き医師と看護師を小学校に派遣して行います。得られた栄養状態などのデータも蓄積します。国内の医療従事者に対して健康診断の重要性を伝えるワークショップも開催します。
2.小学校の衛生状態の向上
断水の時期も長く、水道から水が出ないことも多くあります。手が洗えない、トイレが流せないなど不衛生な点が多いため、乾季も衛生的な水が確保できるよう雨水貯水タンクを導入します。また、保健師も学校に常駐し、病気やけがへの対応と子どもたちの成長に合わせた保健体育の指導を行います。
〈期待される効果〉
このプログラムを実施することで、下記のような効果が得られます。
1.小学校での健康診断
子どもの健康管理をしっかりと行うことで、病気の早期発見、対処が出来るようになります。また、病院を紹介できる体制を整えているので重い病気の場合でも処置を施すことが出来ます。栄養状態などのデータも集計し、解析を行うので他の地域の医療従事者に対しても、健康診断の重要性を開示、理解してもらうことができます。
2.小学校の衛生状態の向上
衛生的な水を確保することで、皮膚病や下痢などの様々な病気を予防し、子どもたちの健康状態を向上させます。また、保健師が常駐することで、今までできていなかった怪我や病気に対して迅速な対応が出来るようになります。保健体育の指導も出来るようになり、子どもの成長に合わせた心と身体のケアができます。
■ルワンダ子供の健康プログラム
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・プロジェクトの報告(中間・実績)
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