世界的に流行している新型コロナウィルス。ウガンダ北部の南スーダン難民居住区や最貧困層に対して、「フェリシモ 地球村の基金」より緊急支援を実施いたします。
はじめまして、テラ・ルネッサンスの小川です。
私たちが活動しているウガンダでも新型コロナウィルスの感染者が確認され、その数は増加しています。同国は、人口あたりの医師の数が日本の20分の1、病床数は27分の1、ICUベッド数は56分の1と、医療体制が極めて脆弱で、同国での感染拡大は甚大な被害をもたらすことが懸念されています。
活動地域であるウガンダ北部の難民や最貧困層の多くは、新型コロナウィルスに対する感染予防の知識も乏しく、予防のために必要な物資を購入する経済的余裕もない状態にあります。特に難民居住区などでは衛生環境が悪く、人口が密集している場所での感染拡大は取り返しのつかない事態を招くことになります。
こうした背景を踏まえて、同プロジェクトでは感染拡大を防ぐために、手洗い方法の啓発や、手洗い設備の設置、石けんなどの衛生用品の供与、ソーシャルディスタンスの重要性や、3密を避けることの必要性などの啓発をしていきます。
現在、ウガンダには、世界で3番目に多くの難民(140万人)が居住していて、そのほとんど(約90万人)がプロジェクトの対象地域であるウガンダ北部に滞在しています。同地域は過去の紛争の影響を最も受けている場所のため、他の地域と比べると経済的に非常に脆弱な状況にあります。
そのため、ロックダウン下では多くの方々が収入の機会を奪われ、食料や生活必需品を手に入れることが困難な状況になりました。公共交通機関などが全て停止すると、移動の自由や経済活動は大幅に制限され、既存の感染症や予防治療が可能な下痢などの病気を患っても(特に乳幼児)病院に連れて行くことができずに死亡するというケースも増えています。
こうした状況を鑑みて、感染予防の活動とともに、基本的なニーズをみたすことが困難になっている難民や最貧困層の方々に対して、生活物資の緊急支援や就業の機会を与えて、生計を向上するための支援活動を行なっていきます。
〈支援内容〉
(1)新型コロナウィルス感染予防活動
難民居住区において、石けんなどの衛生用品の提供や、居住区内の市場やトイレ、店舗などに共有の手洗い設備などを設置していきます。特に高齢者がいる難民の世帯を優先し、各世帯に簡易手洗い設備の設置を行なっていきます。それと同時に、手洗いの方法や新型コロナウィルスの予防を啓発するためのポスターの掲示、チラシの配布、街宣車を使用するなどをして対象地域全土での活動を行っていきます。
(2)最脆弱層への生計支援活動
ロックダウン下で仕事や収入を無くし、生活の糧を失っている難民や最脆弱層の方々に対して、食料などの生活物資の支援を行なっていきます。また、布マスクを製造するなどの簡易仕事を提供することで最脆弱層の方が収入を得られるようにサポートをしていきます。
〈期待される効果〉
- 約3万5千人が暮らすパギリニア難民居住区や対象地域の最貧困層の方々が、ソーシャルディスタンスを取ることや、3密を避けることの重要性を理解して、新型コロナウィルスの感染リスクを低減するとともに、難民居住区で暮らす方々が、日常的に石けんを使って正しい手洗いができる環境を作ることを目指します。
- 特に重症化リスクの高い高齢者がいる約500世帯には、手洗い設備を提供することで、高齢者の感染予防を目指します。
- ロックダウン下において、生活の糧を失ってしまった難民や最脆弱層の方々約500名には、生活支援物資を提供することで最低限の生活を維持することができます。
- 約100名の方々に仕事(マスク生産)を提供し、就業の機会を作ることで、ロックダウン下においても自立した生活ができます。
■ウガンダ北部における新型コロナウィルス対策支援事業
実施場所:ウガンダ共和国 グル県およびアジュマニ県
(パギリニア難民居住区)
実施期間:2020年4月1日~2021年3月31日(1年間)
協力団体:大阪大学、関西学院大学、西宮市社会福祉協議会
・プロジェクトの詳細はこちら
・プロジェクトの活動報告はこちら(中間報告・実績報告)
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★現地での活動レポートが届きましたら、みなさまにご報告させていただきます。
⇒テラ・ルネッサンスさまから活動報告(中間・実績)が届きました!
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