2023年に「フェリシモ 地球村の基金」から支援を行ったプロジェクト「スーダン戦闘下の今だからこそ守りたい、子どもの教育機会!」の活動レポートを、「認定NPO法人 日本国際ボランティアセンター」さまよりいただきましたので、みなさまにご報告します。
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〈プロジェクトの中間報告〉
2023年4月に国軍と即応支援部隊(RSF)の軍事衝突が勃発し、現在も衝突は続いています。度重なる避難や物価の高騰、食糧不足などによって人々は人道危機に直面しています。
日本国際ボランティアセンター(以下、JVC)の活動地であるスーダンの南コルドファン州カドグリ郡を含む紛争の影響を受けた地域では、教員への給与の未払いや、校舎を避難民の避難場所に使用されているなどの理由から、いまだに正規校での新学期は開始されていません。そのため多くの子どもたちは教育へのアクセスができていません。
そこでJVCは、就学機会を失った児童約1,700名を対象に、6地域で補習校の運営をしています。補習校ではアラビア語、算数、英語、宗教の基礎科目授業に、スポーツや歌などのレクリエーションの時間を設けて、安心して児童が学べる居場所づくりをしています。
授業のある日は各地域の保護者グループが水汲みや掃除を行い、補習校を運営するためのサポートを行っています。また教員は毎月実施している定例会議で、成功体験や課題などを話し合い、よりよい補習校を運営するために手を尽くしています。
各校舎に黒板やマットなどの備品を設置し、児童には授業に必要な教材を配布することで、児童が学ぶための環境を整えています。今後はソーシャルワーカーによる心理サポートや、保護者を対象にした教育の重要性についての啓発活動を行い、各地域に若者グループを組織して、地域住民や行政と連携を取りながら、地域全体で持続的な教育を後押しするための基盤づくりを進めていきます。
〈現地の様子・現地の声〉
補習校に通う9歳のアルサーディクさんは、「補習校に通う前は読み書きができませんでしたが、毎日一生懸命に勉強をしてアラビア語の読み書きと算数ができるようになりました。井戸で水汲みをしながら家族を支え、兄に対しても敬意を持って接するようになりました。大学を卒業するまで勉強を続けて、将来は先生になりたいです」と話しました。
子どもが補習校に通っている保護者からは、「私の娘は補習校に通うようになってから、勉強だけでなくからだも清潔にするようになりました。また補習校にも時間通り行くようになって、児童の集まりにも自分からすすんで出席するようになりました。教育は子どもたちだけではなく、地域社会にとっても非常に重要です。これからも私たちは子どもたちが教育を受けられるように協力をしていきます。日本のみなさま、ご支援ありがとうございます」といった声が聞かれました。
家庭の経済的理由や正規校が始まっていないことで就学機会を失った児童は、家計のために市場で働き、家畜の世話や兄弟の面倒をみながら過ごすなど、教育を後回しにしていました。このたびのJVCの支援活動を通じて、保護者にとっても時間通りに子どもを補習校に送り出すなど、教育への理解と協力の輪が広がっています。
〈支援者のみなさまへ〉
いつも温かいご支援をありがとうございます!
みなさまからのご支援で就学機会を失った児童たちに、教育支援を実施することができています。
児童たちは紛争による空爆や爆撃、度重なる避難によって精神的にも大きなストレスを受けています。補習校の活動はそういった児童が友だちと一緒に勉強をして、精神的にも身体的にも保護され、安心して過ごせる居場所の提供をしています。
いまだに紛争が続くスーダンでは、残念ながら停戦の目処は立っていません。このようなきびしい状況下に、将来の希望を持ちながら前向きにがんばっているスーダンの人々を今後も支えていきます。引き続きご支援、応援いただけますと幸いです。
■スーダン戦闘下の今だからこそ守りたい、子どもの教育機会!
実施場所:スーダン共和国南コルドファン州カドグリ郡
実施期間:2024年1月~2024年12月
・プロジェクトの詳細はこちら
・日本国際ボランティアセンターさまのその他の支援活動はこちらから
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