「フェリシモ 地球村の基金」が今年支援したい8つの自立を支援するプロジェクト。
その中から、世界をよりしあわせにするためのプロジェクトの1つをみなさまにご紹介します。
ラオスでは、5歳未満の乳幼児の死亡率が高く、1000人中66人(WHO2016)の子どもたちが5歳の誕生日を迎える前に命を落としています。この割合は、世界の平均42.5人/1000人中を大きく上回っています。
世界の医療団は、このフェリシモ 地球村の基金のご支援を受けて、これまでラオス南部のチャンパサック県で、地域の子どもたちが下痢や肺炎といった、治療することができる病気で命を落とさないよう、また全ての子どもたちが適切な治療や健診を受けることができるよう、さまざまな取り組みを行ってきました。この小児医療プロジェクトは3ヵ年の事業を終了し、現在も地域保健局や村落健康普及ボランティアによる自主的な活動が継続されるまでに成果を上げました。
そして、私たちはチャンパサック県での小児医療プロジェクトを通じて得たノウハウや実績を活かし、2016年初頭から同ラオス国内で小児医療支援を必要とする地域についての調査を行い、新たに北部フアパン県のソン郡とフアムアン郡で小児医療プロジェクトを立ち上げることになりました。
フアパン県までは、ラオスの首都ビエンチャンから飛行機を乗り継ぎ陸路を経て、1日以上もかかるほど地理的なアクセスの困難な場所です。そのため、他国からの支援も入りづらく、さまざまな開発の遅れが見られるのです。世界の医療団は、日本から駐在スタッフを派遣して、地域が主体的に問題解決に取り組めるよう、地域の人々に寄り添った支援のための準備を進めています。
フアパン県は国内でも貧困率が高く、子どもたちの栄養状況の悪さも指摘されています。当然、栄養状態は病気への抵抗力や病気からの回復力に大きく影響します。また、両郡での調査の結果、地域の子どもたちが病気になったときに連れて行く、村の「ヘルスセンター」では、スタッフの数も小児医療技術も足りていないことが分かりました。
このソン郡とフアムアン郡はとりわけ貧困率が高いほか、村々が山岳地帯に散在していることから、住民たちの医療はただでさえスタッフが不足しているヘルスセンターなどからの往診に依存しています。したがい、村落で保健活動を担い、医療施設のスタッフをサポートする村落健康普及ボランティアへの期待が高まっているのです。
幸いなことに、この地域ではラオス政府の政策により、5歳未満の小児医療について、住民が窓口で医療費を支払うことなしに、無料で受けられる制度(医療費無償化制度)が導入されつつあります。※1
しかし、せっかく医療の無償化が進んでも、子どもが病気になったら連れて行くヘルスセンターで、患者のニーズに応えられるサービスが提供されなければ、保護者は安心できません。
遠く離れたヘルスセンターに行く前に、村人がすぐに相談できる村落健康普及ボランティアの存在と、遠く離れていても子どもの健康と安心のために足を運びたいと思えるヘルスセンターの存在が求められているのです。
村落健康普及ボランティアは、ヘルスセンタースタッフによる訪問診療をサポートしたり、現在はヘルスセンターが行っている村落保健活動の一部を担ったりすることが期待されています。
私たち世界の医療団は、ここフアパン県でも、3ヵ年の計画で、住んでいる場所や貧富の差に関係なく、適切な健康診断や治療を受けられることを目指して、次のような骨子でプロジェクトを進めます!
①医療施設スタッフの小児医療診療技術の向上
支援地域の小児医療の質の底上げを行うため、両郡の医療従事者向けに様々な研修を実施し、研修後の技術監修を行います。
②村落健康普及ボランティアの養成支援
村の住民たちへ保健衛生や栄養管理などの正しい情報を普及させ、村人たちの相談にのることができる村落健康普及ボランティアの活動をサポートします。
※1.現在は入院治療費のみがカバーされていますが、将来的には外来の医療費も無償化されることが期待されます。
〈主な活動内容〉
フェリシモ 地球村の基金を通じてお寄せいただくご支援は、村落健康普及ボランティアが、ヘルスセンターに代わり村落レベルで子どもたちの成長を見守るために必要な備品の購入に役立てたいと考えています。
ソン郡とフアムアン郡には100以上の村落があります。
それぞれの村で、健康教育を行い、保健活動を担う村落健康普及ボランティアの活動は、子どもの保護者が保健や栄養改善などについて、正しい知識を身につけ、診察や健診を受ける習慣を根付かせるためには欠かせない役割を果たします。テレビやインターネットが普及していない地域では、村落健康普及ボランティアが行う健康教育は住民が唯一健康についての情報を得ることのできるとても大切な機会であり活動なのです。
健康教育に必要な備品や機器:体温計・体重計・身長計・
MUAC(上腕で栄養失調状態を判別するテープメジャー)
配布対象:対象地域約100村に各1セットずつ配布をします
〈期待される効果〉
プロジェクトの最終的な目標は、支援対象地域が、将来的に地域による主体的で持続可能な小児医療や健康普及活動が継続していくことで、5歳未満の子どもたちの健康が守られ、未然に防げる、もしくは治療可能な病気により命を落とすことを防ぐことです。
そのためには、医者や保健師といった医療従事者の育成を行うことはもちろんですが、住民たちが自ら健康保健に関する正しい知識を身につけ、定期的に子どもたちに健診を受けさせたり、栄養バランスの取れた食事を食べさせたりすることの重要性を理解していくことが大切です。その礎となるのが、村落健康普及ボランティアの活動です。
どうか、フェリシモ 地球村基金を通して、ラオスの未来を支える子どもたちの健康を守る活動を応援してください!
■ラオスの子どもに健康を~村の健康普及ボランティアの活動支援~
実施場所:ラオス共和国 フアパン県 ソン郡及びフアムアン郡
実施期間:2017年1月~12月
・プロジェクトの詳細はこちら
・プロジェクトの報告(中間・実績)
・世界の医療団さまのその他の支援活動はこちらから
「フェリシモ 地球村の基金」より、世界をよりしあわせにするための8つの自立を支援するプロジェクトの応援投票を2016年11月2日から11月15日まで行います。
期間中、応援したいプロジェクトを選んで投票することで、そのプロジェクトを応援することができます。(投票の数は、各プロジェクトへの拠出金額の参考にさせていただきます)
➡ 応援投票は終了させていただきました。
みなさまから、たくさんの応援(投票)をいただきありがとうございました。
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