2023年の秋口、アコソンボダムが危険水位に達したために計画放水を行った結果、ガーナ国内の一部の地域で洪水被害が起こりました。洪水によって、農業や漁業を生業とする人々は収入源を失いました。先の見えない不安な日々を抱えて暮らしている住民の方々が暮らしをつないでいくための新たな技術を獲得するために、「フェリシモ 地球村の基金」より緊急支援を行いました。
* * *
CLOUDYによる支援活動について
NPO法人CLOUDYの末綱です。
2022年に「フェリシモ 地球村の基金」より、「耕すのは、子どもたちの未来」ガーナ食農教育のプロジェクトでご支援をいただいておりました。みなさまからのご支援のおかげで、学校の畑での収穫も大豊作となり、自分たちが育てた野菜の収穫を楽しむ子どもたちの笑顔、そしてその野菜を取り入れた栄養満点の給食をほおばる子どもたちの笑顔があふれていました。
そんな矢先の2023年秋口に、ガーナ国内の一部地域で広域の洪水被害が起こってしまいました。そもそもの原因は世界中を脅かす気候変動がもたらした異例の降水量でした。
世界最大の人造湖・ヴォルタ湖を形成するアコソンボダムが危険水位にまで達してしまい、政府はダムの決壊を回避するため、計画放水を実施せざるを得ない状況に追い込まれてしまいました。しかしその計画放水の結果もたらされた洪水によって、多くの人々が家を失い、家財道具や生計の手段をも瞬時に失ってしまったのです。
洪水被害は私たちが食農教育プロジェクトを実施していた地域にもおよび、食農教育のための学校の畑だけでなく、そのコミュニティ全体のおよそ8割の畑が水没してしまいました。湖は悪臭を放ち、漁に出ても生きた魚を獲ることは不可能に近い状況でした。住民のほとんどが農業や漁業を生業にしていたことから、コミュニティ全体が収入源を失ってしまったのです。
被災からおよそ半年がたつと、洪水によって水没した畑の水位は下がってきたものの、農業・漁業の再開にはほど遠く、またガーナ政府からの支援もまだ行き届いていない状況でした。そのような状況の中、コミュニティの人々はわずかな備蓄や残された畑の収穫物をみんなで分け合いながら暮らしを繋いできましたが、それもすでに限界をむかえていました。
彼らは「1日も早く本来の生業である農業・漁業を再開したい」という想いを抱きつつも、彼らの切なる願いは、今日の暮らしを繋いでいくための収入を得ることなので、コミュニティとしての収入源を確保する必要があります。
私たちはコミュニティの人々と話し合いを重ね、打開策を検討してきた結果、現地の日々の暮らしに密着したせっけんなどの日用品やヨーグルト、ミートパイやドーナツなどの軽食作りのワークショップをコミュニティ全体で行うことで日々の暮らしを支え、収入を得る取り組みを始めることにしました。
ワークショップの参加者はノートをとりながら意欲的な姿勢で技術の習得に励み、商品作りの練習に取り組んでいます。そして1日でも早く商品の販売が始められるための準備を進めています。周辺のコミュニティからも同様の支援を実施してほしいとの声もあったことから、洪水による被災で先の見通しが立たない人々への緊急支援を実施していきたいと考えています。
■支援活動内容
私たちは日々の収入を得るための就業支援として、第一弾のワークショップをアブイ・チタ村で実施しましたが、同様の支援を必要としている周辺のコミュニティの人々への緊急支援を実施するためにお力添えをいただきたいと考えています。
アブイ・チタ村周辺のコミュニティの人々を対象にした技術を学ぶためのワークショップを「フェリシモ 地球村の基金」を活用して、導入のために必要な準備資金を提供していきます。
ワークショップは第一弾と同様の固形せっけんや液体せっけん作り、日々の生活にかかせないヨーグルト作りなどに取り組んでまいります。これらを選んだ背景には、ガーナ国内で身近な日用品で、安価であるがゆえに流通しやすく、その製法も比較的簡単ですぐに始められ、日々の暮らしを繋いでいくために着手しやすいからです。
■期待される効果
コミュニティの人々は洪水被害を受けてとても落胆し、食べる物も充分に確保できず困窮した日々を送っています。しかし、コミュニティに残された食糧や水没を免れた限られた畑で収穫できたものを分け合い、助け合いながら前を向いて生きています。彼らは洪水の水位が下がったことでできた僅かな場所にキャッサバを植えて、1日でも早く自立した生活を取り戻すことを目指しています。
そんな彼らに物資ありきの支援ではなく、彼らが自分たち自身の力で生き抜いていくための協力支援を行っていきたいと考えています。
新しい仕事を始めるための技術指導としてのワークショップの開催や、事業を始めるにあたっての必要資材の提供といった一時的な支援が必要になりますが、グループに分かれてワークショップを行うことで、1世帯当たりの支援額も低減することができます。
またワークショップの開始後は、同じグループ内で助け合いながら進めていくことができるので、外部からの継続的な支援をあてにせず、自分たちの力で歩んでいくことにも繋がります。
洪水被災からの復興のめどがいまだに立っていない現状において、今日一日を生き抜いていくために必要な緊急措置として、本プロジェクトを応援くださいますようお願いします。
■洪水に奪われた生業を取り戻すための緊急支援プロジェクト
実施場所:ガーナ共和国・ヴォルタ州アブイ・チタ村周辺地域
実施期間:2024年4月~2025年3月頃まで
・プロジェクトの報告はこちら(中間)
・CLOUDYさまの支援活動の最新詳細はこちら
★「フェリシモ 地球村の基金」の申し込みは こちら>>>
★Tポイントで1ポイントからの寄付、クレジットカードからの寄付もできる
Yahoo!ネット募金「フェリシモ 地球村の基金」の募金ページは こちら>>>
コメント