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みんなでプロジェクトを応援!「路上の子どもの夢を応援する「子どもの家」設立プロジェクト!」(認定NPO法人アジア日本相互交流センター・ICAN)

 はじめまして、認定NPO法人アジア日本相互交流センター・ICAN(アイキャン)の事務局長の井川です。私たちアイキャンは、1994年より約20年間フィリピンで活動し、現在フィリピン国内6つの事務所を中心に、約50名の職員が子どもたちの「危機的状況」を改善するために活動しています。

 都市化が進むフィリピンでは、今急激に路上の子どもたちが増えています。家庭内暴力や育児放棄、経済的ひっ迫などにより路上に押し出された25万人以上にものぼる子どもたちは、劣悪な環境で生活し、学校に行けずに路上で働かなければならないだけでなく、様々な暴力にさらされます。寝ている間に灯油をかけられ、火をつけられた子、殺され、ごみ袋に入れられて捨てられた子、売春を強要された子……。路上の子どもたちの経験には、想像を絶するものがあります。こうした経験を重ねた子どもたちは、トラウマや人間不信に陥ったり、つらいことや空腹感を忘れるために、シンナーなどの薬物に手を伸ばしたりしてしまいます。

 これらの状況に対して、私たちアイキャンは、毎年約200名の子どもたちが自ら麻薬やシンナーを止め、学校に戻る必要性に気づくことを促す活動「路上教育」を行い、その後、「奨学金の提供」や「施設の紹介」を行ってきました。しかし、今、マニラの保護施設は、増え続ける子どもたちに対して、飽和状態にあります。子どもが施設に入ることを希望しても、半年から1年の間待たされることも多く、その間に誘惑の多い路上に心が再び移り、ギャングの一員に戻ってしまう悲しいケースも増えています。

 そこで、本プロジェクトでは、マニラの路上の子どもたちが自分の夢に向かって新しく生きていくことを決断したときに、すぐに受け入れることのできる保護施設「子どもの家」を設立したいと考えています。この施設で、子どもたちは、愛情を注がれ、生活に必要な衣食住を満たされ、落ち着いた環境の中で暮らしながら、通学することができます。そして、いずれ卒業し、就職して晴れて社会に出ていき、自分たちの夢を叶えることができるようになります。

 この施設「子どもの家」の子ども・若者たちは、訓練を受けた後、休みの日に今路上にいる子どもたちへの活動に参加します。同じ路上の経験を持った子ども・若者が、路上の子どもたちに語るとき、「路上から夢をもって出ていこう!」と大きな説得力を持って、子どもの心へ働きかけることができます。

こうして「路上から施設へ!」「施設で勉強して卒業へ!」「卒業して就職へ!」と一つひとつのステップをクリアにした子どもたちは、「いつか自分の親やきょうだいたちの助けになる!」という夢を、現実のものとする力を持つことができるようになります。

路上の子どもの声

(アイキャンの活動に参加するアリエール君・17歳・男の子)※仮名
9歳の時、僕は父親の暴力から逃げるために、マニラにやってきました。それから、半年でタバコとお酒を覚え、ギャングの一員になりました。飢えをしのぐために、仲間たちと盗みをし、シンナーや麻薬も始めました。盗みで捕まって、大勢の人に殴られたことや、ギャングの抗争でナイフで刺され、ひどい傷を負ったこともあり、気が付くと、一人路上に残されていたのを覚えています。高熱が出てきて、僕はこのまま死んでいくのだと思いました。誰一人として助けてくれる人がいない自分が本当にみじめでした。当時僕が路上で考えていたことは2つだけ。何を食べようか、どこで寝ようか。ただそれだけでした。

 

2013ICAN_S2.jpg(アイキャンの路上教育:「夢」と「現実」を絵で表し、夢を達成する
ためには、何をすべきかを考え続けます)           

2013ICAN_S3.jpg

(同じ境遇にある子どもたちが、「夢」や「悩み」を語り合い、ともに路上から出て
いく。しかし、路上から出ていきたくても、施設は常に飽和状態となっています)

 

支援の効果

●短期効果
路上の子どもたち約20人が、保護施設「子どもの家」において、常時、適切な環境で養育され、身体的にも精神的にも健康となり、通学をすることができます(※初年度は20人から開始し、徐々に増加していく予定です)。 「子どもの家」で生活する元路上の子どもたちによる路上教育により、より多くの路上の子どもたちが、路上から出て施設へと移り、復学することを希望するようになります。 

●中期効果
「子どもの家」の子どもたちが復学し、卒業して就職を果たすことができるようになります。

●長期効果
就職して安定した収入を得ることで、親やきょうだいを助けたいという子どもたちの夢を叶えることができます。 元路上の子どもたちが、「子どもの家」での生活を経て、社会に出ることにより、現在の路上の子どもたちの模範となり、彼、彼女らに希望を与えることができます。

2013ICAN_S4.jpg(機会さえ与えられれば、子どもたちは大きく変わることができます)

 私たちアイキャンは、路上の子どもたちの生活や教育環境を改善すべく、路上の子ども一人ひとりに寄り添いながら活動をしてきました。これまでの活動で、多くの子どもたちが、シンナーを止めて、通学を希望しています。私たちは、「子どもの家」を作ることで、今この瞬間に命の危険に晒されている路上の子どもたちの命を守りたいと考えています。

 路上の子どもたちは多くの夢を持っています。先生になる夢、バスケットボール選手になる夢、そして一番多いのは、路上から抜け出て、勉強し、収入を得て、いつか、親孝行をしたいという夢です。過酷な状況の中でも夢を持ち、それを叶えようと懸命に生きる「路上の子どもたち」をぜひ応援してください。

 

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