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地球村の基金活動報告ー戦火を逃れた避難民が地元住民と力を合わせて井戸を修理できるように!(認定NPO法人日本国際ボランティアセンター)

2014年に「地球村の基金」で支援をしているプロジェクト「戦火を逃れた避難民が地元住民と力を合わせて井戸を修理できるように!」の活動レポートを日本国際ボランティアセンターさまからいただきましたのでみなさまにご報告します。

〈プロジェクトの実績報告〉

長引く紛争のため避難生活を送る人々が、地域の人々と協力して自分たちで井戸の点検や修理を行い、清潔な水を飲み続けられるようになることがこのプロジェクトの目的です。

●技術研修と工具の配布 (10~11月)
プロジェクトの対象である5つの地区から男女半々の20人を選んでもらい、井戸の点検修理のための技術研修を行いました。この20人には、各地区の「修理係」として工具が配布されました。

●音楽と寸劇で井戸の保守点検の大切さを伝える(1~2月)
次に、この5つの地区で、井戸の保守点検の大切さや、修理は住民が自分たちで費用を積み立てて行わなければいけないことを伝えるイベントを実施しました。音楽と寸劇を交えたこのイベントには、地区ごとに100~200人もの人々が集まりました。

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(寸劇を見に集まった人々)

●井戸管理委員会による積立金集め (2~4月)
各地区には地域住民のほかに避難民が住んでいますが、多くの地域で合同の井戸管理委員会が結成され、修理費用の積立金集めが始まりました。しかし集金作業に不慣れなため、集金簿を作らずに「誰が払ったか」が分からなくなってしまうといった問題もありました。私たちは各地区を巡回して集金簿の付け方などをアドバイスしました。2か月ほどで、地区ごとに日本円に換算して1万円以上の積立金が集まりました。1~2回の修理費用としては十分な金額です。

●住民 (地域住民と避難民) の手による井戸の修理 (2~4月)
井戸の故障に気づいた住民はすぐ井戸管理委員会に報告し、修理係が工具を使って故障個所を点検します。そして積立金を使って交換部品を購入、住民が力を合わせて修理を行っています。既に8本の井戸が住民の手によって修理され、清潔な水を供給し続けています。

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(住民の手による補修)

〈現地の様子・現地の声〉

●今も続く紛争と避難民
この地域で武力紛争が始まって4年近くになります。戦火を逃れて町に避難してきた何万人もの人々は今も故郷に帰ることはできず、地域住民の居住地の周りに「避難民村」を作り、自分たちで建てた小屋に住んでいます。生活用水は、地域住民の井戸を共同利用するほか、援助団体が建設した新しい井戸を利用しています。しかし、これまでは故障すると長期間に渡って修理されないことも少なくありませんでした。

●寸劇を見た住民の声
「井戸が壊れた時に修理するために、毎月みんなが少しずつお金を払わなくてはいけないことがよく分かりました。今すぐに払います」
(同様の声が多く、イベント会場では何人もが積立金を支払っていました)

●井戸管理委員会による修理についての住民の声
「井戸が壊れたことを伝えたら、ほんの数日で修理されました。これまでは、故障のたびに 『修理費用がない』 『町から技師を呼んだら高くつく』 ともめるのが普通でした」
「これまでは井戸が故障したら、川底を掘って水を汲んでいました。今はいつでもきれいな井戸の水が飲めます」

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●井戸の水を使った野菜作り
避難民の主な収入源は炭焼きや薪拾いですが、井戸の水を利用して野菜栽培を始めた人もいます。
「オクラやルッコラを育てて週に2回は市場で売っていますが、薪拾いよりもずっと良い収入になります。収入は毎日の買い物のほか、子どもの学費や学校での昼食代にも使っています」

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みなさまのご支援で、このプロジェクトを実施することができました。ありがとうございました。

現地では、これまでに国連をはじめ援助団体が井戸掘削や改修などの支援を行ってきましたが、長期間にわたって清潔で安全な水を確保するためには、住民が自分たちで井戸を維持運営しなくてはなりません。今回のプロジェクトでは、対象となった地区でそのための基礎を作ることができました。

また、「よそ者」 あるいは 「邪魔者」 扱いされがちな避難民が、地域住民と一緒に井戸運営委員会を結成し、協力して井戸の修理をするようになったのも、このプロジェクトの成果です。両者の信頼関係を作るきっかけになりました。
今後とも、ご支援をよろしくお願いいたします。

(日本国際ボランティアセンター 佐伯 美苗さまより)

■戦火を逃れた避難民が地元住民と力を合わせて井戸を修理できるように!
・プロジェクトの詳細はこちら
・プロジェクトの報告(実績

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