はじめまして。Chin Nge(チング・ウェ)村のThan Myint Swe(タン・ミン・スウェ)です。
私たちの村は、ミャンマーの中央乾燥地・パコク郡の丘陵地にあります。この地域はとても乾燥した気候なのですが、雨に頼った農業しかできず作物の収量は不十分かつ不安定で、ミャンマーの中でもとても貧しい地域と言われています。
(タン・ミン・スウェさんが住む中央乾燥地の様子。やせた畑地に暑い日差しが照りつける)
私たちの村は町からも遠く、一番近い診療所まで歩いて1時間かかります。車などの移動手段がないので、道の状態が悪い私たちの村から診療所へ出かけるのは大変です。そのため、診療所から助産師さんが月に一回村に来てくれ、子どもや妊産婦への健診や予防接種をしてくれます。
2012年からは、AMDA社会開発機構と一緒に、私たち自身が「健康な村」を実現する活動を始めました。村人24人で「健康村委員会」をつくり、委員会メンバーで集まって村に多い病気やけがへの処置を勉強して村人に伝えたり、村人みんなで村内を清掃したりしています。また、全世帯が少しずつお金を出し、急病人を病院へ運ぶ時や治療にかかる費用を担保も利子もなく借りられる健康村基金を設けました。
(健康な村づくりのため、ゴミや草むしりをして環境をきれいにするChin Nge村の人たち。
子どもたちもお手伝い。)
そんな私たちが今、次の目標として取り組んでいるのがコミュニティセンターの建設です。私たちの村には、村人みんなが集まれるコミュニティセンターのような施設がないことから、子どもや妊産婦への健診や予防接種、村の会合などを屋外や個人宅で行っています。そうした環境では、プライバシーが気になって心配ごとが話しづらいですし、衛生面も気になります。屋外での診療の時には日差しもきつく、雨のために保健教育や会合が中止になることもあります。
もしコミュニティセンターがあれば、健診も予防接種も、今よりずっと安心して行えますし、子どもや村人を集め、手洗いの大切さや病気の予防方法といった保健教育をすることもできます。また、農業や畜産についての研修を開くことも考えていて、近くの村にも声をかけて、皆で一緒に生活をよくしていきたいと思っています。村の自警団や女性組合の会合や、お祭りでも活用できます。コミュニティセンターは、村内でいちばん便利のよい中心部に建てるので、村人みんなが集まりやすい憩いの場になることを期待しています。
(屋外でおこなわれている、Chin Nge村での保健教育。子どもたちに手洗いの大切さを教えています)
コミュニティセンター建設には、5,000,000チャット(約50万円)が必要です。これまで村内の全63世帯がお金を出しあい、252,000チャット(約25,000円、この地域の平均日当は約1,200チャット≒120円)を集めました。ほとんどの家庭が貧しく余裕がないため、これだけの額を集めるため4回集金に出かけました。この額ではコミュニティセンターの建築にはまだまだ足りませんが、村の全世帯が少しずつでも貢献していることを、私はとても誇りに思っています。念願のコミュニティセンターができたら、維持管理もしっかりと行っていきます。私たちの夢をかなえるため、ぜひみなさんの力を貸してください! どうぞよろしくお願いします。
(ほかの村がAMDA社会開発機構のプロジェクトで造ったコミュニティセンター。
Chin Nge村でも同様のセンターの建設を)
■みなさまへのメッセージ
ミャンマー中部にあるChing Nge村、Sit Pin村、Oo Yin Su村はいずれも医療機関から遠く離れており、月に1回、助産師さんが巡回診療にやってきます。しかし、どの村にも皆が集まるための場所がなく、妊婦さんや子どもたちへの健診や予防接種は屋外や村人の家で行っています。コミュニティセンターがあれば、天気の影響やプライバシーを気にせず健診や予防接種を受けられるようになり、村の会合などにも利用できます。
村の人たちは、コミュニティセンター建設という大きな夢の実現に向け、自分たちで少しずつお金を集めてがんばっていますが、建設に必要な額にはまだまだ届きません。3村の村人たちに、ぜひ力を貸してください!
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