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地球村の基金活動報告ー「支援が届かないシリアの国内避難民の子ども達に教育を届けたい!」(特定非営利活動法人 Piece of Syria)

2022年に「フェリシモ 地球村の基金」から支援を行ったプロジェクト「支援が届かないシリアの国内避難民の子ども達に教育を届けたい!」の活動レポートを、「特定非営利活動法人 Piece of Syria(ピースオブシリア)」さまよりいただきましたので、みなさまにご報告します。

*   *   *

2023年3月に実施された卒園式の様子

〈プロジェクトの中間報告〉

私たちはシリア・アラブ共和国アレッポ県の避難民が集まる地域で、SAKURA幼稚園の運営をしています。公共サービスも届かないこの地域では、無給で働く先生がいたり、教育の質も低下していました。

そこで私たちは、先生たちの給与を継続的に支払うことで、先生たちが「今日の家族の晩ご飯をどうしよう?」と考えるのではなく、「よりよいクラスにするために、明日はどうしよう?」と考えられる環境づくりをすることにしました。

教育の質も高く、無料で通えるSAKURA幼稚園は、地域での評価も高いためにいつも定員を超える入園希望者で殺到しています。経済的にきびしい家庭の子どもたちを受け入れるようにしていますが、定員を超えた子どもたちは残念ながら断らざるを得ません。

昨年は定員を100人から200人に増やし、また今年の4月からは、300人の園児を受け入れることにしました。

配布された通園バッグと筆記用具を手にした、4月入園の子どもたち

ところが、2023年2月6日に活動地のシリア北部を大地震が襲いました。幸い幼稚園に被害はなかったものの、1ヵ月ほど休園をすることになりました。現在はうれしそうに幼稚園に通う子どもたちの姿を見ることができます。

配布された筆記用具を見ている子ども

〈現地の様子・現地の声〉

子どもたちに「幼稚園は楽しい?」と尋ねると、「楽しいよ、友だちと遊べるから!」と笑顔で答えてくれました。

普通の会話のように聞こえますが、「戦争下ではそんな当たり前のことがむずかしい。だからこれは大きな成果なんだ」と現地スタッフは話しました。

まだ戦争が終わっていないこの地域の保護者は、子どもたちだけで外で遊ばせることはありません。これまで家から出る習慣がなかった子どもたちは、最初は幼稚園に行くのを嫌がっていました。

しかし、先生たちが幼稚園の飾り付けや授業に工夫などをすると、幼稚園は楽しく安全な場所だと感じられるようになっていきました。地震の後に怯えている保護者に子どもが、「ねぇ、幼稚園に行こうよ。安全だから!」と話していたほどです。

また、地震の10日後には、心のケアを目的としたアクティビティを実施しました。地震によって不安な気持ちで一杯の保護者も、元気に遊ぶ子どもたちの姿に、涙を流して喜んでいました。私たちは園児だけでなく保護者も対象にした、心のケアのアクティビティの準備をしています。

地震後に心のケアとして実施したアクティビティ

〈支援者のみなさまへ〉

戦争前の2011年までのシリアは、就学率が99.6%もある教育レベルの高い国でした。しかし、長引く戦争によって、1/3の子どもたちが学校に行くことができていません。

「子どもたちは未来だから」と教育を求める声に応えて、私たちはこれまで2,600人の子どもたちに教育を届けてきました。12年も続く戦争に加えて、トルコ・シリア地震で不安を感じている中で、幼稚園に通い笑顔になる子どもたちの姿は、この地域の大人たちにとっても大きな希望になっています。みなさまからこのような希望も一緒に届けてくださり、本当にありがとうございます。

(特定非営利活動法人 Piece of Syria 中野さまより)

■支援が届かないシリアの国内避難民の子ども達に教育を届けたい!
実施場所:シリア・アラブ共和国アレッポ県
実施期間:2023年1月~2023年12月
・プロジェクトの詳細はこちら
・プロジェクトの報告はこちら(実績
・Piece of Syriaさまのその他の支援活動はこちらから

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