2021年8月14日、ハイチ大地震で被災した人たちに対して、「フェリシモ 地球村の基金」より緊急支援を実施しました。現地での活動のレポートが届きましたので、みなさまにご紹介させていただきます。
〈プロジェクトの実績報告〉
ピースウィンズ・ジャパン(以下、PWJ)は、2021年8月に発生したハイチ大地震により被災した250世帯に、衛生キットの配付および衛生に関する啓発活動を行いました。
PWJが支援物資を届けた被災世帯は、キャンプペリ・コミューン(地域)にあるブッファード村住民です。マグニチュード7.2を記録した震源地に近かったことから、約8割の家屋が全壊。水道管も破裂したため、最低限の衛生環境を保つことも困難な状況でした。
そこでPWJは、以下のような衛生用品を「衛生キット」としてパッケージ化にして、1世帯に1キットずつ提供することにしました。
衛生キットには、バケツ1個、せっけん6個、洗濯せっけん2個、歯ブラシ5本、歯磨き粉2本、トイレットペーパー5個、生理用ナプキン1パッケージ、使い捨てマスク5枚、消毒液1本が含まれています。
次に啓発活動では、全250世帯に対して3日間に分けて行いました。今回の支援に当たり工夫した点は、衛生キットの配付後ではなく、配付前に啓発活動を行ったことです。
PWJのスタッフが司会・進行役となって、①正しい手洗いの方法、②安全な水の重要性、③正しいマスクの着用方法など、住民同士で学び合う場を設けました。
被災者が正しい知識を持ち、提供した物資を有効活用することで、衛生環境の悪化により流行するコレラなどの感染症や、新型コロナウイルス感染症に対しても、適切な予防対策がとれるようになりました。今後はより清潔で、安心できる暮らしが送れるようになることが期待されます。
〈現地の様子・現地の声〉
震源地に近かったブッファード村は、首都ポルトープランスから200キロ以上先の山奥にあって、道路も充分に整備されていません。しかも、被災世帯のほとんどは、家の庭先や、倒壊した家屋に住み続けていました。PWJのスタッフがブッファード村を訪問した際も、ハイチ政府や他団体からの支援はほとんど届いていない状況でした。
今回の衛生キットの配付に関して、村のリーダー的な存在であるウィルマンさんにインタビューしたところ、特に「良かった」と感じた点をいくつか教えてくれました。
- 配付前に啓発活動を行ったこと
- 衛生環境に関する知識をみんなで共有できたこと
- 感染対策の意識づけが強化されたこと
そして、「機会があれば、もっと水衛生知識を深めていきたい」と、ウィルマンさんはとても意欲的に話をしてくれました。
震災後、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は増加傾向にあったため、手洗い、消毒方法、マスクの着用などは、特に重要な情報となりました。
また、家庭へのモニタリング訪問では、子どもたちが率先してせっけんで手洗いをして、友だち同士で手洗いの方法をチェックし合うなど、PWJの啓発活動の学びを実践している場面も見受けられました。私たちはこの活動の成果をとてもうれしく思っています。
ご支援下さるみなさまへ:
ご支援いただいた今回の活動では、地震被災者、特に子どもたちの感染症予防に対するポジティブな行動変化が見られました。衛生知識の理解を深めることは、単に感染リスクを軽減させるだけでなく、被災者が元の生活を立て直すために仕事を続け、子どもたちが休むことなく学校に通えるなど、安心できる毎日の暮らしにつながります。
ハイチでは、依然として、コレラや新型コロナウイルス感染症などの感染拡大が懸念されています。そのため、このような感染症予防策を継続していくことは、とても重要だと考えています。今後も、PWJは被災した人々に寄り添い、ともに被災地域の復旧・復興を成しとげられるよう、支援活動を継続してまいります。
この度は、みなさまから温かいご支援をいただき、誠にありがとうございました。
(ピースウィンズ・ジャパン 相島さまより)
■ハイチにおける地震被災者への緊急物資配布を通した衛生環境改善
実施場所:ハイチ共和国 キャンプペリ・コミューン
実施期間:2021年10月1日~2022年1月31日
※ハイチ国内の燃料不足および治安悪化の影響により、
実施期間の延長あり。
・プロジェクトの詳細はこちら
・ピースウィンズ・ジャパンさまのその他の支援活動はこちら
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